大富豪
少し長いです。
暖かい目で見ていってください!
「ねぇ悠眞……ちょっとおんぶしてくれないかしら?」
「はぁ?なんで?」
「腰抜けちゃって足に力が入らないの」
「あ、はい」
さっき暴走していたことを思い出し、申し訳ない気持ちになる。
「ほんとにごめん。暴走しすぎた」
「謝らなくていいわよ。誘ったの私だし」
そういって、ベットに腰をかけて乗れと合図をしている俺の背中に体重を預けてくる。
「じゃ、立つぞ」
俺が立ち上がると、ずっしりとした重みが来る。と思っていたが、美咲希が軽かった。
「お前体重何キロ?」
失礼だとは思ったが、聞かずにはいられなかった。
「多分52とかじゃない?最近計ってないからからわからないわ」
えぇまじすか……
「身長は?」
「161」
「お前軽すぎね?」
「そうかしら?平均だと思うわ」
そう言って歩き始める。
歩く度に美咲希が軽く上下に揺れる。
美咲希はホットパンツを履いている。
俺が何を言いたいかと言うと、剥き出しになった太ももが俺の腕に当たってます。柔らかいです。
もっと触りたい衝動を抑えながら、急いでリビングへと向かう。
「悠眞の背中って意外と頼もしい……」
とりあえず無視。
階段を降りて、リビングへと着いた。
「わー、おにーラブラブー」
こいつにさっきのことを見られていると思うと、恥ずかしくなる。
「お前、彼女大事にしろよ」
と親父。親父!?
「いつ帰ってたんだよ」
「お前らが一緒に寝てる時」
「覗いたのかよ!?」
「いや、葉月に行かせた」
ならいいや。
「やっぱり赤飯炊かなきゃ!」
「お袋まて!落ち着け!」
「ふふ」
笑いながら俺の背中から降りようとしない美咲希。
てか抱きつかれてる。
この状況は簡単には変えられないと思った俺は、しばらく無になった。
それから美咲希を送った俺は、家のリビングにてくつろいでいた。
具体的には、スマホゲームやったり、つまらないテレビを見たり。
ただ無駄に時間を過ごす。
そこへ
「おい悠眞。お前何してたんだ?」
親父が来た。
「は?なにが?」
「お前ら呼びに行った葉月が顔を赤くして戻ってきたんだけどよぉ?何してたんだぁ?」
とてもうざい顔で、煽るような口調で言ってくる。
一年前の俺だったら頭に血が上っていただろう。だが俺は成長した。
「面白いことなんてなんもしてねーよ」
しれっとそう返すと
「おーい葉月ー!こいつら何してたー?」
「……その、あんなことやそんなこと……」
ぽっと顔が赤くなる葉月。
「聞いたか母さーん!明日は赤飯だ!」
「今すぐにでも炊かなきゃ!」
「だから何でそんなに赤飯が好きなんだよ!」
ツッコミを入れてから
「ヤってないから」
と小声で言う。
「お前避妊はしろよ?」
「わかったよ!黙れクソ親父!」
そう吐き捨てて、逃げるようにして俺の部屋へと向かった。
俺が平和にラノベを読んでいると、不意に携帯が鳴った。LINEの受信音だ。
『ちんこ』
クラスの変態男子からのLINEだった。
ふむ、こいつが俺にLINEをしてくるということは、相当暇なんだろうな。
『なんだ暇人。なんか用か?』
『なんとなく送っただけ』
ぶん殴ろうかこいつ
『なんとなくで下ネタ送るやつがどこにいる』
『ここにいる』
どんだけ下ネタ好きなんだよ。呆れるわ。
『ちんこもげろクソが』
『恐ろしいこと言うなよ。お詫びに媚薬やるよ』
『いらん』
てかこいつ持ってねーだろ。貰ったところで使い道なんてないんだが。
『そうか。お前粗チンだろ』
『そんなことは無い』
『即答かよ……』
『即答だ』
『じゃあ俺風呂入ってくるわ。また暇な時LINEする』
『はいよ』
一体なんだったんだあいつは。
いきなりちんこって送ってきやがって、何がしたかった。
考えるだけ無駄なので、俺はラノベを読むことにした。
すると、また携帯が鳴る。
(なんだ、またあいつか?それにしては早いな……誰だ?)
俺は友達こそ100人超えているが、その中でLINEを送ってくるやつは10人ほどだ。下手したらもっと下。
なので、1日に送られてくるLINEはせいぜい5~6件。タイムラインのコメントがたまに来るぐらいだ。
だから、こんな時間にLINEを送ってくるやつなんてそもそもいないので、誰かは予想がつかない。
恐る恐るLINEを立ち上げて、メッセージを送ってきたヤツを確認する。
そこには、小鳥遊と書いてあった。
(なんだこいつか)
そう思い、メッセージの内容を確認する。
『明日どっか行こーよ!悠眞どーせ暇でしょ?』
『お前何を根拠にそう言ってんだ。てかなんで俺だけなんだよ』
『だって大悟はいつでも暇ってこと分かってるし、美咲希はさっきLINEしたら暇って言ってた』
ふむ、そうか。だが俺の不満はそれだけじゃない。
『で?なんでグルにその確認をしてるんだ?』
そう、こいつがメッセージを送ってきたのは俺、美咲希、小鳥遊、大悟、葉月のグループだったのだ。
名前は適当に《暇人集まれ》だ。ほんとに適当。
『うっさいなーおにい。通知たまるから静かにして』
こいつ、後で涙目にしてやる。
『悠眞暇だろ?笑行こーぜ笑笑』
笑を多用する大悟。
『随分と楽しそうに会話してるじゃない』
そうか、グルに送ってきた理由は俺に断らせないためか。小鳥遊にしては考えたな。
『わかった行くよ。葉月お前覚えてろよ』
そう言って俺は葉月のもとへ向かう。
「葉月。お前に年上への口の聞き方を教えてやろう」
「うわっ、ほんとに来た」
俺を迎撃しながら葉月は器用にメッセージを打っている。
『おにいほんとに来ました笑』
こいつ、楽しんでやがるな。
「お前今日は見逃してやらんからな」
「ほう、おにいのクセにそんなこと言っていいのかな?」
「貴様こそ妹のクセにそんな態度とってていいのかな?」
顔こそ笑っているものの、言葉には刺がある俺と葉月。
それを見たお袋が、
「なら大富豪しましょう」
と、突然に言ってきた。
「「は?」」
俺と葉月は同時に声を上げた。
「ほら、丁度4人いるじゃない。だからやりましょ♪」
いつもに増して上機嫌なお袋。
特に異論は無かったので、無言で頷く俺。
葉月も異論はないようだ。
親父はというと、こちらを、んー?と言う表情で見ている。
そうして始まった大富豪である。
「8切り!そして上がり!」
1回目、即行で上がった俺。
この家族のルールは、5回勝負で、1番大富豪になった人の勝ちだ。
なので、1回は上がっておかないと、誰かの勝ちが決定してしまう。
「むー、おにいのクセに強い」
大富豪になったのはいいものの、都落ちがあるから怖い。
都落ちとは、大富豪より先に大富豪ではない人が上がると、大富豪は強制的に大貧民になるというものだ。恐ろしい。
なので、大富豪になったからと言って油断はできない。
「はい都落ち♪」
お袋が上がった。
ちくしょう。
そうして楽しくわいわいした大富豪が終わり、結果は親父の3勝。
強すぎんだろ。
「1回も上がれなかったお前の負けな。葉月」
「むぅ……次は勝つから」
まっすぐ俺のことを見て言ってきた。
「望むところだ」
そう返して、自分の部屋へと戻る。
『無事勝利(*^^)v』
と、ふざけたメッセージをグループに送る。
『うわ大人気ないな笑』
『悠眞ひっどーい(・_・、)』
『なに年下いじめてるのよ』
なんか負けた気がする。
そして、明日に備えて寝た俺であった。
最近は寝てばっかりなので、投稿ペース落ちてます…
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