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日常

こんな時間に投稿しましたいかすみぱすたです。

終盤は眠気と戦ってました。暖かい目で見ていってください。

 ドアを開け、外に出ると、9月の中旬だというのに強い日差しが肌を刺激してくる。

 あまりにも暑かったので、俺はもう1度家に入ってドアを閉める。

「なにしてるの?早く行くわよ」

「暑い。眩しい。暑い。外出たくない」

「完全にニート体質ね……」

 呆れながら美咲希が言ってくる。

「まだニートじゃないぞ」

「まだって何よ。早く出てこないと置いていくわよ」

 置いていかれるのは困るので、仕方なく外に出て、ドアの鍵を閉める。

「こんな日に体育祭なんて辛いねぇ」

 心の底からそう思う俺だった。


「あれ?先輩じゃないですかー。来てくれたんですね」

 中学校についた俺らが最初に出会ったのは、移動中の高原美鈴たかはらみすずだった。

「まぁな。お前の応援じゃなくて、葉月の応援だけどな」

 冷たくそう返す。

「ほんとですかー?ロリコンの先輩は女子中学生のおっぱいを見て興奮してるんじゃないですか?」

「べつにそんなことしねーよ」

「またまた、怪しいですねぇ」

「私を無視しないでもらえるかしら」

「ああ、美咲希先輩でしたっけ?来ていたんですね」

「わざと無視してることぐらいわかるわよ?」

「わざと無視するなんて、そんなことする必要がどこにあるんですか?」

 表情こそ笑っているが、言葉には棘があり、2人の間では、今にでも火花が散りそうになっている。

 するとそこに葉月がやって来た。

「あれ?美鈴じゃん。美咲希さんと知り合いなの?」

「……知り合いというか、まだ1度しか会ったことないんだけどね」

「へぇそうなんだ。移動しながら喋ろ?次の競技遅れちゃうよ」

 そう言って歩き始める葉月。

「あ、美咲希さん。来てくれてありがとうございます。大悟さん達はトイレの方にいましたよ」

 そう言って、トイレの方を指さす。

「おい、俺には感謝の言葉無いのかよ」

「はいはい。あざーす」

 適当だなこいつ。

 そう言って2人は人混みの中に消えていった。

「美咲希って、美鈴のこと嫌いなのか?」

「……さあ?嫌いなのかしら。別にあの子・・・は嫌いじゃないわ」

 あの子は?どういう事だ?

「あの子はってどういう意味だ?」

「さあ?別になんでもないわよ」

 あらー、なんか不機嫌ですねー。これどうしようもねーわ。

「美咲希、行こうぜ」

 これ以上何か言っても無駄な気がした。

 この場合、俺はなんて言えばいいかわからない。

「……そうね。凛花達待ってるわ」

 不機嫌なままの美咲希を宥めるのには苦労した。


「いやー、疲れた疲れた」

 なんだか満足気な葉月がやって来た。昼飯の時間だ。

「おにい、お母さんとお父さんは?」

「なんか、俺らがいると会話弾まないだろ?とか言ってどっか行った」

「はぁ〜。毎度の事とはいえ、どこで何してるんだろうねぇ……」

 ため息混じりの言葉に、俺は激しく同意する。

 まぁ、あの両親がどこで何をしようと、俺には関係ないからどうでもいいのだが。

「で、おにい。弁当箱は?」

「ん?ああ。ちゃんとあるぞ、お袋が奮発して作ったやつ」

 そう言って俺は5重になっているおせちが入っていそうな箱を広げた。

 一番上にはおにぎりが多数入っている。

 2段目には揚げ物類。唐揚げやトンカツ……トンカツ!?

 まて、唐揚げはわかるが、トンカツはないだろ……

 こちらも多数入っている。どうしようもないな。

 俺が同様していると。

「悠眞どうかした?」

 と、美咲希が言ってくる。

「あ、いやなんでもない。ただ、あのお袋の発想に尊敬していただけだ」

 普通トンカツなんて入れないだろ。

 3段目は至って普通だった。

 卵焼き、ベーコンを炒めただけのやつ、小さめのハンバーグ。

 ほんとに普通なのに、その料理は不思議と美味そうに見える。

 4段目、サンドイッチが入っていた。

 挟まっているのは恐らく2段目にあるトンカツだろう。

 お袋少し頑張りすぎじゃないか?

 そして5段目。梨、リンゴ、ブドウなど様々な果物が入っていた。

 これ明らかに二人分じゃねーよな。5段あったから嫌な予感はしてたけどさ、まさかここまでとは思わなかった。

 そして俺は携帯を取り出すと、今どこで何をしているかわからないお袋へと電話をかける。

『もしもし?』

「あの弁当の量、明らかに二人分じゃないよな?どういう事だ?」

『みんなで食べた方が美味しいでしょ?だから前もってみんなには明日弁当はうちで作るから必要ないわって連絡しておいたわ』

 仕事早いな。そして、俺はみんなの方を向くと、両手をこちらに見せて、何も持ってませんよーとアピールしてくる。

「まじかよ。じゃいただきます」

 俺のその言葉に続いて、みんなもいただきます!と元気よく言った。

 その声はお袋にも届いたらしく、

『美味しく食べてね』

 と、目の前で笑っているお袋の姿が見えるほど、携帯から満足気な声が聞こえてきた。

 そして俺は通話を終了すると、みんなのもとへ行き、弁当を食べる。

 世界は平和だなぁ。


 体育祭が終わり、夜打ち上げをしようということで、すっかりお馴染みとなったメンバーで、食事をすることになった。

 もちろん場所は俺の家。

 そして台所には葉月と美咲希がいる。

 葉月ちゃんが疲れているだろうから私も手伝うわと言って、手際よく手伝っている。

 俺はと言うと、目の前のリア充をいつ爆破してやろうか考えている。

 特に何かしているわけではないが、肩を寄せあってゲームしている。その表情は喜びと安心感が混ざったような……そう、幸せだ。

 俺は一人で何をしているかと言うと、この前購入した本を読んでいる。

 なかなかカオスだな。だから一緒にいて飽きないのだろうか。


 数10分後、料理を持ってきた葉月と美咲希が声をかけると、みんな一目散に座る。

 俺の家のテーブルはそんなにでかくないので、4人しか座ることが出来ない。

 俺の隣に美咲希が、反対側に大悟と小鳥遊。

 ソファーに葉月と親父……は?

「おい親父。いつからそこにいる?」

「さっきだが?いちゃまずいような事でもあんのか?」

 しれっと答える親父。その隣にお袋がいる。

「いてまずいことなんて無いよ。ただ、なんの気配もなしにそこにいたもんだからな」

「ふっ、息子よ。隠密行動は基本中の」

「じゃ、みんな食べようぜ」

 親父はとりあえずめんどくさいのでスルーだ。

「なぁ葉月。お前さ、クラスの打ち上げ誘われてただろ」

「なんでおにいそんなことわかるのさ」

「お前と美鈴が喋っているところ見たからさ」

 美鈴、という言葉に美咲希がピク、と動いた気がするが、まぁ気のせいだろう。

「クラスのみんなと一緒にご飯いっても面白くないし、行ったら必ずどっかで告白されるし面倒なんだよねー」

 そう言って料理を口に運ぶ葉月。

 確かにこいつは可愛いし、胸も巨乳ってほどではないがある。

 だから告白されてもおかしくはないと思うが、そこまで堂々と言われるとなんか腹立つ。

「そーゆーもんなのか。クソビッチめ」

「はー?誰がビッチだこら。まだ処女だっつのばかおにい」

 こうして、打ち上げは無事に終了した。

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