波乱万丈の夏休み⑥
これでようやく長い夏休み編がおわります。
正確には次話の途中で終わりかな?
時刻は16:00。
一番最初に俺の家に来たのは美咲希だった。
「どう?似合うかしら……」
美咲希が着ていたのは青い着物だった。
その着物は、美咲希の長い黒髪ととても合っていて、正直に言って似合いすぎてて抱きしめたいぐらいだ。
「とても似合ってる。とても」
大事なことなので二回言いました。
「どれぐらい……?」
ちょ、美咲希さん今日積極的すぎません?
「ふむ、そうだな。例えるならアニメのキャラがそのまま飛び出してきたぐらい似合ってて可愛い」
あれ、美咲希ってアニメ系のネタ通じるっけ?
すると、美咲希は顔を真っ赤にして、両手で顔を隠している。
通じるのか。
「美咲希って、アニメ系のネタ通じるんだな」
「悠眞程ではないけど、凛花より知ってるわ」
え?まじ?小鳥遊より知ってんの?それって俺と同等かそれ以上ってことになるぞ。
「へぇ、なかなか詳しいんだな」
「凛花にラノベを教えたのは私よ?凛花にとって私は師匠みたいなものね」
へぇ。隠れオタか。なかなかやりおる。
俺達の会話をどこから聞いていたのかわからない葉月が
「えぇ!?美咲希さんラノベ好きなんですか!?どんなのが好きですか?」
「そうね、ラブコメが好きだわ。あとはギャグ要素がある異世界系とか?」
気が合うじゃないか。
「ならおにいの部屋に行って見ればどうですか?めちゃくちゃありますよ」
「それは気になるわね。悠眞、お邪魔していい?」
「別にいいぞ。好きなだけ見てけ」
そういって俺と美咲希は2回の俺の部屋に向かった。
「悠眞やっぱりすごい量読んでるのね」
「どうしてそう予想がついた?」
「だってあなた国語の点数だけやたら高いでしょ?」
そういうことか。
「まあ、そこそこな」
「それにしてもすごい量ね。何冊か借りていい?」
「どぞどぞ」
悩んだ挙句、美咲希が選んだのは5冊。
それも近所の本屋には売ってないやつ。
なかなか選ぶセンスあるな。
そして、その本をトートバッグに入れた。
「お前トートバッグなんて持ってきてたんだな」
「それはそうよ。あると便利なのよ?」
そうなのか、と俺が言った直後。
「おにい、大悟さんたち来たよー!」
そして、俺らは夏祭り会場に向かう。
夏祭り会場に着いた俺らは、各自自由に行動することになった。
「それにしても、美咲希が隠れオタクだったとはなー。ちょっと意外だわ」
正直ちょっとじゃすまないな。内心すっげーびっくりしてる。
「あらそう?私も凛花から話は聞いていたけど、悠眞があそこまでラノベを持ってるなんて思わなかったわ」
と、笑いながら言ってくる。
「なんか食べるか?」
俺が聞くと
「そうね……わたあめが食べたい」
へぇ、わたあめか
「甘い物すきなの?」
「そうね、好きよ」
「じゃ、屋台探すか」
そういって、屋台を探し、わたあめを購入するのにそんなに時間はかからなかった。
その頃、俺と小鳥遊と葉月は一緒に行動していた。
「ちょっと金魚すくいしてもいいですか?」
「いいよ」
俺がそういうと
「大悟さんやさしー!おにいだったら即行やだって言ってますよ……」
だろうな、と笑いながら言ってると
「じゃああたしもやる!」
なぜかやたらテンション高い小鳥遊。
「お前らテンション高すぎ。もう少しおちついて」
一応忠告はしておくが、多分この勢いは止められないだろう。
それからきゃーきゃーやりながら無事に金魚を獲ることに成功した小鳥遊と葉月は上機嫌だった。
「あ!ケバブ売ってる!ちょっと食べていきませんか?」
なんで売ってるの?なんで?俺夏祭りでケバブなんて見かけたことないよ?
「腹減ったし、食べるか」
異論はないようで、みんなケバブを購入した。
「ケバブってこんなに美味しいんだ!初めて知ったよ!」
やたらテンションが高い小鳥遊はどうやら初ケバブらしい。
「美味いよなぁケバブ。ほんとに美味い」
そういってケバブを堪能した俺らは、次に何をするか話し合っている。
「次どうしましょうか?花火大会まで時間ありますし、おにいは絶賛いちゃいちゃ中でしょうし」
「そうだな…ちょっと俺はトイレに行ってくるよ」
「じゃああたしはジュース買ってくる!葉月ちゃん何飲みたい?先輩の奢りだよ!」
じゃ、行ってくると静かに言って、俺はトイレを目指す。
「ふぅ〜」
スッキリした俺は、トイレを出た。
「大悟!」
その瞬間を小鳥遊に呼び止められる。
「あたしは大悟が好きだ!だからその…付き合って…くれないかな?」
俺としては小鳥遊は嫌いじゃない。好きだ。
でも、まだ諦められていないんだよ、俺は。
ありがとう小鳥遊。でも、まだ結論は出せない。
「俺、好きな人いるんだ。それで俺、まだその人の事諦められてない。そんな状況で付き合ったって楽しくないし、何より小鳥遊は誰かの代わりにしていい様な人じゃない。だから、30分待ってくれないか?」
そう言ってから、大悟の行動は早かった。
『話したいことがある』
メッセージを受信した美咲希は不思議に思う。
(話したいこと?なんだろう)
行ってみないとわからないので、指定された場所へ向かう
「悠眞、ちょっとトイレにいってくるわね」
「りょーかい。じゃあ俺はここら辺で待ってるわ」
普通ならここで、俺もトイレ行くわなどと言ってついてくるものだと思うのだが、この人は普通じゃない。
「あー、途中で襲われないように気をつけろよー」
軽くそんなことを言ってくる。ほんとに襲われたらどうするんだろう。
「わかってるわ。じゃ、行ってくるわね」
そういって、大悟のもとへ向かう。
それから数分。美咲希はなんの問題なく大悟と会うことが出来た。
「話って、なに?」
私の問に大悟は
「ああ、聞いてほしいことがある」
聞いてほしいこと?
「実はさ、俺ずっと小野塚の事好きだったんだよね。悠眞と付き合い始めてからも諦めきれなくて、今ここで告白した」
正直大悟のその言葉にはびっくりした。嬉しい。でも
「ごめんなさい。今の私には大切な人がいるの。だからあなたと付き合うことは出来ない」
本心でそう告げた。大悟もこうなることを予想していたんだろう。
「そうだよな。これでようやく踏ん切りがついた。ありがとう」
「じゃあ私は戻るわ。また花火を見る時に会いましょう」
大悟との関係は今まで通りだ。今まで通り、友達。
そう思いながら、悠眞のいる所へと戻る。
「ふられたかぁ。でも、結果はわかってたし、これでようやく前に進めるな」
自分に向けた発言。
「さて、と」
大悟が悩んでるのは小鳥遊の事だった。
30分後に結論を出すと言って、今に至るのだが、正直まだどうしていいかわからない。
気持ちはそんなにすぐ切り替えられるものではない。
けど、小鳥遊は好きって言ってくれた。俺のどこがいいのか全くわからんが。
だから、移動中に大悟は考える
俺は小鳥遊の事をどう思っているんだ?放っておけない。
じゃあ好きなのか?わからない。
どんな関係になりたい?わからない。
自問自答を繰り返した。
そして、繰り返し繰り返し、正解のない問題に、俺の脳は思考停止した。
そこに浮かぶのは、小鳥遊の笑顔。笑って物事を話してくれる。
だが、その笑顔は作られたものだ。
作り笑顔。その仮面の裏から覗く感情は…悲しみだろうか。
もっと知りたい。彼女を支えていきたい。
そう思った。そう思えた。
だから、俺の出す答えは…
「ごめん、待っててくれてありがとう」
30分経った後、再び小鳥遊と話す。
「さっきの答えだけど、いいよ。付き合おう。まだ気持ちを切り替えきれてないけど、絶対小鳥遊のこと好きになるから。それでもいい?」
自分でも最低な事を言っているとわかっている。でも、これ以上に自分の気持ちに素直になれる答えと言葉がわからなかった。
すると、俺の言葉を聞いた小鳥遊が飛びついてきた。
「それでもいいよ!絶対だからね?約束だよ?」
そういって小指を伸ばしてくる。指切りげんまんだ。
身長差から、俺に飛びついてきた小鳥遊は上目遣いになる。
くそ、可愛いじゃないか。
俺は確信した。俺は、俺が思っていた以上に小鳥遊の事好きなんだな。チョロすぎるだろ、俺
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