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第3章:出会い…。

公園で出会った少年達に連れて行かれた場所で、主人公は、今まで一番会いたかった人に会うことになって…。

第3章:出会い…。


私は、厘雄と卓に連れられて、あるライブハウスに到着した。

宝珠:「ここは…?」

厘雄:「ここー。ここがね、厘雄たちが活動してるトコだよ。」

宝珠:「そうなんだー。」

厘雄:「うん。入って入ってー。」

厘雄がドアを開けて、勢い良く手を振る。

厘雄:「優輝〜ぃ!ただいま〜。」

優輝:「おぉ、厘雄、早かったのぅ。もうちょっと遊んできても良かったとよー。」

『優輝』と呼ばれた人の声が奥の方から聞こえてくる。

厘雄:「優輝〜ぃ!聞いて聞いてぇ。今日ね、お客さん連れてきたのー!」

優輝:「お客さん??」

そして、その『優輝』という人が奥から出てきた。

厘雄:「宝珠って言うの〜。」

優輝:「そうね。じゃ、自己紹介しとかんといかんのぅ。俺は、永星優輝。しくよろ。高2じゃけん、多分年上じゃと思うけど、優輝でいいぜよ。」

そう言って、その人が左手を差し出す。

宝珠:「は、はじめまして!四王寺宝珠です。中2です。よろしくお願いします。」

私も左腕を差し出して握手をする。

優輝:「まぁ、何もないとこじゃけんど、ゆっくりしていって。」

ニコっと笑うその優しい笑顔は、私の心の傷を一瞬にしてかき消した。

優輝:「何か飲むか?何が良かと?」

宝珠:「い、いえ…そんな、お構いなく。」

優輝:「そんな遠慮せんでも良かじゃろ?友達なんじゃけんが、何をそんなに遠慮する理由があるんよ。」

厘雄の言うとおりだ…。

この人は、初対面の私を友達だって思ってる…。

宝珠:「ご、ごめんなさい…。」

優輝:「別に気にせんで良かよ。それから、その敬語止めるんしゃい。俺は敬語っち嫌いなんよ。じゃけ、正式な場所以外は絶対俺使わんばい。」

厘雄:「そうだよー。敬語なんか止めちゃえー。」

厘雄が、オレンジジュースを両手に持って来た。

厘雄:「宝珠が遠慮するから、勝手に厘雄の好みでオレンジジュースにした。」

優輝:「ほらぁ、宝珠がちゃんと言わんと、お互いに気ぃ使わんといかんくなるじゃろ?だけん、いらん気使わんでいいんぜよ。他で使わんといかんとしても、ここでは使わんでいいと。OK?」

気持ちは嬉しかった…。

けど…こういう言葉、何度も言われたことある…。

宝珠:「で、でも…私…。」

卓:「何でそうやって、自分から殻ん中入ろうとするとよ。学校で何があったが知らんばってん、ここでは誰もお前ん事苛めたり責めたりせんから大丈夫たい。」

卓の言葉が私の心に突き刺さった。

私は、やっぱり心のどこかで厘雄たちを信用していなかったんだ…。

そんな自分が情けなかった。

こんなにも優しく接してくれる人たちまでも、いつの間にか信じることが出来なくなっていた自分…。

最低だよ…。

優輝:「あのさ、もし宝珠の心が許せばでいいんじゃが、溜まっとおモン出してくれんかのぅ?俺に全部話してほしいんじゃ。話すのが無理じゃったら、俺をその相手じゃっち思うて、そのまま言いたいことぶつけてみんしゃい。」

厘雄:「そうだよ。言っちゃいなよ。楽になると思うよ。厘雄たち、宝珠の味方だから!」

みんなの言葉に、今まで溜まっていたものが一気に湧き出てきた。

宝珠:「…なん…で…、何で!何でぇ…。何で私ばっかりこんな目に遭わなきゃいけないの!?私…何かした?何でこんなに苛められなきゃいけないの!?もう行きたくない!学校なんか!死んじゃいたい…。もう耐えられないの!もう無理なの!」

そう喚いた瞬間、優輝に抱きしめられた。

宝珠:「ゆぅ…き…?」

優輝:「よぉ勇気出して言ってくれたのぅ…。残念じゃが、お前の学校まで踏み入ってそいつらに文句を言いに行くことはできん。じゃが、ちゃんとお前の思い、辛さ、悲しさは俺には伝わったけん。もう大丈夫ぜよ。ここにおれば、お前のことを苛めたりする奴は絶対におらんよ。約束するたい。」

優輝の温もりが切なくて、苦しくて、でも嬉しくて…。

私はもうみんなが見ていることなんて忘れて泣いていた。

優輝:「辛かったのぅ…よぉ我慢した…。ええよ。泣きたい時は泣きたいだけ泣きんしゃい…。」

私は幸せだと思う…。

こんなにも私のことを理解してくれる人がいて、受け入れてくれる人がいて…。

私は、この出会いで、自分は幸せだと感じることが出来た気がする…。

次章は、主人公がみんなの仲間入りをします!!

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