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第2章:温かさ…。

主人公が、過度のいじめによって失っていたものを取り戻します!!

第2章:温かさ…。


厘雄:「あーあ。泣いちゃったぁ。卓のせいだよぉ。あんな言い方しなくても良いのにさぁ。可哀想じゃんかぁ!!」

泣いている私を見て、女の子が男の子に言った。

卓:「はぁっ!?俺かよっ!!って、俺しかおらんよな。悪い!俺、口悪かけん。」

男の子が私に頭を下げてきた。

宝珠:「ち、違います!!貴方のせいじゃないです!わ、私、いじめられてて、学校行ってなくて、それで…、こんな私にでも優しくしてくれる人がいたんだなぁって思ったら、嬉しくて…。」

厘雄:「そっかー。なぁんだ。卓のせいじゃなかったんだぁ。良かったねー。」

女の子がそう言って、男の子の肩を叩いた。

卓:「そ、それより、足、見せてみぃ。血ぃ出とるとやろ?」

男の子が話を逸らすように言った。

私は、おそるおそる足を出した。

厘雄:「うひーぃ…痛そう…。」

卓:「派手にやったとやなぁー。痛かろう?」

血が流れて膝は真っ赤…。

痛くないといえば嘘になるけど、はっきり言って痛すぎて感覚が無い。

卓:「何かあれば良いとやけど…。」

男の子がポケットからハンカチを取り出して、私の膝の傷を抑えながら言った。

厘雄:「はいはーい!厘雄はぁ、救急セット持ってまーす!!」

女の子が手を上げて、得意そうに言った。

卓:「準備良いとやね。早ぅ貸しんしゃい。」

厘雄:「はーい!!」

女の子がカバンから消毒液らしきものと包帯、ガーゼを取り出して、男の子に渡した。

卓:「取り敢えずは応急処置たいね。」

男の子は手際良く膝を治療してくれた。


宝珠:「ありがとうございました。何か迷惑かけちゃって。」

厘雄:「ううん。迷惑なんて、そんなこと全然ないよー。だって友達でしょ?」

女の子の言葉に、私は動揺した。

宝珠:「友達?何で?私達、会ったばっかりだよ?」

そう私が言っても、女の子は笑顔のままこう続けた。

厘雄:「会ったばっかりだったら友達じゃないの?そんなこと全然関係無いと思うけどなー。だってね、優輝が言ってたよ。『人は出会ったその時から友達なんじゃよ。』って。」

宝珠:「優輝?誰?」

卓:「優輝って言うんは、俺たちが組んどるバンドのリーダーとよ。」

宝珠:「へぇ…。そうなんだぁ。すごく素敵なこと言う人とやね。その人。」


―そげん人がまだ、この世におったとやね…。―


私はその『優輝』と言う人に会ってみたくなった。

厘雄:「すっごくカッコE→よ。厘雄の憧れの先輩だもん!!」

宝珠:「厘雄ちゃんはその人が大好きとやねぇ。」

私がそう言うと、男の子が吹き出した。

卓:「ぷっ…あははっ!!厘雄ちゃんだってぇ!こいつな、こげん見えるとばってん男とばい。マジ有り得んたいね。信じられんかろ?」

宝珠:「えっ?え…えぇぇぇーーーっ!!ホント?」

厘雄:「うん☆ホント。厘雄は男の子だよー。」

女の子と思っていたその子は女の子ではなかった。

宝珠:「ご、ごめん…。美少女クラブとかにいそうな顔だし、声も深夜アニメの萌えキャラみたいな声だし、名前も…。私、女の子と思ってた!!」

厘雄:「いいよー。いつものことだC−!!ところで自己紹介まだだったよね。俺、岡本厘雄。厘雄でいいからねー。で、こっちが鐘ヶ江卓だよ。君は?」

宝珠:「私は、四王寺宝珠。よろしくね。」

私は軽く会釈した。

厘雄:「ところで宝珠ー。宝珠は優輝に会ってみたくない?」

会ってみたいと思った人に会えるの?

会いたくない訳無いっ!

この目で確かめたい。

ホントにそんな人がいるのかどうか…。

宝珠:「会いたかー。会わしてくれると?」

厘雄:「うん☆いいよー。卓、宝珠さ、優輝に会いたいんだって。一緒に行ってもいいでしょ?」

厘雄が、卓の着ているTシャツを引っ張りながら強請る様にして言った。

卓:「分かった分かった。って、何で俺に聞くとか!好きにすれば良かやろ?俺に権限無いとやけんね!」

厘雄:「やったぁ!行こ行こー。」

厘雄が私の手を引っ張って走り出す。

宝珠:「待って!そげんに引っ張らんで良かよ。ちゃんと行くけん。」

卓:「そぉたい!こいつ、足ばケガしとるとやけん、そげん引っ張ったらまた転んでしまうばい。」

厘雄:「そか、ごめん。」

宝珠:「やだぁ、本気にした?うそうそ、気にせんでよかばい。行こ!」

厘雄:「やっと笑ってくれた。女の子は笑ってる方がずっと魅力的だと思うから、ずっと笑っててほしいなぁ…厘雄は。」

宝珠:「分かった。じゃあー、厘雄のために、笑っとこうかなぁー、私。」

厘雄:「ホント?やったねv」


私が望んでた事…。


―良いなぁ…、私もあんな風に友達と話したりしたいなぁ…。―


こうして楽しく話して、ちょっと冗談が言える、温かい人間関係が欲しかった…。

私は、今まで失っていた温かさを感じることが出来た。

次章、遂に主人公の人生を変えてしまうあの人の登場です!!

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