第1章:止まらない涙…
いよいよ本編に入ります。
主人公はいじめを受けているようで…。
第1章:止まらない涙…。
「あんたさぁ、ホントウザいんだけど。さっさと死んじゃえばぁ?」
「キモーイ。近寄るなっつうの!キモ菌がうつったらどーしてくれるワケぇ?」
こう言う事言われるのは、もう当たり前…。
物を隠されたり、落書きされたり、足を引っ掛けられたり…。
私は所謂『いじめ』に遭っていた。
そして何時の頃からか、私はもう学校に行かなくなっていた…。
私は今、公園をぐるぐると、唯、只管走っていた。
何で私が…何で私だけ…何で私ばっかり…こんな事されんといかんとよ…!!
1週2kmの公園を、悲しみ、怒り、憎しみを込めて走る。
そうすることで、決して癒えない心の傷口を、無理矢理締めようとしていた。
そんなことしても何も変わらないことぐらい分かっていた。
でも私にはどうすることも出来ないから…。
こうするしかなかった。
何周目か分からなくなってきた頃、ベンチに座って楽しそうに話している、私ぐらいの男の子と女の子は目に入った。
「それってアレやん!うわー。絶対有り得なかろー?」
「ホントだってぇ!!マジびっくりしたっちゃもん!!」
―良いなぁ…、私もあんな風に友達と話したりしたいなぁ…。―
そう思いながら立ち止まって、その二人を見つめていたら、学校での出来事が蘇ってきた。
「ねぇ、見て。まだ来たわよ。」
「よく来れるよねぇ。ホントバッカじゃないの?」
「あははは…。アンタがいなくなったって、誰も悲しまないって。だから安心して死んでいいからねー。」
そしたら、その二人までが、私の噂をしながら笑っているような感覚に襲われて、恐くなって、私はその場から早く離れようとまた足を動かし始めた。
でも、パニックになった私は、足が縺れて、その場に転んでしまった。
「いっ、痛っぁ…。」
私のその声に、その二人が私の方を見た。
卓:「おいおい、大丈夫かぁ?」
―やだ…来ないで…。―
厘雄:「大丈夫?立てる??」
―誰か助けて!!―
二人は私のことを心配してくれてるんだ。
でも、今の私には、そんなふうには見えていない。
女の子が手を差し延べてくれた。
けど、私には、刃物を持った、あのクラスメートに見えてしまって、遂に叫んでしまった。
宝珠:「ゃあっ!!来ないでぇ!!ほっといてっ!!もう関わらんでぇ!!」
すろと男の子が、私の肩を揺すってこう言った。
卓:「ほっとける訳無いやろうが!!自分の目の前で人が血ぃ流して倒れとるとやぞ!!ほっとく人間が何処におるとかちゃ!!」
そう言われて、私が顔を上げると、今度ははっきり二人の顔が見えた。
宝珠:「ご、ごめんなさい…。私…。」
涙が止まらない…。
こんな私にでも、優しく接してくれる人が、家族以外にもいたなんて…。
そう思ったら、嬉しくて涙が止まらなかった。
次章は、しばらく味わうことの出来なかった温かさを主人公は手に入れます。
次章もお楽しみに!