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姫神  作者: 星長晶人


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『アルティメイト』“オリジン”

※本日二話目

 師匠は消耗が激しく、しかも途中色々あって無駄に力を使ってしまい、力尽きかけていた。同じく消耗の激しい俺達が加勢しても、軽くあしらわれるだけ。


「……でもこの隙に艦船を狙えば――っ!?」


 音緒さんがツバキさんを無視して艦船を攻撃しようとすると、艦船から黒い粉が音緒さんの周囲まで一直線に伸びていた。……何だ?


「……おいおい、まさかもう起きたのかよ!」


 ツバキさんが半笑いで師匠を吹っ飛ばしながら言う。……まさか、この黒い粉がもう一人の男子姫神使いの能力なのか?


「……っ!」


 艦船に近い――というか艦船の中から音緒さんに向かって伸びる黒い粉の線が、根元から轟音と共に爆発した。しかもそれは線となっているために連鎖となって音緒さんに向かっていく。


「……音緒さん!」


 俺は思わず叫ぶと、爆発に対処するためか自身の周囲に濃い霧を展開した。広範囲になっているため、回避は難しいと判断したのだろう。


 ドガァン!


 物凄い轟音と共に音緒さんが大爆発に包まれる。


「……」


「……音緒さん!」


 爆発の黒い煙の下から真っ逆様に落下する音緒さんの姿を見て、驚きつつも浮遊させて艦船に運ぶ。……消耗が激しいとはいえ、日本代表を一撃かよ。黒い粉が爆薬みたいなもんって訳なのか?


「……あー、だりぃ。せっかく他人が気持ちよく寝てるってのに、うるせえんだよ。朝っぱらから」


 壊れた艦船の中から姿を現したのは、ボサボサの黒髪をした目つきの悪い少年。長袖の白シャツと黒い長ズボンという普通の格好である。


「……おっ? あー、そういや今日襲撃あるとか言ってやがったな。まさかてめえがいるとは思わなかったぜ、弥生月大河っ!」


 少年は俺を視界に入れて口端が裂けそうなくらいに嗤う。


「……お前がもう一人の男の姫神使いか」


 俺は上空から見下ろして確認する。……別に身体を鍛えてるって訳でもなさそうだ。近接タイプじゃないのかもしれないな。


「……ああ。てめえの言う通り、俺が二人目の男姫神使い。煌月(こうつき)凱亜(がいあ)だ。よろしくな」


 少年――凱亜はニタリと笑って名乗った。


「……おーおー。そんなに可愛い娘連れて参上とは、いいご身分だなぁ、大河。てめえのせいで俺はこんなとこにいるってのに、羨ましい限りだぜ」


 凱亜がニタニタ笑いながら言って、さっき音緒さんを倒した黒い粉を出現させた。俺達全員に狙いを定めて。


「……っ!」


「……ま、とりあえず三回は死んどけよ」


 俺により多く密集させて、全身から炎を放ち全てに爆発の連鎖を巻き起こす。


「……クソッ!」


 俺も残った力なんてほとんどないが、海を持ち上げて艦船にいる全員と俺以外を何とか覆う。……別に自分より他人と優先させた訳じゃない。ただ、自分の防御に回す時間がなかったからだ。


「……がぁ!」


 そのため無防備な状態で爆発を受け、姫神のほとんどが強制解除される。意識も持っていかれそうになり、全身に激痛が走った。焼けるような痛みが持続する。


「……おーおー。自分を犠牲にしてもってヤツか。カッコいいねぇ。――虫唾が走る」


 ニタニタ笑っていた凱亜だが、ギロリと俺を睨み付けていた。……辛うじて浮いてる状態だ。おそらく残ってるのは賢者ぐらいだろう。ボロボロになった伊達眼鏡があることだし、間違いない。


「……そんなんじゃ、ねえよ。ただ海水が間に合わないと思っただけだ」


 俺は言うが、回復出来る程力が残っていない。ズタボロの満身創痍であり、浮遊してられる時間も僅かだろう。


「……大河!」


 誰かが俺を呼ぶ。だがそれが誰かも分からない。


「……まあいいぜ、どうでもよぉ。俺はただてめえを殺せればそれでいい。ああそうだった。俺の姫神を教えてやるよ、大河」


 凱亜は元のニタニタ笑いに戻って言う。


「……俺の姫神はてめえと同じ『アルティメイト』の一つ。“オリジン”ってんだ。それだけじゃ何の姫神か分かんねえだろ?」


「……“オリジン”なら、きっと元素だな。火、風、土、水だろ?」


 俺は炎を放ったところを目撃したので、掠れた声で言う。


「正解! まあでもそれだけじゃねえ。元素っつったらもう一個あんだろ?」


「……なるほどな。あの黒い粉は火薬じゃなくて、マグネシウムって訳か」


 俺はやっと思い至って言う。


「大正解だ、大河ぁ! せっかくだから俺の“オリジン”をたっぷり味わってもらうぜぇ! ほらよ、ダイアモンドの剣!」


 凱亜は言ってニタリと口が裂けそうな程嗤い、風の力か元素の力か、俺に向かって飛んで突っ込んできた。


「……っ! オリハルコンの剣!」


 俺は凱亜を迎え討つために伝説上の鉱物で剣を生成し、ダイヤモンドで出来た剣と交える。


「……そうだ、いいぜぇ! 金の槌!」


 凱亜は鍔迫り合いをしながら俺の頭上に金で出来た槌を作り出す。


「……ダマスカスの盾!」


 俺も何とか頭上に盾を生成して防ぐが、もうこんなことしか出来ない。賢者の姫神を維持するだけで精一杯だってのに。


「……いいぜぇ、大河ぁ! 銀の槍ぃ!」


「……くっ!」


 無駄打ちは出来ないと、何とか剣を弾きオリハルコンの剣で銀で出来た槍を受け止める。


「……もっと、もっとだぁ! 武器の雨ぇ!」


 凱亜は狂気に満ちた笑みを浮かべて俺の頭上に無数の金銀銅や鉄、ダイアモンドで出来た武器を出現させ、降らせてくる。


「……クソッ」


 俺は呻いたが、剣をグッと押し込まれ体勢を崩し、武器の雨を直撃してしまう。無数の武器が俺のズタボロの身体をさらにボロボロにする。そして、オリハルコンの剣が消えていき浮遊が解ける。かけていた伊達眼鏡も消えていく。力尽きたのだ。


「……大河!」


「余所見してんじゃねえよ!」


 墜落する俺に気を取られた師匠が深くツバキさんに切り裂かれる。


「……」


 墜落する俺はつまらなさそうな顔をして俺を見下す凱亜を見ながら、海面に叩きつけられてトドメを刺され――なかった。


「……?」


 俺は誰かに抱き止められた感覚があり、我に返る。……後頭部に柔らかな大きい膨らみが当たったが、誰かは分からない。


「……あらあら。大河さんったらこんなに傷だらけになって。男の子が無茶していいのは昔だけですよ?」


 こんな状況でも柔らかな微笑みを浮かべる大人っぽい美人、女将さんが海面直前で俺を受け止めてくれていた。

当初の予定では、凱亜の姫神は『アルティメイト』の“アニメーション”でした


アニメに出てくる全ての力を使える、最強の敵です


でも考えてみると主人公最強アニメが増えてきて、無理です勝てません


ということで急遽変更しての登場です

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