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姫神  作者: 星長晶人


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作戦開始

※最近は毎日更新しています

 俺達十六人は沖に浮かぶ六つの艦船を発見した。


 飛行能力がある者は飛び、ない者は俺の魔法で飛行出来るようにしている。


「……六つか」


 情報と違った。遠視で見た時にはなかったモノだから、おそらく透明化させていたんだろう。


「……音緒さん!」


 俺は指示を仰ぐために最高責任者である音緒さんに声をかける。


「……分かってるわ。予定通り一隻ずつでいいわよ。雨釣木さんが三隻相手にすることになるけど、想定内だから」


 音緒さんはチラリと俺を見て全員に聞こえる声で告げた。……師匠がまだ来てないが、来ようと思えばすぐにでも来れるような人なので、特に気にしない。


「……まずは、俺からだな」


 何故か音緒さん以外の全員からジト目を向けられていたが、気にしないことにして配置につく。作戦最初の一撃は、俺からと決まっている。魔法を放つにしろ、最大量が多い俺が注意を引きつける役目を担うことになったのだ。


 艦船はそのまま沈めると環境にも悪く捕虜が出たら嵩張るということもあり、沈めないまま制圧する作戦となっている。


 制圧のために潜入するんだが、俺は表で出てきたヤツを返り討ちにする役だ。俺の姫神は有名らしく、男子への姫神の移植を研究するネオスが俺の存在を知らないということはない。そのため確実にマークされている俺が表に出て相手を引きつけようというのだ。


 出てきた姫神使いを返り討ちにする役は、四人。俺、音緒さん。アリシア、セスティア先輩だ。三人は国家代表で最も警戒されるのが当然であり、外に俺達四人がいれば必然的にこっちへ人員を割かないといけなくなる。戦力を減らして突入、制圧という流れだ。


「……ジャイアント・トルネード!」


 俺は出来るだけ派手なヤツをと考えて、超巨大な竜巻を起こすモノを使う。六隻の中央に竜巻が出現し、次第に大きくなって海と空が荒れていく。


「……派手すぎじゃない?」


 明音が呆れたように言ってくるが、これは作戦通りだ。


「……派手なのを選んだんだから当然だろ。それより集中して、頑張れよ。何かあったらすぐ行くから」


「……ありがと。じゃあ行ってくる」


 俺が反論しつつ激励すると、梨華が応えて五人は超低空飛行を開始する。水面ギリギリを飛び、いざとなったら潜ることで姿を隠すことが出来る訳だ。俺達四人を残し、十二人が艦船に向かって飛行していく。そろそろ感づかれる頃だ。


「……っ」


 巨大な竜巻は六つの艦船を壊さんばかりに猛威を振るっており、ほとんどの艦船が一部分を剥がされたりしていたが、突然消えた。……消されたか。しかもあれくらいの大技を一瞬で掻き消すとなると、一つしか心当たりがない。


「……マジック・キャンセル」


 アリシアも同じ考えのようで、少し険しい表情で呟いた。


「……みたいね。相当な魔法使いタイプがいると見ていいわ」


 アリシアの呟きを聞いていたらしい音緒さんが真剣な表情で言う。……昨夜の弱気な音緒さんが嘘のようだ。皆の前では立派に会長をしてるってことなんだろうか。


「……どちらにしろ、倒すまでだ」


 頼もしいセリフはセスティア先輩のモノだ。……合宿中に一度だけ浴場で鉢合わせて「きゃあ!」と可愛らしい悲鳴を上げたのと同一人物とは思えない程キリッとした顔をしている。


 しかし、あれだよな。外国人で何であんなにスタイルがいいんだろうな。特にアリシアとセスティア先輩。ちっちゃい人もいるが(誰とは言わない)スタイルがいい人はかなりいい。……俺は大事な作戦中に何を考えてるんだろうか。セスティア先輩とのアクシデントを思い出したせいか。


 因みにセスティア先輩の姫神は『プレイヤー』の“聖騎士”だ。凛々しい姿にとても良く似合っていると思う。初めて見た時にそう言ったら真っ赤な顔で怒られてしまったが。


「……ほら、来たわよ」


 音緒さんが余裕そうな笑みを浮かべて告げてくる。六つの艦船から、姫神使いがワラワラとこっちに向かって飛んできていたのだ。


 それだけではない。


 甲板に何人かが出てきていて、何やら大砲のようなモノを向けてきていた。相手も迎撃準備を整え、本格的に戦闘が開始すると思われる。


「……待たせたな」


 ドォン! という轟音と共に爆炎でこっちに向かってきていた姫神使いの半数が吹っ飛んだ。


 爆炎が来た方向には、白い機体のようなフォルムをした姫神を纏う、美女がいた。


 世界最強の姫神使い、雨釣木恵。俺の師匠である。


 これで役者は揃った。師匠の一撃で姫神使いの二割程度が倒されたと思うので、俺達も派手に攻撃して陽動を務める。


 もちろん、師匠の登場でさらに姫神使いが向かってきたが、万全な状態で構えている国家代表三人とおそらく現時点では一番強い姫神を持つ俺、世界最強の姫神使いに苦戦を強いることも出来ない。


 アリシアが操られていたような暗黒狂戦士がほとんどだったが、今度は俺だけにダメージが通るようなこともない。


 他の十人が無事艦船に乗り込んだのを見て、まず第一段階が成功かと、ホッとする。


 気を抜くまいと気持ちを引き締め、作戦の第二段階へと移行し始める。

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