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姫神  作者: 星長晶人


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師匠の来日理由

「光炎のこうえんのみかど


 師匠の両手が降り下ろされ、爆炎と閃光が辺り一面に広がりながら相手を襲う。


 眼がチカチカする程の光に思わず目を瞑るが、閉じる前に相手に直撃するのが見えた。


「ーーっ!」


 秋原さんも目が眩んでいた。


「……どうなった?」


 光炎の帝を受けても無事かもしれない。


「ア……グゥ……」


 そんな俺の懸念を吹き飛ばし、相手は重傷だった。鎧はボロボロに割れ、服も髪も焼けてボロボロだった。


「ほう? 光炎の帝を受けて倒れなかったのはお前で十人目だな。私の同期には八人もいるが」


 面白そうに笑う。


 その十人には俺も入ってる。守備重視の重ね掛けで何とか耐えた程度だが。


「さて、止めだ」


 師匠はまた両手を振り上げる。


「っ。秋原さん、師匠を止めてくれ」


 もう瀕死状態の相手でも容赦ない師匠だ。


「えっ?」


「早く……!」


 俺がもう一回言うと秋原さんは俺をソッと地面に降ろして師匠の前に立ちはだかった。


「ん? さっきの『ゴッド』か。危ないぞ、巻き添えになる」


「……退きません。弥生月くんが止めてくれって言ったから」


 秋原さんは真っ直ぐ師匠を見て言う。


 ……俺の名前出すと、後で酷い目に遭うがナイスだ、秋原さん。


「……白虎、鳳凰、朱雀」


 俺も無理やりに姫神を展開する。


 鳳凰と白虎の繋ぎに朱雀を入れてカバーしている。

 白い鎧に白いマント。それに橙色と赤の装飾がついている。背には炎の翼がある。


「……ふぅ」


 多分、大丈夫だろう。


 ーー対俺の姫神なんてある訳ないし、俺の推理が正しければこれでいける。


「っ!」


 走る痛みを無視して駆ける。白虎の瞬駆の能力で移動速度が上がるから、相手の元に辿り着くまでも速い。


「ッ!?」


「浄化鳳剣!」


 鳳凰による浄化の紅い炎が相手を包んだ。


「ッア! アアアアアァァァァァァァァ!!」


 相手は悲鳴を上げて、闇が抜けて姫神も消える。


「……」


 浄化し終わって、倒れるその娘を受け止める。


 浄化の炎は相手の悪や闇の心を癒す、祓う能力を持っている。


「……ところでバカ弟子」


「っ!」


 後ろから鬼の声が聞こえた。


「……え、え~っと?」


 ゆっくりと後ろを向く。


「まさか、私が手加減抜きに倒そうとしていると思った訳じゃないよな?」


「は、はい。師匠がやると周りの建物にも被害が及びそうでしたので」


 適当に理由をつける。まさか、一発で見破られるとは……。


「ほう? 私に嘘をつくのか? 大河」


 師匠は嫌な笑みを浮かべて言う。


「げっ……」


 ヤバいな、もうバレた。


「と、ところで師匠。どうしてここに? 偶々通りかかった訳じゃないですよね?」


 重傷に師匠の技が入ったら死ぬ。


 ……とりあえず話を変えた。


「……まあな。ここに来た理由はそいつだ」


 師匠は話を無理やり変えられたことに顔をしかめつつも、俺の抱えている少女を指差した。


「まあ、姫神の改造なんて、事件ですよね」


 俺は苦笑して言う。


「……ああ。だが、それは後で話してやる。罰もその後だ」


 ……ふぅ。とりあえずセーフか。後で酷い目に遭うが。


「……ありがとうございます。師匠、この娘を」


 師匠に少女を渡す。


「ん?」


 師匠は不思議そうな顔をして首を傾げる。


「……はぁ、ちょっと、お願いします」


 俺はそこで限界が来て、倒れる。


「っと。全く、無茶し過ぎだ。バカ弟子」


 師匠に支えられたのがわかって、俺の意識は落ちていった。


 ▼△▼△▼△▼△


「ん……?」


 俺の意識が戻ってきた。


「目が覚めたか」


 俺はベットに横になっていて、皆が立っていた。


「師匠……」


 横目で見るとあの少女もベットに寝ていた。


「とりあえず、大河もそいつも命に別状はないそうだ」


「そうですか……」


 それは良かった。


「他に怪我人は?」


「ないわ。ホールにいた人も無事に避難出来たし」


 明音が言った。……何か、久し振りな気がする。


「楽器もか?」


「うん。まあ、ちょっとギリギリだったけど」


 浅島さんが笑って言う。俺、途中で賢者といたしな。


「それで、その娘は?」


 俺は少女の方を向いて言う。


「今から説明する。私は大河を鍛えた後、アメリカに向かった。ここの理事長や姫神関係者のお偉いさんに依頼されてな」


 ここもか。


 師匠、大学生の癖に自由だよな。世界最強の特権だろうか。


「何でも、アメリカで姫神開発研究所が襲撃されたらしい」


「「「っ!?」」」


 マジか?


 姫神の研究をする施設は世界に十個程度しかない。しかも、姫神に関する重要機密が多く研究されている。それこそ、一般公開されてないようなモノまで。


「……何を盗まれたんですか?」


 秋原さんが見た目無表情で言う。ちょっと顔が青い。


「……盗まれたのは姫神の製造法、対姫神用兵器の製造法、そしてーー」


 この二つでも驚きだ。姫神は宿るモノであって造られるモノではない。それを可能にする研究と、姫神を倒すための兵器の作り方。しかし、さらにあるらしい。


「男子への姫神の移植だ」


「なっ!?」


 声を出したのは俺だけだが、他の皆も驚いていた。


「そんなことが可能なんですか!?」


 俺は思わず起き上がって言う。


「っつつつつつ~~!」


 身体中が痛かった。


「無理をするな、大河。お前は寝ていろ」


「……」


 師匠の言う通りに再び横になる。


「どういうことか説明してくれますね?」


「ああ。順番に説明してやる」


 そして、姫神開発の裏事情が明かされる。

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