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姫神  作者: 星長晶人


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世界最強の師匠

「くっ! 【シャイニングライン】!」


 要するに、光線だ。光線が相手を襲う。


「……」


 相手は急に静かになって光線を片手で弾く。


「っ!」


 相手は沈黙したままだが、俺に突っ込んでくる。


「【ストップ】」


 相手は静止する。


「グ……!」


 相手は【ストップ】に抗って、少しずつ動く。


「効果は薄いか。【スロウ】」


 対象の時をゆっくりにさせる時魔法。


 賢者はもう無理だな。


「勇者」


 賢者から勇者に切り換える。


 勇者だけが装備出来る兜、鎧、盾、剣。マントは赤で、他は橙色だ。


 ……派手だなぁ。


「英雄」


 さらに装備を追加する。


 金色の装飾が増え、ネックレスやブレスレットが装備される。勇者の盾は消え、金色の英雄の剣が出現した。


「英雄剣!」


 跳んで、英雄の剣を一閃する。金色の軌跡が描かれる。


「ガアッ!」


 スロウ状態なので直撃した。


「ッアア!」


 俺に突っ込んでくる。俺は近接戦闘が得意な勇者と英雄を組み合わせたので、軽く受け止める。


「くっ……!」


 何て力だ。剣二つを鷲掴みにして、腕力で押してくる。


「月閃光」


 上から秋原さんの声が聞こえてから、相手を閃光が包んだ。


「……ふぅ」


 相手の手が離れて、一息つく。


「ーー暗黒大地」


「っ!?」


 相手が月閃光を喰らって無事だったことも驚いたが、相手が喋ったことにも驚いた。


 俺の周りが闇に包まれ、生き物のように闇が蠢く。


「弥生月くん!」


 秋原さんの叫びも空しく、俺は全身を闇に貫かれた。


「がはっ!」


 俺の意識は朦朧として、姫神が消えて倒れる。


 ーーが、倒れて地面に当たる前に、止まった。


「全く。随分ボロボロにされたもんだな、バカ弟子」


 聞き覚えのある声だった。と言うか、ここにはいないハズの人の声だった。


「し……しょ……?」


 上手く声が出ない。が、この声は俺に姫神の戦い方を教えてくれた師匠の声だ。


「ああ、喋るな。大河はそこで見ていろ」


「はい……」


「そこの『ゴット』。大河を頼む」


 多分秋原さんだろう。師匠に投げられて、秋原さんにキャッチされる。


「恵様……?」


「ん? 私は雨釣木恵だ」


 師匠は何故様付けされるのかはわからんがな、と多分苦笑して付け足す。


「……」


 師匠の熱烈なファンは様付けするんだよな。意外と自覚がない師匠だ。


「?」


 相手は師匠を見て首を傾げていた。


「私は雨釣木恵だ。世界最強のな」


 師匠は多分面白そうに笑って言う。


「アァ!」


 しかし、半眼で見てみると、相手は師匠を無視して俺のいる方へ向かってきた。


 ガシッ。


「私を無視するとはいい度胸だ」


 師匠は笑って相手の腕を掴んでいた。


「……素手で?」


 秋原さんが呆然と言った。師匠の世界最強は伊達じゃなく、生身でも強い。弱い相手ならそのまま勝てるぐらいに。


「ッ」


 相手が始めて回避を取った。師匠の回し蹴りをギリギリで避け、師匠から逃れる。


「しょうがない。小娘に説教をするのも私の仕事だ」


 師匠は生身で戦うことを諦め、姫神を纏う。


 師匠の姫神は原形を留めていない。進化に強化を重ねているからだ。と言うか、最早原形の欠片もない。


 師匠の姫神は機体、と言えるような、機械を纏っている。それは白く、綺麗な輝きを放っている。武器は双剣。双剣は双剣でも、大剣を二本持っている。白と赤の二つの大剣。


「……」


 相手は師匠がやる気満々なのを見て、ニィ、と笑った。


「ーー暗黒大地」


 俺がやられた技が発動する。


「イマイチだな」


 師匠はつまらなそうに言って赤の大剣を持つ左手を振るう。


 ーーが、師匠の斬撃は空を斬っただけで、闇は消えなかった。


「ん?」


 師匠は不思議そうに首を傾げる。


「っ! ……秋原さん、避けろ」


 俺は師匠の攻撃が効かない理由に思い至って、秋原さんに言う。


「えっ? ーーっ!?」


 秋原さんは俺の言葉に首を傾げてから、闇が迫っているのを察知して後方に跳んだ。


 闇が迫り、やられるかと思ったらしい秋原さんだが、闇は秋原さんをすり抜けて俺を襲った。


「ぐ……!」


 俺は呻く。さすがに、生身で受けるのはキツい。


「……やっぱ、俺を狙ってやがる」


 予想通り、俺以外には闇が効かないようになってるらしい。


「……大丈夫?」


 秋原さんが不安そうに顔を覗き込んできて言う。


「……大丈夫、と言いたいとこだが、無理そうだ」


 かなりの重傷だし。


「私を無視するとはいい度胸だ。……が、それを越えて愚か者だな」


 師匠は相手を睨みつけて言う。


「攻撃を喰らわないならちょうどいい。一方的に攻撃するだけだ」


 師匠はそう言って相手に突っ込む。


「爆炎剣」


 左手を振るう。相手はそれを掴もうとしたが、爆発した。


「ガッ!?」


 相手は吹っ飛ばされる。


 師匠の大剣の一つ、爆炎剣。触れた瞬間に爆発する能力を持つ。


 師匠の姫神の能力は数々の大剣を扱う能力がある。その一つだ。


「光天剣」


 右手を振るう。相手は体勢を立て直す前に頭上からの円柱の光によって再びダメージを負う。


 光天剣は、相手の頭上から円柱の光を放つ能力を持つ。


「二週間ぐらいも面倒見てやったバカ弟子を痛め付けてくれた礼をしてやろう」


 師匠はそう言って両手を振りかぶった。

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