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姫神  作者: 星長晶人


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襲撃者は狂暗黒騎士

「恵美先輩!」


 浅島さんはもう先輩のいるステージに辿り着いたようだ。


「ありゃ? ミサちーじゃん。ここに入ったんだ?」


 榊原先輩はキョトンとしていた。……多分、天然だな、この人。


「おやおや。噂の男子生徒まで連れちゃって。男を捕まえんの早いねぇ」


 榊原先輩はニヤニヤしながら遅れて来た俺と浅島さんを見る。


「そんなんじゃありません。……それより、お久し振りです、恵美先輩」


 拗ねたように否定して、挨拶する。


「久し振りって言っても、二週間振りくらいじゃん?」


 全然久し振りじゃねえ……。榊原先輩も苦笑してるし。


「そうですけど、二週間は長いです」


 よっぽど榊原先輩を尊敬してるんだな。


「まあ、別にいいけど。やっぱミサちーが一番才能あったんじゃん。ここに合格したってことは」


 ここって、姫神のテストやって合格不合格を決めるからな。まあ、俺はそんなの無視で入れられたんだが。


「はい。先輩の指導のおかげです」


 ん?


「ちょっといいっすか?」


「何?」


「えっと、浅島さんに戦い方も教えたんすか?」


 再会を邪魔して悪いが、聞く。


「そうよぉ。まあ、私も先輩から教わったんだけど」


「先輩って、雨吊木恵っすか?」


「「っ!?」」


「ん~。惜しい、かなぁ。私の先輩の先輩が雨吊木様様って訳よ。で? どうして分かったの?」


 様様って……。


「基本が、師匠に教えられたことと一緒だったので」


 俺も、一週間前くらいまではああやってたし。


「師匠?」


「まあ、雨吊木恵張本人ってことっす」


 苦笑して答える。


「えっ? 弟子はとらないって聞いてたのに……。んで、ミサちーの使ってる戦い方が恵様に教えられた戦い方と同じだって気付いたってことねぇ」


 そういうことだな。


「……大河」


「ん?」


 陽菜に呼ばれて後ろを見る。


「……入り口に立っている女生徒から殺気を感じる」


 ……。あの娘か。確かに、嫌な感じがするな。


「……様子がおかしい」


 秋原さんも気付いたらしい。


「っつ!?」


 一瞬、目があったかと思うと、目映い光を放った。


 予感的中かよ!?


「……姫神。こんなところで……」


 秋原さんの呟き通り、その女生徒は姫神を纏っていた。全身が真っ黒で、鎧とドレスを見に纏っている。武器はレイピアで、秋原さんのような美しさがなく、禍々しい邪悪さが、オーラとなって全身を包んでいた。


「ッヒ」


 奇妙な声を上げて、闇を放つ。


「っ! ホールが……!」


 浅島さんが悲痛な声を上げる。


「ったく。こういう時こそ、あれだよな」


 俺も、姫神を纏う。既に、秋原さんと榊原先輩は臨戦態勢だ。


「ーー賢者」


 賢者。それは、魔法使い。あらゆる魔法を手繰り、魔法使いで最強の地位を持った者。


 黒マントに黒い上下の服。手には本を持っていて、左目に片眼鏡モノクルをしている。


「【ストップ】」


 俺が呟くと、本が輝いて、ホールの崩れた天井が、止まった。


「今のうちに避難させた方がいいな。このままだと巻き込まれる。


「大事な楽器とかあるけど?」


「持って逃げるくらいの時間は作りますけど、早くして下さい」


「じゃ、あの娘の方は頼んだよ、弥生月くん」


 榊原先輩は姫神を解いて避難へと向かう。


「……私も行きます!」


「私も行こう」


「あたしも」


 浅島さん、陽菜、明音まで行ってしまった。


「秋原さんは?」


「一緒に戦う」


 ……ったく。秋原さんって好戦的だよな。


「んじゃ、俺に掴まっててくれ」


「ん」


 秋原さんが掴まったことを確認して、魔法を使う。


「【テレポート】」


 その瞬間、微かな浮遊感の後、景色が変わった。


「……う~ん。学園の外に移動しようと思ったんだけどな。やっぱ抵抗されるとこんなもんか」


 学園の外どころか、ホールの外にしか移動出来てねえ。


「……今のは?」


「魔法。『プレイヤー』と似たようなもんかな」


 賢者っていう職業はあるし。


「そう」


 【ストップ】は時魔法。物体の時間を止める魔法だ。

 【テレポート】は空間魔法。場所を移動出来る。対象は自分に触れてる人と、一緒に飛ばしたい相手。抵抗されればあんまり移動出来ない魔法。


「何でホールを壊した?」


 とりあえず、相手に話しかけてみる。


「……ッヒャァ!」


 奇妙な声を上げて突っ込んでくる。


「っつ!」


 それを秋原さんが銀色の細剣で防いだ。


「ボーッとしないで」


「悪いな。近接向きじゃないから、前衛と後衛に別れて、いけるか?」


「……うん。援護有りなら」


「助かる!」


 俺は言って後方に跳ぶ。


「ッヒィイ!」


 相手はレイピアのない方の手で秋原さんに殴りかかる。


「弐」


 もう一本細剣を出現させ、それを防ぐ。


「アッアァ!」


 目が完全に正気を失っている。


 闇を、俺に向かって放ってくる。


「俺狙いかよ! ーー【フレイムシールド】!」


 自分の前に炎の壁を作ってそれを防ぐ。何で俺を狙ってくるんだ?


「月斬」


 三日月型の斬撃が相手を襲う。


「イアァ!」


 ガブリ、と。斬撃を噛み砕いた。


「っ!?」


 これにはさすがの秋原さんも驚いたようで、一旦身を引く。


「喰らえ。ーー【ライトニング】!」


 バリィ! 雷が相手に落ちる。闇相手だから効くハズ。


「ッア!」


「っ!?」


 後ろから声が聞こえたかと思うと、闇で身体を貫かれた。


「かはっ!」


 マジかよ。一撃で結界を通って人体にダメージがある。EPは試合とかだけに使われるシステムだが、使い手が力尽きれば姫神は消える。だから勝手に力尽きるってことはない。


「弥生月くん!」


 秋原さんの叫び声が聞こえる。……そんなでかい声も出せるんだな、と妙なところで感心していた。


「【エクスプロージョン】!」


 爆発の魔法を使う。


「ヒイァ?」


「なっ!?」


 平然としていた。しかも、無傷。……有り得ねえ。今のでも通用しないのかよ。

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