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とある深い夜に

作者: 秋葉竹
掲載日:2026/02/22


 


ぽとぽとと

涙を流した心が

すっかり萎んでしまって

歩くこともできなくなった夜に


わたしはひとり

その心を眺めながら

哀しげだね

って

口にしてみるだけだ


暮らしの中での不自由は

ずいぶんむかしからの習い性かな


かつてヒーローを希んだことがないことが

微々たるわたしの誇りかな

埃みたいなもんだけど

ヒーローに成りたいと

夢みたことはあったかな


泣濡れるか弱いひとのそばに立ち

すこしだけでも涙を拭ってあげられる

そんな

やさしくあたたかいだけで

あまり力にならない

そんなヒーローに

ほら

すこしだけでも

現実ってものを知ってからのことだから

けっこう勇気ある夢だとは

想ってくれないか?



心が

溶ければいいな


すべての過去も悲しみも切なさも涙も

すべてすべての生きる重荷を

溶かしてくれれば

いいな


さらさらとさらさらと

流れる陽光の微かな音に酔いしれて

いつか

いなくなってしまうその日まで


それだから

すべてを許してあげたいんだ


いつか

いつまでも


そんな風に

心が涙を流した夜に

祈りみたいなひとりごとを

ひとり呟いたら


きっと

そこにある偽りの喜びの残骸も

わたしをすこしは

元気づけてくれるに違いない


涙に押し流されそうになっている

圧倒的に暗く

染み込むように静かな深い夜に







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― 新着の感想 ―
偽りの喜びの残骸という言葉がとても引っ掛かりますが、 そんなことさえ いつか、何処までも 溶けるような そんな言葉の温度を感じられました。 素敵な詩をありがとうございます。
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