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七話 作戦会議

教室に入る。ルイはいつもの席に座っていた。

「ルイ、ちょっといいか?」

 俺はルイに駆け寄り、手を取って廊下まで連れ出した。

「「「「「えぇ!!」」」」」

「ちょっと、、」

「お前、大丈夫か!?」

 とりあえず安否確認が最優先だ。

「、、、うん、何も問題ないけど、君こそ大丈夫かい?周り見てごらん、すごい視線だよ。」

 教室から主に女性陣が燃えるような視線でこちらを見ていた。

「そ、そんなことはどうでもいい。今日大事な話があるから放課後頼めるか?」

「いいよ。僕もたった今君に用事ができたから。」

 よし、なんとか話をとりつけた。あとはループの事を伝えて、ウォルフさんと篤男さんの安否確認をして、それから、、奈織さんだ!そういえば放課後話があるって言われてたんだ。ルイの口ぶりからして、凄そうな人だから何が知ってるはずだ。

 放課後、俺たちは前回と同様に正門で待ち合わせをした。

「それで、話なんだけど、」

「ここは人が多いからちょっと走ろうか。」

 またしても陰キャに気を遣ってくれた。

「それで、話なんだけど、」

「待った、僕から言ってもいいかな。君はループしていて今は2回目、違うかい?」

「すげえ、あってる。」

「朝のセリフと僕を知ってるかのような口ぶり、君の体内の悪魔の割合からなんとなくね。」

「それなら話が早い、ウォルフさんと篤男さんもいるんだけど早く2人にも会いたい。」

「あの2人も来ているのかい?じゃあ奈織さんも、、」

「そうだ!その奈織さんにも会わせてくれよ、本当は前回の放課後に会う予定だったんだ。」

「わかった。まずその2人だ、場所は分かるのかい?」

「えっと、、確か今日2人から襲撃されて、、」

「俺分かるぞ!前回篤男を捕まえたからな!ついてこい!」

 そう言って涼は走り出した。

「ほら、あそこだ。あの民家の屋根の上。」

 、、、篤男さんは人ん家の屋根で望遠鏡をで俺の部屋を覗きながらポテチを食っていた。いや、無許可で人ん家の屋根に居座んなよ。

「ウォルフさーん、篤男さーん!」

 俺は2人に手を振り、そう呼びかけた。

「げっ!」

 2人が顔を見合わせて戸惑っているのがみえる。なんだ、不審に思ってるのか?

「お2人とも元気ですかー?ちょっとお話しましょう、ルイもいまーす!」

 若干不審者のようなセリフだがいいだろう。

屋根からジャンプして渋々やってくる。なんて強靭な足してんだか。

「お前なんなんだ?色々聞きたいことはあるんだが。」

「大丈夫です!全部話します!」

 俺はいままでの一部始終を話した。

「げぇ、、俺ら死んだのかよ。相手はその典子ってやつだよな?中身は見たのか?」

「そこまでは、、」

「トウヤ、多分あの禍々しさはケイルシールだ!」

「「「!?」」」

「ケイッ、!どうりで死ぬわけだ、、困ったなぁこれからどうすっかなぁ、、まあ、こういう時は奈織さんか。」

「奈織さんですね。」

「ナオサンダナ。」

冥斬士組は口を揃えてそう言った。

「場所がわかるんですか?」

「う〜ん、俺らをここにおいてどっかいったけど、憧也ここら辺にカフェあるか?」

「まあ、ありますけど。」

「じゃあそこまで案内してくれ。」

「は、はあ。」

 10分歩いてカフェの前までやってきた。

「ここです。」

「よっしゃ、ちょっと待っててくれ。」

 篤男さんが店の中に入っていく。残った俺たちは窓から覗くことにした。

 篤男さんが店内を探し、1人の女性の元へ近づく。あの人が奈織さんか?なんかすっげぇ疲れたOLってかんじ。目のクマも酷いし会社に使い潰された感がすごい。あっ、篤男さん店内で煙草吸って追い出されそうになってる。

 数分間の会話の末、篤男さんが奈織さんらしき人をつれて出てきた。

「ちょっと奈織さん!なんで俺が会計させられるんすか?」

「うるさい。貴方が呼び出したんでしょ?」

「ちっ、あそこの店員煙草も注意しやがるしよ、散々だわ。」

「篤男からおおまかな話は聞いたわ。自己紹介がまだだったわね。私はこの肉体の知力担当の奈織よ。よろしくね憧也君。」

 知力担当?おいおいこの人結構いい歳してんのに厨二病拗らせてんのかよ。見た感じ30歳くらいか?

「ここは人が多い、とりあえず場所を変えよう。」


「ただいま。」

「トウヤお帰り、、ってなにこの人達!?」

「憧也君の母上、お邪魔する。」

「失礼します。」

「ういっす。」

「オジャマシマス。」

 なんでこいつらはこうも俺の家に来たがるのか。

「ちょっとトウヤいい?」

 母さんが手招きする。

「これってあんたの友達?」

 母さんが小声で聞いてくる。

「まあそうだけど。」

「なんか結構年齢層高めだし、明らか裏の人間もいるじゃない!」

「大丈夫だよ、みんないい人達だから。」

「あんたがそう言うなら、、大丈夫ね。」

「みなさん、夜ご飯は是非うちで食べていって下さいね。トウヤ、私買い物行ってくるから皆さんのことお願いね。」

 そう言い残して買い物に行ってしまった。

「また、とりあえず俺の部屋まで来て下さい。」

「トウヤ、パピコくれ!」

「なんで知って、、って前食ってたなそういや。」

「死んだらまたくえるってすげぇよな、、」

 涼が勝手に1人で納得しながらそう言う、、なんて不謹慎なこと、、

 部屋に入る。

「まずは君が知ってることを全て教えてくれ。できるだけ詳細に頼む。」

 俺はループを経験する前、ループ1回目、ループ2回目そして今に至るまでを事細かに語った。

「なるほど、そこのチビっ子は神なのか、、それでは憧也君、少し私から話をしよう。結論から言うと私はケイルシールを殺せる。ただ抹消はできない。」

「なっ、、!どういうことですか?」

「あいつはな、自分の心臓を隠しているんだ。一般人の心臓とくっつけてな。幸い、あいつの2つの心臓のうち1つは君の祖父が潰してくれた、と記してある。」

「俺の祖父が?」

「ああ、君を明日ケイルシールから守るのは容易いが、それが根本的な解決にならないことは分かるだろ?やつの心臓をみつけて潰すしか平和な世界は訪れないんだ。」

「その心臓の場所は分かるんですか?」

「今のところは分からない。それとね、ケイルシールは典子にしか取り憑けない。普通の人だと肉体がもたないんだ。あいつは自分の依代となるものをこの世に産み落とし天使と名付けた。それが典子だ。音読みでテンシだろ?あいつは平安時代から存在しているから言葉遊びが好きなんだ。さきほどウォルフと篤男で典子宅を訪ね、母親と話したらやはり養子だった。ほぼ間違いないだろう。」

「ちょっと待ってください。そもそもなんでケイルシールは人に取り憑く必要があるんですか?ここにいる涼みたいに存在できると思うんですけど。」

「君、なかなか頭が切れるな。そうだ問題はそこなんだ。なぜあいつは人の体で行動することにこだわるのか。それを確認するために今日は典子を拉致する。」

「らっ、!?」

「これは情報戦だ。欲しい情報があればそれに専念。戦いの基本だよ。憧也君のループも加味すれば多少の無理もできる。典子がいない状況でどう動くのか、見ものだな。」

「いや、拉致ってダメでしょ絶対。」

「1日くらいいいじゃないか。深夜0時に行くぞ、それまではくつろいでくれ。」

「ここ俺ん家なんですけど。それとやっぱり拉致はよくないです。百歩譲って許可とれれば協力しますけど。」

「許可ありの拉致なんて聞いたことないぞ。」

「今晩忍びこんだら俺が聞いてみます。」

「はあ、好きにしろ。」

「それとさっきから気になってたんですけど、ケイルシールを殺せるってすごい強いですよね?」

「私の家系はな冥斬士の中でも1、2を争う大きな家系で、私はその永嶌家の長女。人格は冥斬士最多の4個だ。」

、、、、は?ビリーミリガンかよ。

「人格が4、個?」

「なんだルイ言ってなかったのか。」

「すみません奈織さん、必要ないかと思い。」

「いや、大丈夫だ。憧也君、ルイやウォルフ、篤男が強いのが不思議だとは思わなかったか?」

「思いましたけど、、」

 、、篤男さん強かったか?涼にボコられてたような。

「我々冥斬士はな、10歳まで修行をつけられるんだ、ルイは剣道、ウォルフは格闘技、篤男は銃。そして10歳になると冥昇の儀式に参加し、自分の1番の特技を最大限まで伸ばしてもらえるんだ。それが昔から伝わる悪魔への対処法だ。そして、そののばせる特技は人格1つにつき1個。話が見えてきたかい?」

「奈織さんは人格が4つあるからそれぞれの特技がある。だから最初に知力担当なんて言ってたんですね。」

「そういうことだ。」

「もしかしてルイ達にも別の人格が?」

「いや、みんなは1つだけだよ。そもそも多重人格が珍しいんだよ。」

「それはそうですね。」

「そうだ、この際みんなに会わせてやろう。」

 そういうと、突然奈織さんの雰囲気がかわった。

「俺はマグナス、戦闘担当だ!」

「僕はジュン、速さ担当。」

「わ、私はミミ、視力担当、です、、」

「そして、私が奈織、知力担当だ。」

おおー!すっげぇ!視力だけちょっと見劣りするが。

「この方達はさっきの会話の内容は覚えてるんですか?」

「ああ、脳は一つを共有してるからね。切り替わった瞬間に理解してくれるよ。、、、さっ難しい話はこれくらいにして憧也君パピコをもってきてくれ。」

「きいてたんすね。」

「おい!おばさん、それは俺のだっ、」

「うらぁーー!」

「ひぃっ!」

「誰がおばさんだ!チビ、もういっぺん言ってみろ!」

「ご、ごめんなさい!」

「お、おい!床に穴開いてんじゃねえか!」

「すまないマグナスはキレ症でね、怒るとでてくるんだ。」

 その後、マグナスさんと涼はパピコを分け合ってたべていた。

「なかなか話がわかるじゃねえか!」「へい、兄貴!」

 タイプの女性の話で盛り上がっている。

「ごめーん、遅くなった今から夜ご飯作るから、トウヤーちょっと手伝いなさーい。」

「はーい、今行く。」

「僕も手伝うよ。」

 俺とルイと母さんでカレーをつくった。


「順子さん!これすげぇ上手いっす!おかわり!」

「ほんと?よかったー。」

 篤男さんよく食うな。

 カレーを食い終わる。今はまだ21時、時間はたっぷりある。

「僕もう帰るね。」

「ルイまた明日な!」

「ルイの親には任務で泊まりだと伝えてるから今日は帰らなくて大丈夫だぞ。」

「いやいや、奈織さん何勝手なことやってくれてんすか!」

「じゃあ今日は泊まるよ。」

「何でだよ!」

「、、憧也君まだ馴染めてないね。そうだ、ミミ頼む。」

「わかったわ!第1回ミミのドキドキ双六ゲーーム!!」

 ミミさんに人格が変わりとんでもないゲームが始まった。

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