六話 分岐点
*ぺちぺち。
「トウヤー?おーい起きろー」
「ん、、、うん、、、、」
「こいつ全然起きねぇ」
そうだ!、、あそこのお茶でいいか。こぽこぽこぽ、、
「リアル寝耳に水ってな!」
「、、、、、、っ溺れる!!耳がっ、あ゙ぁ゙ーーーー」
こいつの間抜けヅラはいつみても笑える。やばい、殺人鬼の目だ。逃げろっ、俺は先に玄関先まで降りた。
「ま゙てぇごるらぁーーー」
「トウヤーもう起きたの?朝からうるさいわよ。」
*俺は今日の朝心に誓った。涼は苦しめて◯すと。
「今日は早かったのね」
「なんか目が覚めた」
俺はテレビの天気予報を見ながら朝食をとっていた。遠くの方で涼がちらちら見ている。飯をたいらげ足早に学校へ出発した。涼が後ろからついてくる。
「もう、怒ってない?」
「ああ、あんなことで怒る男じゃない」
嘘である。
「そうだよな!あれだけでブチギレてたらさすがの俺もビビるぜ」
ちょっと許してもいいかもなと思った俺を殴ってやりたい。一旦水に流したと見せかけて、忘れた頃にお見舞いしてやる。
学校に着いた。
「ルイもういるかな?」
「俺が普段行くの遅すぎてみんなの詳細がわかんねぇのが情けない」
「おう!憧也!今日はやけに早いな」
運動場では陽が朝練をしていた。
「心境の変化ってやつだ」
「もしかしてルイか?お前昨日一緒に帰ってたらしいじゃんかよ。」
嘘やろ、広まるの早すぎんだろ。
「うんうん、あいつに惚れるのはわかる。俺も一時期危なかった。」
「、、、じゃ俺教室行っとく」
「冷たいなぁ、美人局かもしれないから気をつけろよー」
余計なお世話だ。男だし。
8時20分教室に入る。ルイはもう来ていた。
「おはよう」
「ア、オハヨウ」
「昨日仲良くなったと思ったんだけどまだかたいね」
「ソウカナ」
一回喋っても次に繋げられないのが俺が陰キャたる所以だ。
「話があるから廊下までいいかな?」
「はい」
「昨日憧也君の家から出たあと篤男さんとウォルフと話し合った結果、彼らが今日は典子の後をつけてくれることになったよ。何かあればすぐに連絡がくる。」
「なら大丈夫そうだな。」
「うん、それと今日の放課後、奈織さんが話がしたいって言うからそれもよろしくね。」
「わかった。」
着信音。ルイの携帯に篤男から電話がはいった。
『もしもし、今横に憧也いるか?』
「うん、いるよ。」
『スピーカーにしてくれ、、、、典子ってのはちょっと茶髪のポニテの娘であってるよな?』
「あってます」
『安心しろ、まだ悪魔に取り憑かれてない。そんなことより、なんかお前ん家ジロジロ見てるんだけど』
「はい?」
『たぶんだけど、憧也のことまってないか?』
、、、ん?もしかしていつも俺のことまってたのか?それで偶然を装ってすれ違ってたのか?
『どうすんの?』
「とりあえず見張っててください。」
って、、おいおいおい!来ちゃうんじゃない!?少し遅めの青春が夏の足音と共に到来しちゃうんじゃない!?ふぅー落ち着けー慎重に立ち回れば勝てる試合だ。ナイス篤男さん!
『典子が動き出したぞ』
8時26分。そろそろ間に合わないと思ったんだろうか。
「そのまま追跡お願いします。」
『りょーかい』
じゃあ悪魔が憑依するのはいつだ?
『あれは、、、っな!おいお前らいますぐ逃』
プーーッ、プーーッ、プーー、、、
突如、轟音と共に俺の家の方向で雷が落ちた。
「憧也君、様子を見にいこう」
「うん、涼もいくぞ」
「おう!」
俺たちは学校を出て家の方向へと走り出した。
「こっちだ!」
「涼、お前わかるのか?」
「ゴッドパワーってやつだ、あっあそこ!」
「、、、っ!篤男さん!ウォルフさん!」
そこには首が切り落とされている2人の死体が静かに置かれてあった。
「なんで、」
「憧也君後ろ!」
《ヤア、トウヤ君。》
「お前は!のり、こ、なのか?」
《君ヲ、コロシテモコロシテモコロシテモコロシテモコロシテモコロシテモ、ナ゙ゼダ、何故ループスルノダ?》
「なにを言ってっ、、」
《私ノ計画二君ノループハ邪魔デ邪魔デ、モウ直接聞クコトニシタンダァ。》
奇妙に笑っている。
突如、典子を名乗る化け物は瞬間的に移動し、ルイの腹を殴った。
「ぐぁっっ!!」
そしてルイの頭を掴み空へと掲げた。
《サァ早ク答エナサイ、コノ娘ノ頭ヲ握リツブシマスヨ?》
「お前、いい加減にしろよ。」
涼!ルイの頭を掴んでいた手が切断された。
《アナタハ、、イママデノ世界ニハ居ナカッタ。誰デス?》
「お前に名乗る名はねぇよ。とりあえず死んでもらうぜ。」
《新シイ存在。何カガ掴メソウダ、、今日ハトリアエズ、、、、、、トウヤ君ヲ殺シテ撤退トシマショウカ。》
ザンッッ!またあれだ、、
その日、俺は2度目の首ちょんぱをくらった。
「トウヤ!!おい、返事しろ!くそっ、てめぇ〜!」
、、涼が、何か言っている、ダメだ、意識、が、、
「とうやー早く起きてもう8時10分よ」
、、、7月1日、木曜日 再びループが起こった。
「そうだ、涼!」
「あいつ、とんでもねぇな、話も通じないし、いきなりトウヤ殺すし、」
「、、なんでいるんだ?」
「俺も分かんない。気づいたりここにいた。記憶もそのままだし。」
なにがなんだか。あいつの口ぶりからして俺は何回も殺されたのか?いや覚えているのはさっきのを含めて2回。どういうことだ?
「トウヤ、お前いま体の中75%悪魔だぞ。」
「まじかよ。」
「とりあえずルイとウォルフと篤男。あいつらが生きてるか確認してから話し合いだ。学校いくぞ。」
そう言って涼は階段を降りていった。
「ちょっとまてよ。」
俺はお守りを首から下げ学校に向かった。