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四話 いざ

時刻は9時20分。俺たちは学校までやってきた、正門にはゴリが竹刀をもって仁王立ちしている。ったくいつの時代の教師だよ。…………あぁぁぁぁーー!!

 

「俺今日で遅刻3日目じゃねぇか!」

 

 ループしたせいでわかんなくなってた

 

「反省文と説教だぞ!そんな時間ないってのに」

 

 ちらり。涼を見る。

 

「お前、どうにかできないのか?」

「説教くらいくらってこいよ、子供じゃあるまいし。第一いっつも時間ギリギリにくるからこうな、いててっ、いてっ、お、おいやめろっ、やめっ、や」

 

 ほっぺをつねってやった。何かあったら助けるって言ったばかりだろ。

 

「ったく……今回だけだぞ」

 涼はそういうとゴリに近づいていき…………首をチョップした。次の瞬間ゴリは泡を吹きあっけなく倒れこんだ。スキップしながらウキウキで涼が帰ってくる。

 

「おい」

「ん?」

「……なんてことすんだぼけぇ!!!俺がお前に頼んだのは何か魂ならではの魔法とか使えると思ったからであって、なに物理攻撃でくたばらせてくれてんだよ!ほらみろ、あそこのおばさん救急車よぼうとしてんじゃねえか!」

「トウヤが反省文いやだって言うからこちとら善意でやってやったんだよ!感謝の1つや2つあってもいいんだがな!今魔法なんて使ったらいざというときに使えなくなるだろうがよ!」

「昔から無鉄砲なところは変わってないんだな!」

「なんだお前、思い出したのか?」

「いや、今のは、、なんだ?自分でもよく分からん。てかお前魔法使えんのかよ」

「この際だからいうけど、俺は俗にいう神ってやつなんだ」

「…………………………は?」

「人って死んだら2種類にわかれるんだよ。さっきのコンビニの爺さんみたいに普通の魂になるか、天界に行って神になるかの2択。どっちになるかは死んだときの若さとか善行の多さとかできまるらしい。まあ99%普通の魂になるけど。普通の魂になってもみんながみんな現世に存在できるわけではない。天界に行くのもいる。というかそっちほうが大多数だ。本来まっとうするはずの余生がたくさん残っているほど神に近づけるし、事故死とかだと神様の慈悲でさらに地位が高くなるって話もある。俺は小4という若さで死にさらに事故死ときた。たくさん親孝行もしてきたからなぁ。くぅぅ、懐かしいぜ。そんなわけで神になれたのかもな!ただ神っていっても全知全能じゃない。もちろんアエロス・ヴァラザール様はなんでもできるけど。アエロス様が語る言葉一つ一つは、宇宙を揺るがすほどの重みを持ち、その眼差しには、星々の運命さえも読み取ることができるという。彼女の真の姿を見た者は、皆その圧倒的な威厳に畏怖し、そして一瞬で理解する。アエロス・ヴァラザール様がこの世界を創造し、そして支配していることを。べべんっ!」

 

 うん、何一つ理解できなかった。え?涼って神様なの?オレメッチャビンタシタヨ?

 

「要約すると俺は神だから多少の魔法は使えるし、生きてる人にも触ることができる。姿がくっきりしてるのも神様特典だ。ちなみに神ってのは俺が知る限り3人しかいなくてな、俺とアエロス様ともう1人は名前は知らないけどいるらしい。結構っていうかめちゃ身分高いんだぞ!もっと崇めろ!」

 

 鬱陶しい。

 

「だから首チョップかませたのか……具体的にはどんな魔法……」

 

 キーンコーンカーンコーン

 

「もう休み時間だ急げ!」

「お、おい教えろよ」

 

 そう言って走っていく涼を追いかけた。


 教室に入る。典子は……いた。

 

「お、憧也!今日は休みかと思ってたぜ」

「わり寝坊した」

 

 陽にはそれだけ伝えて典子のもとへ急ぐ。

 ノート貸してくれぇと小さな声でぼそぼそと言ってるがスルーする。げっ、典子の周りに集団ができてやがる。行くか?童貞にはきついシチュエーションだ。

 

「憧也くん。ちょっといいかい?」

 

 突然誰かに話しかけられた。聞いたことのない声

 

「初対面だったね。僕は八汐ルイ」

「ど、どうも」

 

 まさかだ。あのルイが俺に喋りかけてくれるなんて。容姿端麗でスタイル抜群の白髪イケメンの超がつくほどのモテ男。1日10回は告白されてるとか。

 

「ちょっと君と話がしたくてね。よかったら放課後一緒に帰らないかい?」

「ハイ」

 

 声がうわずってしまった。なんで男同士なのに照れてんだよ。俺はそっちの気はないんだが!、ん?涼が俺の袖を引っ張ってる。何か言いたそうだ。早いとこ切り上げるか。

 

「じ、じゃあ放課後正門でまちあわせでいいか?」

「うん」

 

返事を聞いてそそくさとその場を後にする。とりあえず典子はあとだ。廊下にでる。

 

「なあ、どうし、」

「あいつ、俺のことが見えてやがった」

「……!?ってことは、どういうことなんだ?」

「悪魔か冥斬士だと思う」

「め、めいざんし?なんだそれ」

「簡単にいうと悪魔を倒すエキスパートだよ、前に言った特殊な訓練受けてる人」

「悪魔と冥斬士は対立してるのか?」

「ああ、そうだ」

「どっちか見分けられないのか?」

「そんなの簡単だよ。悪魔はうなじあたりに小さな黒い空洞がある。普通の人には見えないけど。」

 

ちらっと教室を覗き、ルイを見つける。

 

「髪の毛でよく見えねぇ」

「今にでも確かめてこいよ」

「あほか、俺がルイの髪触った途端女子から袋叩きにされるわ」

「はぁ、本当にチキンなんだな。よし、今日の放課後にみるぞ」

「わかったよ。……おい、いつそんな単語覚えたんだよ」


 

 学校が終わり正門まで走った。

 

「トウヤ、あいつもう待ってるじゃねぇか」

「げっ……。涼は黙って観察しといてくれ、何かあったら助けて」

「わかった」

 

 正門の周りでは女子たちがキャーキャー騒いでる。モテモテだなおい。いまからあの中に入ると考えると肝が冷えるがそれは我慢だ、約束を無碍にするわけにはいかない。

 

「ごめん待たせた」

「いいよ、僕も今来たところだし。さあ帰ろうか」

 

 ん?やたらと視線をかんじる。数多の女子がこちらをみてる。やめてよぉ、そんな目で見ないでよぉ。ヒソヒソなんか言ってる子もいるし。うぅぅ、胃が痛い。

 

「ここは人が多いからちょっと走ろうか」

「あ、はい」

 

 ホンマすんません、こんな陰キャに気を遣わせしまって。

 人がいないところまで走ってきた。

 

「ここなら大丈夫そうだね」

 

 首を確認しなくては。

 

「そうだね。…あっ、こけるぅー(棒読み)」

 

 何もないところで躓いてみせるというくさすぎる演技をかまし、右手でルイの髪をかきあげてみせた。……サラサラすぎるだろ……黒い穴は、ない!!これがわかっただけで十分な成果だ。あとは自然なかんじでこけるだけ。

 

「おっと。大丈夫?」

「へ?」

 

 気づいた頃には俺はお姫様だっこされていた。

 

「ダイジョブデス」

「そう。よかった」

 

 .....///。何照れてるんだおれぇーーーー。しっかりしろ童貞にホモ属性まで追加してたまるか。

 

「憧也くん、君は一体なんなんだい?それと横の坊ちゃんも」

 

うん、まずおろして欲しいな。ふんっ、ふんっ、あれ、ものすごい力で捕まえられてる。答えるまで解放しないってか?

 

「なんなんだって言われても。」

「僕には君が半分悪魔に見えるんだけど。あとそっちの坊ちゃんは魂なのに他のより神々しいような」

(なあ涼これって本当のこと言っていいのか)

 

 小声で涼に話しかける。、、、いてててててっ!

 

「隠し事はなしだよ」

「その前に1つ質問させてくれ、あんたは冥斬士か?」

「……そうだよ」

「つまり、俺の味方ってことか?」

「それは君の返答しだい」

「おれ……おれは、昨日っていうか7月2日に悪魔に殺されたんだ、それでループして7月1日に戻ってきた。……こいつは今朝偶然出会って一緒に行動してる」

「.......っ!」

 

様子がおかしい、顔がほてって小刻みに震えてる。

 いてっ!その場に落とされた。

 

「まさかだよ憧也くん!君が、君が僕たちが探してきた人物だったとはね。」

「は、はあ。」

「先ほどはすまなかった。ぜひ君に協力させてくれ。」

 

 なんなんだこいつぅー!


「とにかくもっと詳しく話がしたい、君の家はどこだ!」

「え!うちくるのかよ」

「あっち」

「おい、涼!何勝手に教えてんだよ!」

「坊や感謝する」

 

 ルイは猛スピードで俺の家へと走っていった。

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