十四話 悪戯
「な、奈織さんなんで篤男さんを、、」
「なんだお前ら知らないのか?……これをみろ。」
「全国ニュース、今日の正午に親不孝行通りで爆発事件発生、警察はテロの可能性を考え捜査中。なお現場にいた2人の男を重要参考人として捜索中………………はあ!?お、おま、これ……」
「この写真にシャドーも写っていたので、ミミに3人を探してもらった。そしたら篤男が捕まっていたのでね、先ほどマグナスとジュンが救出に向かったんだ。」
「あつおぉぉぉぉーーーさっきはごめんよぉぉぉぉぉ」
涼が篤男さんに泣きついている。篤男さんが泡を吹いて気絶しているのはジュンさんのせいか。
「涼、盗んだんだものを貸してくれ。」
「おう。」
「ふむ、これだ。」
涼が冊子らしきものを奈織さんに渡した。
「みんな各々苦しいことはあっただろうが、今日はよくやった。誰もかけることなく任務を達成できた。思わぬ情報も手に入ったしな。」
確かにそうだ、俺も陽に拷問され本当に死ぬかと思ったが、今はこうして生きている。
はじめて明日の文化祭を拝めることができる。
「それと、篤男、ウォルフ私たちは拠点を変えるぞ、いつまでも憧也君の家にいるわけにもいかないからな。」
「あの、典子とルイは……」
「2人とももう家に返したよ。おそらくケイルシールが典子に取り憑くことはもうないからな。憧也君は私に君の祖父から言われたことを教えてくれ、そしたら帰ってくれて構わない。」
「わかりました。」
俺は爺ちゃんとの会話を事細かに伝えた。
「なるほど……憧也君の血縁を重点的に調べるか……了解したもういいぞ。それと薬だ、傷口に使え。」
「ありがとうございます。」
本当にどこまで有能なんだよこの人。奈織さんがいればケイルシールにも勝てる気がしてくる。一家に一台ほしいよ。
でも奈織さんに全てを任せたワンマンチームになってはいけない、奈織さんが欠けた途端に全てが崩壊してしまう、自分でできることは精一杯やり遂げるんだ。
俺は涼と家に帰った。
「ただいまー。」
「随分遅かったわね……他のみなさんは?」
「もう帰ったよ、いつまでも母さんのお世話になるのは申し訳ないってよ。…………篤男さんは嫌だ嫌だって言ってたけどな。」
「夜ご飯できてるわよ、もう冷めちゃってるけど、」
「ああ、うん。食べる。」
夜ご飯をたいらげ部屋でくつろぐ。
「なんか久しぶりだな、自分の部屋でくつろげるって」
「…………」
「お前、何読んでるんだ?」
「……はぇっ!?な、なにも読んでないぞ……そ、そんなことより薬がどうとか言ってたけど、なんなんだ?」
「…………陽に拷問されたんだよ、多分ケイルシールと繋がってるんだろう。」
「あいつが!?」
「俺もまだ信じられない……明日話をしてみるよ。」
「いや、やめとけ次は殺されるかもしれないだろ、」
「そうだけど……やっぱり俺はまだ陽を信じたい、きっとケイルシールに脅されてるんだよ。」
「それは勝手だけど、敵だという想定もしておけよ。まあ、俺がいるかぎりトウヤを殺すなんて狼藉は許さないけど。」
「一度殺されちゃってるんだが……けど頼りにしてるぞ…………あとアエロスって知ってるか?」
「ああ、知ってるもなにもこの前説明したろ、神の頂点みたいな存在だって。なんでだ?」
「いや、アエロスもループしてるとか聞いたきがして、」
「そりゃデマだな、世界の複製は神の禁忌のうちの1つなんだよ、そんなことしたらアエロス様でもただじゃすまない。」
「できないことはないんだな?」
「まあ。」
やはりケイルシールとアエロスはループしているのか?彼らのループで俺は強制的に戻された、、これが本当なら俺は心臓を見つけて破壊してもケイルシールに勝てないのでは?今日の夢ではもうできない、これが最後なんて言ってたが。
「そういやなんで電車にトウヤも乗ってたんだ?」
「鹿児島に行った帰りだったんだよ。ジュンに連れてかれた。」
「鹿児島!?随分と長い旅をしてきたんだな……土産は?」
「あほか、金ねえよ。ほら、ケイルシールの心臓を1つ破壊したっていう爺ちゃんにあってきたんだ。」
「アエロス様曰く鬼強かったらしいな。」
「なんだ知ってんのか?」
「彼が居なかったら今頃みんな死んでいたなんて言ってたぞ。愛刀の村正と一緒だったら向かうところ敵なしってさ。」
「その村正、貰っちゃった。」
「はあ!?さっきからなんか嫌な空気がすると思ったらそれか!今すぐ捨てろそんなもん、呪いが付着してんだ!」
「うん、でも爺ちゃんに扱い方を教わったから大丈夫だよ。あと、俺は悪魔体質だから持ってても大丈夫だろうってさ。」
「なら、いいけど。」
「憧也ーまだ誰かいるのー?」
やべっ
「ごめんYouTubeの音大きかったみたい。」
「今日は早く寝なさいよ。あと明日の文化祭私もいくからね。」
「わかったー。」
俺たちはもう寝ることにした。
……?なんかいい匂いする。どこかで嗅いだことある……
典子っ!!
むふふ、むふふふ幸せだ。
ん?手紙?
内貴君へと書いてある。
『昨日はお世話になりました。ベッドも使わせてもらってごめんね。』
律儀なやつだな。
『追伸……すれ違う時に私の匂い嗅いでるのバレてるぞ♡』
、
、
、
「ううぅぅぅぅぅぁぁぁぁぁぁぁぁーーー!!!」
「うるさっ、トウヤいきなりどうした!」
「トウヤうるさい!早く寝なさい!!」
つい最近聞いた、夏と共に到来した青春の足音は、踵を返して遠ざかっていった。
こいつ、本当にいつまで寝てんだよ。
「おーい、起きろー、今日文化祭なんだろ?おーい」
「……うーん、にゃむ……にゃむ、あと10分……くかー」
ムカつくがちょっと嬉しい。イタズラチャンスが再びきた。合法的にできるもんな。
ちょうどやりたかったことがあるんだよな。
さっきパクったソーセージをトウヤの股間あたりにセット。
あとはハサミをもって準備完了!
「おーい、いい加減おきろー、おい!」
強めに脇を突く。半分目を開いた!今だ!
切り落とせっ……ってトウヤママ!
「ちょっと早く起きなさい。」
なっ!!
なんてタイミングが悪いんだ!ドアを開いて立っている。切れないじゃないか!
「今日文化祭なんでしょ、早く起き…………トウヤ!何してるの!はやくしまいなさい!はしたない!!」
バタンッとドアを閉めた。
「……母さん、何言って……ってうわぁぁぁぁぁぁぁ!!ち、違うんだ、これはただのソーセージで!!ってそういう意味のソーセージじゃなくて、本物のソーセージなんだってぇぇぇぇ!」
やりたかったことはできなかったが、これはこれで面白かった。結果オーライだな!
「、、、お゙い゙、涼、村正の最初の犠牲者はお前だ。」
完全にブチギレる。あわわ、口からなんかスモークがでてる、、目の奥が暗い。闇堕ちだーー!逃げろ!
「シャドー直伝!地面泳ぎ!」
俺は地面をすいすいと潜って逃げた。
昨日ちょっと練習したらできたんだよな。
「逃すかよぉぉ!!」
「もう、8時20分よー!」
「くそ、まじか!!」
俺は慌てて身支度を終え、朝食をとる。朝食中に母さんからこっぴどく説教された。
「よ、典子!おはよう!」
「な、内貴君。」
朝走るといつものところに典子がいた。
これ確か俺のこと待ってるんだよな。
「時間ない、急ぐぞ!」
「うん。」
昨日の手紙のことはお互い触れなかった。
教室ではすでにお化け屋敷の準備が整っていた。自分の席はなく黒い布で覆われている。
俺のシフトは午前中それからはフリーだ。
てか涼どこに居るんだよ。今朝のことはもういいから陽との会話を見守っていてほしいんだが。陽もいないし。
「今日は外部のお客さんもくるから失礼のないようにな。」
先生からもろもろの注意をうけ文化祭が始まった。




