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ばけものだもの

作者: 植木天洋

 あるところに、ばけものがすんでいました。ばけものはとてもさみしがりやで、森から村へ降りては大人たちに石を投げられて泣いて森へ帰ってきます。

 ばけものは今日も村へ降りていって、大人たちに追いかけ回されました。男の人たちはみんな鎌や鍬をもっていて、女の人たちは子供を家に入れてかたく扉を閉ざしました。時折扉を開けて、通りすがりに石を投げてきます。

 

 森へ逃げ帰ってきたばけものは、すりむいた額をなでていました。

 ばけものはしくしく泣いていて、泣いているばけものをけものが慰めました。

「人間と仲良くなろうなんて、できないよう」

「でも、人間と仲良くなりたいんだものよう」

「石を投げられたり、怖い怖い刃物をもって追いかけられるのだものよう。」

「しょうがないよ、ばけものだもの」

 森の空気がすこし冷たく感じました。

「・・・冷えてきたのよう」

「うん、冷えてきたのよう」

 ばけものはしょんぼりとしてしまいした。けものはかける言葉もなく、二人ですこし冷たい森で夜をあかしました。


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