18話 巨兵隊選抜試験
今回投稿に時間がかかってしまいました。
今週中にもう1話アップできるといいのですが
なかなかの遅筆なので難しいやもしれません。
読んでくださってる方々には申し訳ないことです。
頑張っていきますので
これからも宜しくお願いします。
スタは小さい町だ。
配達屋ジェッポ自殺の報は直ぐに広がり、
その日の仕事開始直後にはアンとメアルの耳にも入った。
アンは思わずメアルを抱きしめた。
昨夜、ジェッポがメアルの家に押し入った件を
ミランから聞いており、
気にかけていたからだ。
この件が無かったら、今日は思い切り揶揄うつもりだった。
「大丈夫。大丈夫だから。」
メアルがジェッポを振った結果、ジェッポが自殺した。(という事になっている。)
アンは心優しいメアルが傷付くだろうと心配したのだ。
「アン。苦しいわ。
私は平気だから、でもありがとう。」
<カールには〝もっと強く抱きしめて、お願ぃ〟なんておねだりしてたのにね。>
と心のなかで呟いて、メアルを解放するアン。
しかし、アンは勘違いをしている。
メアルが本当に優しいのはカーライルに親しい者達に対してだけであり、その他は実はどうでもよかった。
他に優しく接する対応は、
偏にカーライルに嫌われたくないからだった。
だから配送屋ジェッポに対しても
<そうなんだ。>
と思っただけだ。
昨日の件への怒りや、恨みすら無い。
もう関心の一切ない男だったのだ。
当然、顔も覚えていない。
そんなメアルだが、アンだけはメアルにとって特別な存在だった。
メアルはアンを姉の様に慕っている。
カーライル以外に慕っているのはアンだけだ。
アンから解放されたメアルの顔は赤い。
アンに抱きしめられて実は恥ずかしかった様だ。
その様子にアンも満足する。
「昨日から、メアルの赤い顔ばかりみるわ。」
と揶揄う。
「もう! アンったら。」
「あ、そうだ! 今日は恒例の試合だったね。
案外患者も少ないし、お昼休みに見に行こうか?」
「え? でも、大丈夫?」
「平気、平気 ミランもカールも出るんだからさ
応援に行こうよ カールだってきっと喜ぶって。」
「カールが喜んで…。 そうね。行きましょう。」
<ほんとカールがからむとチョロい娘ね。
昨日はあまり追求できなかったけど、
これなら平気だね。家に連れ込んだ事とか
うやむやにしないからねー。>
昨日と打って変わって今日は患者が少なかった。
昨日のアン+メアルでの治療対応と、
メアルとカールの抱擁事件が影響しているのは言うまでも無い。
診療所に押しかけてみたところで
進展などしないと理解したのといった所か。
とはいえ、まだまだ諦めの悪い男どもはいた。
昼休み、早めに食事をすませ……
たのはアンだけで、メアルはアンの質問責めに顔を赤くしてばかり、
ろくに食事が喉に通らなかった。
「ぬふふ。そろそろ応援に行ってもいい頃だし、
今日のところはこれくらいで解放してあげる。」
「まだ続くの?」
「まだ、市場デートしか聞いてないし。
にしてもカールの奴、ヘタレね!」
「それは、私が多分、重たかったから。
それにカールにも都合があるわ。」
「ほんと、カールに甘いね。
カールにしろ、ミランにしろ、男ならガバっと行け!
と、言いたい。」
カールに託けてミランへの夜の不満をメアルにぶち撒けるアン。
「ミランさんも大変ね。」
また顔を赤くするウブなメアルの反応に
アンは二人の今後の成長(?)を楽しみに思うのであった。
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スタの町を外壁の隣に警護隊が所有する巨兵の為に
整備された訓練場があり、城壁の上から見ることが出来た。
今日は月に1度の巨兵訓練の日である。
さらに2年に1度の巨兵隊の選抜試験の日でもあった。
スタの警護隊は全長4mの木の巨兵5体を所持している。
対魔物兵器としてスタがもつ最大の切り札だ。
全長4mの巨兵は中型クラスの巨兵で、
軍が用いる10mクラスのものより小さいが、
5体もあれば10mクラスの魔物にも対応できた。
そして木の巨兵を採用しているのは軽いため輸送が楽な点と、
加工がしやすく部品の交換もコストが安いからである。
スタとしては、過去に10mクラスの魔物に襲われたこともあり、
軍用の石の巨兵も配備したいところなのだが、
アマリア王国の許可は出なかった。
石の巨兵は強力である。
強力である為、クーデターに使われたらたまったものではない。
もし、スタに許可をだせば、近隣の都市にも
同じく許可を出さなければならないだろう。
スタはともかく、それは地方貴族に巨兵を与えるということだ。
せっかく王家で巨兵や騎士と聖女を掌握しているのに
到底許容できる内容ではない。
ちなみにスタ近くの国境砦を含む、
各国境砦にも軍用巨兵は配備されているが
砦自体の管理は、国家として行っており、
地方領主に権限を委ねられはしない。
スタとしても石の巨兵を買えるだけの財力があることを
突かれてはた堪らないので、食い下がりはしなかった。
さて、スタ警護隊では2年に1度巨兵担当を見直し、戦力の低下を防いでいる。
そのための選抜試験であるが、
参加資格は小隊長以上である。
警護隊隊長、副隊長枠は固定の為、実質は3枠の選抜試験となるのだが
今回は副隊長が高齢を理由に辞退したため、4枠の選抜となった。
副隊長は今後は後方支援が主な役回りになるようだ。
カーライルが小隊長になったのは去年のこと。
選抜試験に出るのは今回が初である。
警護隊に小隊長は16人いるのだが事前に生身での戦闘試験により
半分は脱落し、今回の試験参加者は8名。
試験は巨兵に同化しての試合を行い、トーナメント方式で
優勝まで決める。
今回の場合、1回勝てば巨兵担当になれる。
しかし、この試験は伝統により優勝まで決める習わしだ。
これは単純にその方が盛り上がるから。
隊員達の運動会といったところだろう。
このお祭りの準備は参加する小隊長の隊が受け持ち、
他の隊は副隊長の指揮の下、通常任務にあたっている。
当然のことではあるが、準備担当の各小隊の隊員達は、
自分達の隊の小隊長を応援する。
小隊から巨乗りがでることは、
大変名誉な事であり、鼻が高いことなのだ。
隊長タジンは 今日の試合の趣旨を改めて 隊員達に説明した。
カーライルは目標が巨像騎士を駆ることだったので 、正直どうでもよかった。
どうせ半年後には王都に行くのだ。
それよりも メアルの事が気になっていた。
<そういえば今日だったなこれ。メアルは大丈夫かな?
早くメアルに会いたいな。>
カーライルも配達屋の自殺したことは知っている。
メアルがショックを受けていないか心配だった。
隊長の 訓示も終わり、早速 巨兵の起動準備が始まった。
小隊長達もウォーミングアップを始めたが、カーライルは
巨兵の準備の方を手伝った。
その様子をタジンは見ていた。
「カーライル、お前はアップしないのか?」
近づいてきた隊長の問いに対し、
「試合は一番最後だから、起動準備が済み次第やります。」
とカーライルは返した。
<ふむ、必要以上の気負いはない様だな。
これなら、初戦で負けることはなさそうだ。>
タジンは今回、依怙贔屓なのは十分承知しているが、カーライルを推していた。
カーライルの父親が隊長だった頃、タジンは副隊長だった。
そして カーライルの父親には隊に入った頃から世話になり今でも恩義を感じている。
だから カーライルの父親が病死した時、
隊長を引き継いだタジンは 、当時 少年だったカーライルが警護隊に入るのを認め、鍛えた。
タジンはカーライルの夢を知っており、
半年後の騎士採用試験に行くだろうということもわかっている。
たった半年間ではあるが 巨兵での実戦経験は
カーライルの騎士人生に役立つだろう。
それが タジンの、カーライルの父への恩返しであり、
父親の代役を務め、今では息子の様に思っているカーライルへの親心だった。
試合は 1試合5分の実戦形式で行われる。
明確な勝敗が着かない場合は
判定者、つまりタジンの判断により決められる。
動力の魔導球は2時間稼働できる容量だから
数試合程度は問題ない。
また、巨兵の頭を赤と青に塗り分けており
どちらが勝ったかわかりやすくしている。
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「アンは顔が効くのね。 まさか城壁にあげて貰えるなんて。」
「まーね。褒めてもなにも出ないぞ?」
「ふふふ、アンったら。」
アンとメアルは城壁の上に来ていた。
ここからなら試合が一望できる。
城壁にはアン達以外にも一般人がいた。
おそらく警護隊の関係者であると思われた。
訓練場には 5体の巨兵が揃っている。
なかなか壮観だ。
「さて、試合はどんな感じかなー?」
どうやら4試合が終わり、巨兵隊の隊員自体は決まったようだ。
さて誰が勝ち残ったのか?
丁度、タジンが確認の意味で勝者の発表をするところだった。
タジンは城壁の上にギャラリーがいるのを踏まえ、
盛り上げる為にわざわざ発表するのだろう。
「これより準決勝を行う!
準決勝に進むのは、 リカレイ!、ミラン!、レイモン!、
そして、カーライル!
準決勝第一試合は リカレイ対ミラン!
第二試合は レイモン対カーライル!
各々、警護隊の名に恥じないよう全力で挑め!
以上だ!!」
「お! 二人ともやったじゃん!」
とアンが喜びの声をあげる。
「カールは当然だわ。ミランさんもおめでとう。」
「私はちょっと意外。ミランってなかなか強かったんだ。」
そう、元王国兵士のミランはけして弱くはない。
力だったら、警護隊一である。
ミランの戦い方は防御主体。
その守りは固くなかなか崩すのは容易ではない。
ミランの得意武器は槍で、今回の試合で巨兵の武装は
樫の棒の為、相性がよかった。
ミランは一戦目でも固い防御術を駆使して戦った。
試合終盤に差し掛かり、対戦相手は攻めあぐんで焦りのあまり大振りの攻撃を仕掛けた。
ミランは相手の攻撃を冷静に躱し、
態勢が崩れた相手の隙を突いて勝利した。
ミランの防御を崩せるのは隊に3人しかいない。
ともあれ、アンはミランをちょっとだけ見直した。
「ベッドの上でもこれくらいカッコよければねぇ。」
と下ネタを飛ばし、メアルの顔を赤くさせたが、
これはアンの照れ隠しなのだろう。
リカレイ対ミランの試合の準備ができたようだ。
「ミラン負けたらご飯抜きだぞーーー!!!」
「ミランさん頑張ってーーーー!!」
二人の声援はなぜか声がよく通り、
試合会場まで届いた。
アンはともかくメアルが応援に来ていることに
警護隊員達は驚いた。
「メアルきてくれたのか」
カーライルも嬉しそうに呟く。
<これは負けられないな。>
好きな女性の前ではカッコイイところを見せたいというのは
男の性だが、カーライルもそれは同じである。
<メアルさんが俺じゃなく、ミランごときに声援だと!?>
メアルの声援で発奮したのはリカレイだった。
先ほど、ミランの防御を崩せるのは警護隊では3人と述べた。
その3人とは タジン、カーライルそしてリカレイ。
ミランの対戦相手だった。
試合はミランが善戦したものの、リカレイの猛攻に
防御を崩され、敗北。
「ああ、負けたかー! まあミランにしてはよくやったよ。」
「ええ、残念ね。」
「次はカールだね。」
「ええ。」
落ち着かない様子のメアル。
カーライルに勝ってほしい。でも怪我はしないで欲しい。
「カール! 負けんじゃないぞー!!」
アンの声援に対し、
「カール!!、無理しないでね!」
と応援としてはどうなのか?という声援をするメアル。
そんなメアルの気持ちを知ってか知らずか
リカレイと同様に猛攻を仕掛け勝利した。
危なげない勝利に安堵するメアル。
安心したのか、少し余裕も出て来たようだ。
「巨兵に乗ったカールもカッコイイ♡」
<巨兵に乗ったら皆同じに見えるんだけど。>
とアンは思ったが突っ込まないことにした。
〝巨兵乗り〟という言葉がある。
巨兵は同化するのであって乗るものはないのだが、
そんな事は一般人にはわからない。
だから乗り物のように巨兵に乗ると間違った認識で表現されるのだが、ほぼ一般化された表現になっている。
〝同化する〟のでも〝乗る〟のでもどちらでもいい事ではある。
次はいよいよ決勝なのだが、
その前に一旦、カーライルは巨兵から〝降りる〟
タジンから、準決勝の結果と決勝の対戦カードが
発表された。
タジンの脇には決勝に進む、カーライルとリカレイが立っている。
そこでちょっとしたイベントが発生した。
発端はリカレイの発した大声での提案である。
「カーライル! 私は貴様に決闘を申し込む!!
「これから試合だと言うのにどういうことだ?」
カーライルはリカレイの意図が掴めなかった。
盛り上がる周囲。
タジンは敢えて何も言わないようだ。
「命の奪い合いをしたい訳では無い!
この試合に負けた方はメアルから永遠に手を引き、
勝った方がメアルを手に入れる!!!
どうだ!この決闘受けるか!」
大声での宣言である。
アンとメアルにも届いた。
「誰あの人…呼び捨て?何なの?」
メアルの小さい呟きだった。
氷の様に冷たい視線をリカレイに向けている。
心なしでは無く周囲の温度が下がったと体感できる
オーラを発している。
<リカレイ終わったな!>
あえて発言をせず、成り行きを見守るアン。
カーライルは頭を掻いて、
「断る! だがメアルの意思を無視するお前は許せん! よって俺が成敗する!!」
とこれまた大声で宣言した。
「!!!!!!!!!」
<カーーライル!!!!!!!>
この返答に怒りで言葉を無くすリカレイ。
周囲は先程より沸いた。
「カールも言うね!」
アンが感心する。
「カール♡ステキ♡」
メアルはうっとりする。
我が意を得たのか、先ほどの氷点下のオーラは
すっかり消え失せ、寧ろ甘ーいオーラが出ている。
その様子にアンもホッとする。
同時にヤレヤレとも思うのだった。
タジンが締めくくる。
「両者とも後は巨兵で語り合え!」
リカレイは無言でカーライルを睨んだあと赤頭の巨兵の元に歩いていった
「鬼のような形相だな。」
「ええ。」
タジンがカーライルに話かけたが返事は素っ気ない。
カーライルの表情を見て、目を見張る。
<本気で怒っているな。>
カーライルはメアルを賭けの商品の様に扱われた事に
本気で怒っていた。
ただその怒りは静かに冷静で
感情では無く、決意に力を与えた。
カーライルも厳しい表情で青頭の巨兵の元に歩き出す。
「小隊長 頼みますよー!」
「これで負けたらみっとも無いっすよ!!」
とカーライルの小隊の隊員達が応援してくれた。
優勝ともなれば隊員の自分たちも
より鼻高々に自慢できることのだが、
この場合、負けでもしたら逆に目も当てられない。
恥ずかしくて外を歩けないだろう。
隊員達も必死に応援せざるを得ない。
「カール!! 絶対に負けないで!!!!」
メアルからの声援も受け、無言で拳を突き上げる事で声援に応える。
カーライルはもともと試合に興味はなかったが、
最強の騎士を目指す以上、負ける気も無かった。
今回はそれに加えて、絶対に負けられない理由ができた。
リカレイは巨兵との同化が終わると
武器の棒を振り回し、動作を確認し出した。
カーライルへの怒りはあるが、
それで我を忘れるような素人ではない。
怒りに支配されると足元を掬われることになりかねない。
ただし、圧倒的に勝ち、二度と通りを歩けないほどに
辱めてやるつもりだった。
そうすれば、メアルもこちらに振り向くだろう。
本来強く、イケメンの自分になびかない訳が無い。
メアルの目を覚まさせてやる必要がある。
そう考え、リカレイも闘志を燃やす。
魔導師が カーライルを巨兵に同化させ、
カーライルは立ち上がる。
<いつもながら、視界が高くなるのは違和感あるな。>
2体の準備が完了し、所定の位置についた。
2体の巨兵が向き合っている。
向かい合って数秒、
準備ができたことを確認したタジンは、
「決勝戦 始め!」
と開始を告げた。
試合は開始直後、 リカレイがカーライルより先に猛攻を仕掛け、
カーライルは防戦一方となった。
<不味いわね。>
アンが不安に思う。
メアルは試合開始直後から手を組み必死に祈っていた。
ミランの時以上に凄まじい猛攻をしかけるリカレイ。
だが、操作はカーライルの方が巧みで
最小限の動きで、受け流し、又は躱した。
「くそ! 何故当たらない!!」
思い通りにならない展開に苛立つリカレイ。
激しく動くほどに体がしなり、連撃がしにくいのだ。
次第に、しなりが大きい振りより突き主体の攻撃になっていく。
木の巨兵は材質が木であるが故に挙動に独特の癖がある。
木はしなるのだ。
カーライルはリカレイの動きをみつつ、
木の体のしなりを自身のものにできていないことを見抜く。
木のしなりを利用できれば凄まじい瞬発力を生む。
カーライルは勝負をしかける。
ワザと隙を見せた。
リカレイはチャンスとばかりに胸を狙う大振りの攻撃で仕掛けてきた。
焦るリカレイは大技で勝負を決めれるこのチャンスを
最大限に生かそうとしたのだ。
しかし、これはカーライルに出させられた攻撃だ。
半歩下がり、胸を反らせば簡単に躱せる浅い間合いだが焦るリカレイは気付かなかった。
易々と体を反らし躱すカーライル。
次の瞬間、カーライルは体を反らした際の生まれた木のしなりが戻る反力を乗せて間合いを詰める。
リカレイは大振りをしすぎて体勢を崩していた。
立て直し反撃しようとするものの、木がしなる方向と逆向きの動きで、どうにも鈍かった。
反力が乗るまでに半瞬かかるが
その差は致命的だ。
カーライルは強かにリカレイの胸を手に持つ棒で打ち据えた。
果たして硬いはずの樫の棒は割れた。
それほどまでの強撃だった。
胸に攻撃を受けたリカレイは無様に尻餅をついた。
リカレイの首元にカーライルの割れて砕け、
半分になった木の棒が突き付けられる。
「そこまで!! 勝者 カーライル!!」
隊長タジンの宣言が高らかに響いたのだった。
部下たちから歓喜の声があがった。
「やった! カール勝ったよ! いや凄かった。」
興奮気味のアンの言葉に
タジンとアンの言葉に
メアルはつぶっていた目を開き、
訓練場を確認する
そこには尻餅をついた赤頭の巨兵と、棒を突き付けている青頭の巨兵がいた。
「カールは青い巨兵だったよね? カール勝ったのね!」
「ええ、リカレイの彼女にならずに済んでよかったね!」
アンのからかいの言葉はもうメアルには聞こえていかなった。
「ああカール! カッコイイ♡♡」
その呟きにヤレヤレとアンは肩を竦めるのだった。
<さあ メアルに会いにいけるぞ!>
カーライルが魔導師の元へ同化を解除してもらいに歩き出す。
「待て、カーライル !」とタジンが呼び止める。
カーライルが振り返えると、
「見事だったぞカーライル。 次は俺と試合だ。」
タジンは不敵な笑みを浮かべて 命令を下した。
先程の試合は、タジンの闘争心に火をつけてしまった様だ。
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夕方、カーライルは町に戻ってきた。
隊長との試合を振り返る。
「あれは試合じゃない! しごきだ!」
5分どころで済まなかった試合は、
魔導球の魔力が尽きるまで続いた。
魔導球の魔力を無駄に使い切ったことで、
今ごろ隊長は副隊長に怒られていることだろう。
18話了




