女学生のお姉様はエス!
今日は女子高のお姉様たちと一緒にお花をつみに行くの!うふふ!とっても楽しみ!そんな素晴らしい体験ができる僕とってもラッキーなサンピエール3世だよね!
「おう新入り!ここは数多ある豚箱のなかでも最悪の豚箱、私立セントパエリア百合女学校!泣く子も黙るワルの総本山!俺は入口までしか案内できねぇ!お前の健闘を塀の外から祈ってるぜ!」
俺をこの豚箱にぶち込んだ張本人であるガタイのいい刑事は、そういって笑いながら去っていった。パンチラを偶然みてしまっただけなのに急に現れた刑事にこんな所に連れてるなんて。くそっ、セントパエリアだって!俺みたいなパンピーでも知っているぞ。なんでこんなヤベェところなんだよ!意図的にパンチラしたとしても罪が重すぎないか!?
恐る恐る塀の中を割り当てられた自室へ向かって歩いていると後ろから声をかけられた。驚きを持って振り返る。低いその声を聞くまでふつふつと煮え滾るような圧倒的存在感の闘気に気付けなかった!この俺が!面白くなってきやがった!さすがというしかないようだなセントパエリア百合女学校!
「おいお前。見たところ新入りのようだな。ふん!全くココもぬるくなったもんだぜ!ロクに気配をさぐることもできない弱者が来るなんてな!」
「なに、お前この俺を侮辱しているのか!いい度胸だ!気配なぞサシの勝負には関係ねぇ!その喧嘩かってやるよ!」
「後輩を躾けるのも先輩の仕事か。まず名乗りあいだ!それがココ私立セントパエリア女学校絶対のルール!」
「俺の名前は白百合咲華だ!俺をコケにしたこと後悔させてやるぜぇ、先輩!」
「ワタクシの名は紅薔薇薫子!いいぜ、かかってきな!」
紅薔薇薫子はまずは小手調べといいたげな表情で鋭い正拳突きを放った。なんとか両手をクロスさせ受け止めたが手を痺れて動かない。薫子は少し意外そうな顔をしてこちらを見る。その程度で倒れるほど俺はヤワじゃねぇぜ。腕が使えなくとも攻撃できねぇってわけじゃない、吠えずらかかせてやる!腕をブラつかせながら薫子に回し蹴りを食らわせる。回し蹴りした足は薫子に当たるが頑強な筋肉に跳ね返されそのまま地に足をつける。こちらを見据える薫子には堪えた様子が見受けられない、だがこれで終わりじゃない。勢いよく着地した足にかかる地面からの反動、それを利用したタックルを仕掛ける!
「なかなかやるようだがここで負けるのは先輩の面子にかかわるのでな!すまんがこれでしまいだ!赤く染まれ地とともに(赤染地蹴(ブラッディローズ踵落とし))!」
「ぐはっぁ!」
タックルを受けた薫子先輩は先程までの悠然とした態度を崩し気を練り出した。なんて研ぎ澄まされた気だ。後方に跳躍し距離をとり回避を行おうとする俺、しかし薫子先輩は瞬間移動したかのように目の前に突然現れ技名を叫んだ。そして脚を天上へ掲げ俺の肩に振り下ろしたのだ。
なんて凄まじい威力!身体中のいろんな骨がイカレたようで動けない、出血はしていないが内側の損害がヤベェ、こいつなんて危険な技を使うんだ!こんな危険な奴を女学校の中とはいえ自由にさせているなんてココの校長は頭がオカシイのか?!この殺人脚技には血で血を洗うような闘争を呼び込む魔性のなにかを感じる。コイツを倒さねば世界は平和とは程遠い殺戮者どもの楽園になる、その確信が実際に技を受けた俺にはある。どうやら俺は奴を絶対に敗北させなければならないようだぜ。実力差は絶望的、だが不可能だろうとこの世界の平和のため、なにより俺自身のために必ず成し遂げてやる!そんな憎々し気な俺の視線に気づいているはずなのに薫子先輩は喋りかけてきやがった。
「その目気に入った!白百合咲華といったか、お前ワタクシの妹にならないか?」
「妹だと!?そんなものになった程度で俺がお前の命を狙うのをやめるとでも!断るに決まっているだろう!」
「委細構わぬさ!しかし断ってもいいのか?妹とはいつでもワタクシの命が狙える立場だぞ!」
薫子お姉さまの妹になった俺はお姉さまの真の目的を知りこの学園の頂点を二人で目指すことを決意する。しかしそれは修羅の道。生半可なことではなかった。何度も地に背をつけ大事なぬいぐるみが目の前で壊されて泣くことだってあった。しかし二人は諦めなかった!幾多の困難を乗り越え邂逅するは最大の壁、それはこの学園の裏番サンピエール3世。立ち塞がる最悪最強の悪を打倒しこの学園の頂点をとれ!
お花摘みに僕と一緒に行ってくれるお姉様達はとっても元気!しかも盃を交わしあった姉妹なんだって!花畑で僕がつくった花冠を求めてココまで来たらしいんだ!そんなに冠が欲しいのかな?でもこれは僕が血の滲むような努力で築いたものなんだ!そう簡単には明渡せないよね!
はたして決闘の末勝ち残り学園の王を冠するのは紅薔薇白百合姉妹か、それともサンピエール3世なのか!勝負の結末は神のみぞしる!
蛇足だがムショからでられたサンピエール3世が自販機に帰ったことはみんな知ってる。
エスとは戦前の日本の少女、女学生同士の強い絆をもつ関係!
wiki先生がいってた!