古生代は三葉虫がいるよ!
僕は普通のサンピエール3世!実は僕には毎朝起こしに来てくれるしっかりものの幼馴染や甘えんぼな義理の妹がいるんだ!学校では鉱石部に所属してる!埋蔵金と化石を探してるんだ!ドジっ子だけど元気な後輩ちゃんとクールビューティな僕ら後輩を大事にしてくれる先輩とで一攫千金目指してるんだ!
でもある日突然僕の欲望の化身を名乗る悪魔が発現しちゃってもう大変!僕はこれからどうなっちゃうの!あ!もうこんな時間!早く学校へ行く用意をしなきゃ!
おれはサンピエールに取り憑いた悪魔。憂鬱な朝が来ちまった。こいつが強欲なせいでタワーマンションに暮らしてたってのに呼び出されちまってしかも学校だと?おれは学生の頃のトラウマで学校が大嫌いなんだよ!抵抗するために意識を乗っ取ってやった。つーか悪魔憑きが学校行くってなんなんだよ!エクソシストよべよ!
「朝だよ!起きてサンピエトロ大聖堂!」
「フシャーッ!グキュグキュ」
「サンピエロお兄ちゃん!今日の朝一緒にジャーマンスープレックスしようって約束したじゃん!忘れちゃったの!」
「グジャラトハブタヌキ。エンダブ、エンダブ」
「もう!仕方ないないんだから!帰ったら絶対一緒に遊んでよね!」
幼馴染と妹に引き摺られながら家を出た。普通フシャーやらエンダブやらしか喋らないブリッジしたやつなんてドン引きして逃げ出すだろ!こいつらはなにを見聞きしてんだよ!いみわかんない怖すぎ!
学校に着いたおれはようやくやつらから解放された!折れ曲がった体はそのままにすぐに裏山に逃げ出す。裏山はかなり大きな山だから遭難なんてしたら山暮らしに目覚めるしかない!だがトラウマに苛まれずに生きていける!安住の地!まさに天国!
しかし安心しきっていたおれは背後から近付いてくるやつに気づくことができずに攻撃されてしまう。
「グギョッ。はっ!貴様何者だ!」
「分からぬかミトウタダエモン!俺だよ!俺俺!」
「その声、お前は我が後輩ミトウタダザエフか!」
「そうだよ!俺はミトウタダザエフ!俺は前から名前被りしてるお前が気に食わなかったんだ!急所からは外れたようだが次はそうもいかねぇぜ、見逃して欲しければ指定の口座に100万振込な!」
ミトウタダザエフが致命傷を負わせてくれたおかげで悪魔に奪われた意識を取り戻すことができた!けどミトウタダザエフは僕の体を治すために悪魔に魂を・・・。ごめんミトウタダザエフ。僕ミトウタダザエフにもらった命で精一杯いきるよ!
僕が学校に行こうと山を下っていると目の前に怪しげな祠が!これはきっとこの悪魔を退治してくれる霊剣あらたかな神様のものに違いない!僕は持っていた紅白饅頭を供えた!すると祠が光輝いて浮かび上がるように美しいショベルカーがあらわれたんだ!饅頭のお礼にって学校の裏庭の伝説の木まで送ってもらっちゃった!
裏庭に生える樹齢幾千にも及ぶ木の伝説、それは、木を伐採できるものが世界を支配する王になる、月輪の模様が暗号化されたアカシックレコードである、木の下で告白を行うと3割成功する、などなど。上げていけばきりがない。
そんな木の元でサンピエールは4つの影が自分に近づいて来るのを見た。先程のミトウタダザエフの戦闘から緊張を維持する自らの筋肉をほぐし、コンディションを良好に保とうとするサンピエール。しかし彼らは目の前で立ち止まったまま動かない。サンピエールと彼等に緊迫感ただよう間が横たわる。筋肉が固まってしまうことを恐れたサンピエールは重い空気の圧に晒されながらも口火を切った。
「こんにちはお嬢さん方。どうやら我に何か用があるようだな。ぜひ聞かせていただきたい!ふむ。まずは幼馴染、君からお願いしても?」
「サンピエトロ大聖堂!わたしあなたが好き!」
「サンピエロお兄ちゃん!私あなたと兄妹なんて関係をやめて決闘したい!」
「隙だ(らけだぜミトウタダエモン)!俺と(地獄まで)付き合ってもらおうか!」
「フゴォォ、フシュッー、ゴモモモォー」
ディプロドクス先輩が僕のことを好きって!好きって!きゃーっ嬉しい!でも先輩は嫉妬深い人みたいで他の僕に告白してくれた幽霊やプロレスラーを薙ぎ倒してしまった!でもそんなところも可愛くてこんな彼女ができるなんて僕って幸せ!
サンピエールの欲望の化身である悪魔は気付いていた。
サンピエールがディプロドクスを選んだのはあの中で尾てい骨が一番長かったからだと、サンピエールは女の尾てい骨しか見ない最低の男だと!
動植物の善性が具象化しうまれた神は知っていた。
世界樹の木のあらゆる伝説が複雑に絡まり合うことでジュラ紀の生き残りであるディプロドクスの願いが叶い、恐竜が蘇えり地球が古生代末期となって現代の動物は喰われ尽くし人は原始人へと進化して絶滅することを!
ディプロドクスは大きい草食恐竜!
長い尾を鞭みたいに振るうんだって!
しかも尾の先端は音速を超えたかもしれないんだって!
尾てい骨についてはてきとうだよ!
尾てい骨フェチのひとごめんなさい!