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自販機暮らしのサンピエール(3世)  作者: ブリ大根
ハムハム公国編〜波乱
10/42

ハムゥ〜!その二!

あらすじ!

夏休みに課せられる1番の難問、それは自由研究!

ある幼女、サンピエール3世も己が定めた命題に1つの答えを見出そうとしていた。しかしそこで出会う怨敵。幼女は豚を連れ、雪辱を果たすため実態の掴めない謎の公国へと挑もうとしていた…

小学生の女の子、僕サンピエール3世!路地裏であったドブネズミさんの手掛かりを探しにハムハム公国へ向かってるの!ハムっていうんだからきっとハムスターがいっぱいの可愛い国なんだろうなぁ〜!楽しみ!


ハムハム公国関所は沢山のハムスターやネズミで行列ができていた!その為そこかしこからハムハムと鳴き声がしている。しかしここにはハムスター以外にネズミもいる、なのにハム以外、例えばチュゥなどの囀りは聞こえないのだ。


異様な光景に目を見張る豚、ここまでハムスターであることが強制されているなど知らなかったのだ。ハムスターと同じ齧歯類であるネズミでさえ、ハムと鳴かなければならない、それほどに、

生物としての本能を捻じ曲げながらも必死にハムを演じる様に恐れさえ感じる豚であった。


一匹また一匹と列は減り、漸く関所の全容が見えてきた。


灰色の壁に固く閉ざされた扉、その前に二匹のハムスターが立ち塞がり、列の一番先頭の茶色い影をひたと見据えている。


番人だろう巨大なハム二人は仁王立ちをし、その真っ黒い大きな瞳で茶色い影がハムかどうかと見極めんと半ば睨むように、精査しているようだ。


番人の片方、灰色のハムがその愛らしい口を開く。


「お前はハムか?」


「はいぃ、今日は山から噂を聞いてきたんです。どうかハムハム公国へ住まわせていただければと思いましてベア。」


ハムの威圧にか震えながら答える茶色い影、いや、ハムにしては大きい番人が霞むほどの大きさ、こいつはハムではない!ヒグマだ!


巧妙な擬態!変装には自信のある豚をしても語尾を聞くまでは気づくことができなかった変装!


しかし、もう片方の番人たる黒いハムの眼がキラリと光る。


「ハムハム公国に!ハム以外が立ち入るべからず!」


咆哮を上げる黒いハム、するとどんな手品かヒグマは光に包まれ消えていった…


慄く豚の心中をよそに幾度かハム以外が混ざりながらも豚とサンピエールの順番は近づいていく。


そして、遂にサンピエールたちの番がきた。


「お前はハムか?」


どうやらこれは定型文のようだ。灰色のハムが口火を切り、黒いハムが判定を下す。


予め決めていた文句を口にしようとする豚であったが、事前の取り決めなど忘れたかのようにサンピエール3世は喋り出した。


「は〜い!そうで〜す!」


ば、ばかな!語尾すらつけていないだとぉー!

サンピエールの大ポカに絶望感に満たされる豚、もはや黒いハムを淀んだ瞳で見つめることしかできない!


案の定というべきか、黒いハムはニヤリと笑いその意外にも小さい口を開こうとした。


しかし!なんということか!突如突風が起こり、黒いハムの鼻元でネコジャラシがふわりと舞う!


「ハッムッシュ!」


堪らずくしゃみをする黒いハム。


灰色のハムは「ハムっす」とでも聞き間違えたのだろう、門を開きサンピエールを公国の内へと進ませる。


その光景に内心万歳三唱する豚であったが灰色のハムの無機質にも思える黒い眼がすぐさまに豚を捉える。


「お前はハムか?」


「はいぃ!私田舎から来ましたハムですハブゥ!」


予定は多少変わったが問題ない、語尾も完璧だ。気持ちを切り替えて挑んだ豚であるが、黒いハムの眼がキラリと光る。


「お前本当にハムか?」


「方言が出てしまったのかも知れないハブ」


怪しむ黒いハムの発言に焦りながらも弁明する豚。その応えはなく黒いハムは考え込んでいるようだ。暫しの間が辺りを包み込む。気まずいその空気をぶち壊してくれるのは勿論このハムしかいない!


「お前はハムだな」


豚に対しそう言い放つ灰色のハムは門を開け豚を促す。先程まで食い下がっていたはずの黒いハムは灰色のハムが結論を下すとこちらには目もくれず、次なる獲物を待ち構えるかのように、関所前の行列に視線を向けている。


どこか釈然としないながらも門の先へあしを踏み入れた豚、その直後にギギィと不気味な音を立て扉が閉まった。


サンピエールも豚もあの反応からして黒いハムはハムではないと気づいたはずだ。それなのに灰色のハムの判断にやけにあっさりと従った、灰色の立場が黒いハムより上だからだとしてもどうしても違和感が拭えない。


悩む豚なぞ知らぬとサンピエールは豚を急かす。


「豚ー早く行こ!」


一見無邪気とも取れる明るい声であったが、豚には分かる。あれは単なる脅しであると。もし豚が声かけを無視し己に従わなければ今すぐにでも屠殺所へ連絡するという意思が感ぜられた。


豚は仕方なしに思考を中断し、サンピエールを追う。


彼らが次に向かおうとしているのは、ハムハム公国首都、ジャンガリアン。そこでは如何なる困難が待ち受けているのか!

次回予告!

ハムハム公国、謎の繁栄を遂げたその秘密に幼女サンピエール3世と豚が迫る!

明かされる凄惨ともいえる圧政!

「向日葵の種など時代遅れ!世はハムハムフードの時代!」

「くっ!俺はハムハムフードなどには屈しないぞー!」

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