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自販機暮らしのサンピエール(3世)  作者: ブリ大根
サンピエール三世の優雅な日常
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アルミ缶は磁石にくっ付かない!

自販機で暮らしてる僕、サンピエール3世!

隣の鳴り物相撲道場のぶつかり稽古がうるさくてクレーム入れたてるのが最近の日課。

でも聞こえなかったみたいで無視されてるんだ。かなしかったけど3日で飽きてきちゃった。


今日はちょっと趣向を変えようと思うけどどうすればいいかなぁ。

友達の鉄板兄弟の家に行ってゲームで遊びながら考えてたら名案ピッコン。

「次変わってよー」

「黙れ、傍迷惑な道場潰しに行くから手伝え」

「えぇーやだよー」


賛同してくれた鉄板兄弟をつれて抗議のハンドベル活動!騒音には綺麗な不協和音演奏だよね!今回のハンドベルは何と特製品!全長1m越え重さ50k以上!

「耳がぁわれ、グヒャァァァ、ウギィィ、手ガァ、グウェッ」

あーサボってる、ほんと役に立たないんだからぁ。もっと頑張ってよぉー。

「お前のそのご自慢のダイヤモンドコーティング、一億回往復フライ返しするぞ」

「悪かったぁ、ウギョぉ、だか、鳴らす鳴らすぅう」

ダイヤのフライ返しでこずくと先端に黒い汚れが!これ高かったのになぁ。でもやる気出してくれたみたいでよかった!


最高品質の超高級耳栓しながら鉄板兄弟と頑張ってたら30分。寝て過ごしたらあっという間だったけどやっと聞こえたみたい、カスタネットとタンバリンが道場からでてきてくれた。


「なんでごわすかこの不快な音!今すぐやめるで候!」

「てめぇらの道場のせいでこちとら迷惑しとんのや。こん位お前さんらの騒音にゃ及ばねぇってのにガタガタぬかしてぇんじゃねぇぞ」

「はぁ?生活音以上の音を出したつもりは・・・」

その生活音が煩いってのに自覚してないみたい・・・。可哀想・・・。なんとか自覚させてあげなきゃ!


無音室に放り込んであーげよっ!


意味がわからない不快な音を立てる集団に拉致され、音が一切しない部屋に一人亀甲縛りで放り込まれてから、何時間もたった。鳴り物相撲の横綱を目指して日々稽古していた。だから音はあって当たり前のもの。それなのにここは普段意識しない自分の呼吸や鳴り物の音の反響しかない。マスカラ親方やトライアングル先輩の音がささやかにだがしっかりと響くあの道場の生活と違い過ぎて気がおかしくなりそうだ。


一週間くらい生活させてあげたら理解してくれたみたい。部屋を出てもずっと耳を塞いでうずくまってる、君らの音うるさいもんね、気持ちわかるよ。あぁーよかった!


それから静かな生活を過ごしてたらいきなり警察が!どうしたんだろう、何か事件でもあったのかな?


「ここにサンピエールさんはいらっしゃいますか」

「サツが何の用だ」

「おたくこの自販機で暮らしてるそうですがここはスチール缶さん所有のもんでしてね。ちょっと署までご同行願いませんか」


警察の人のいうことが全然わかんない・・・つい怖くなって逃げちゃった・・・。友達の小野のイモに匿って貰わなきゃ。


「おう、邪魔すんゼェ」

「あ、兄貴!なにかあっしに御用でございましょか?」

「ちょっとな、サツに追われてんだ。匿ってくれや」

快諾してくれたイモ!持つべきものはともだちだよね!

そういえば警察はスチール缶がどうのって・・・それってもしかしてあのスチール缶かな?


僕のともだちのスチール缶がウソをいって僕を犯罪者にしようとするなんてそんな訳ない!そう信じたくてスチール缶の家にイモに行ってもらったんだ。


「スチール缶…お前あの人に逆らうのか」

「ああそうさ。もう俺は駄目だ、怖くて怖くて仕方ねぇ。オメェしってるか。あの人は俺の目の前で同族を資源回収に出してわらうんだよ「お前は何円になるかな」って」

「だがこんなのは自殺と同じだぞ!」

「ただ死ぬよか社会に貢献してんだろ。俺みたいなクズ鉄でも最後には良いことってやつをしてみたかったんだよ」


スチール缶はぺっシャンこになって死んでたみたい。ふえぇ、かわいそう。死を悼む僕を慰めるためか帰ってきたイモがお金をくれた!でもちょっと少なすぎない?って不満に思ったけど貰ったものに文句いっちゃ駄目だよね!


警察の人もなにか不幸な行き違いがあったって理解してくれたみたい!なので今日も僕は楽しく元気に自販機で暮らしてます!

アルミ缶とスチール缶はリサイクルする方法が違うよ!

ちゃんと区別したいね!

スチール缶は磁石にくっ付くよ!

マークを確認してね!

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