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1.嘲笑の入学初日と愉快で嫌味な友人

頑張って書いたー!!

1話と2話を統合させました。


 王都の中心であり、シンボルだとも国民から言われ続けられているイザック王国学院。


 そして、入学式を終えた今、


 「えー、この文学科の担当のリリィだ、よろしく頼む」

 茶髪の女教師が、教卓の前で自己紹介をした。


 「では、サイクス=アレン、自己紹介だ」


 立ち上がり、教卓の前まで歩き、

 「サイクス=アレンです、これからよろしくお願いします」


ーークスクス、貧乏貴族のサイクス家だってよ。


        謎の侮辱


 しかし、アレンは、そんな侮辱を気にもしなかった。

 そう、それは今に始まったことではないのだから。

 生まれてこの時まで馬鹿にされることは慣れっこでそれはアレンにとって普通と変わりない、そのせいか卑屈な性格になってしまったのかもしれないが……。


 軽々とした足取りで自分の場所に座る、

ーートントン と肩を突かれ、後ろを振り返る。

 そこには、金髪の美少年がいて、その存在の大きさにアレンは目を驚かせた。


 「ねぇねぇ、君馬鹿にされてたけど気にしないの?」


 「これは……!!王太子の弟様……!」


 「この事は、今に始まったことではないので特に気にしていません」


ーーふーん と、興味がなさそうに、

 「なんでこんな学科に僕が居ると思う?」


 「すみません、わかりません」


 「僕はあまり、剣の扱いや魔法を使うことに向いてなくてね…、だから戦略士として名を残していく予定なんだ」


 簡単そうに述べた理由は、なぜか共感出来るものがあった。


 そして、王太子の弟 イザック=ライ=ロバットは、突如雰囲気を変えた。


 「ねぇ、サイクス=アレン、ヤナって知ってる?」


 「……、ご存知ではあります」


ーーにやり


 とイザック=ライ=ロバットは、アレンは見透かすような目で見た、


 「彼女ね、僕の婚約者なんだ、でも、君のことが気になって僕には目もくれないんだ」


 「……、私は貧乏貴族の分際ですので、ライヤート=ヤナ=クレート様は私のことなど気にもしてないと思います」


 「でも、君はヤナのことが好きで好きで、どうしようもないんだろ?」


 意地悪な目つきで、イザック=ライ=ロバットは、アレンのことを嘲笑する。


 「とうの昔のことなので、今はそのような思いは決してありません」


ーーだかそれは、嘘だ


 彼女のことが誰よりも好きで、彼女と一緒にいれる環境が手に入れたいと思っている。


 「まぁ、僕もヤナのことは好きでもないけどねー」

 ここぞとばかりにヘラヘラとする王太子の弟に苛つきを覚えるが顔には出さない。


 「でもかわいそうだなー、ヤナ、思い人に好かれてないなんて……」


 「……」


 一時の沈黙。

 そして、会話は終わり、ライはリリィ先生に呼ばれ、教室を出て行く。


 入学して、新しい友達との会話で教室がザワザワしている中、


 「おい!」


 と、突如声をかけられた。

 声をかけられた目を向けると、薄黄色のトサカのついた髪型の奴がムスッとした顔でやってきた。


 「サイクス家のお前、ライ様と何を話してた?」


 「なんで馬鹿にされてるのって聞かれた」


ーーガハハッ! とトサカ野郎は笑った。


 (……またか)


 だが、アレンは怒るほど子どもではない。


 すると、そのトサカ野郎は手を伸ばしてきた、

 「俺はダクス!ハイド=ダクスだ、馬鹿にして悪かった、これからよろしくな!」


 アレンは顔を傾げ、

 「ん、意外だな、てっきり馬鹿にしてくるのかなと思ってたけどな」


 そして、手を取って握手した。


 「ハイド家といえば、鍛冶貴族ではなかったのか?」


ーーあぁ と合点がいくように、

 「俺の家は五つ子で、俺は四男で、親父が一人は、経済について知っておかないと、ってさ、俺を文学科に入れたんだ」

 ガハハっと笑うダクスは、嫌悪感はしなかった。


 「にしても、ひでぇな、貧乏貴族ってだけでこんなにヒソヒソと馬鹿にされるなんて」

 周りを見渡すダクス、クラスの大半は意図的に顔を合わせない。


 なぜ、サイクス家が貧乏貴族で有名なのか?

 アレンが生まれる前の約50年前にサイクス家の長女が既婚している聖騎士を寝取り、その婚約者の女性を邪魔に思い、暗殺したことが発端だった。


 そこから、サイクス家は貴族としての信用を失い、領の農民や数々の貴族から敬遠されていた。

 だんだんと予算がなくなり、そして、貧乏貴族になった。

 しかし、父上のおかげで農民や一部の貴族の信用は取り戻し、経済は良くなった。

 だが、国中を驚かせる事件の際で、卑しい貧乏貴族というレッテルを貼られてしまった。


 「ダクス、心配してくれてありがとう、だが心配する必要はない、なにせ俺は、国一の戦略士になるからな」


ーーガハハッ!  とまたダクスの愉快な笑い声が聞こえる。


 「これからもよろしくな!アレン!」


 「あぁ、よろしく」


 イザック王都学院でのアレンの始めての友人は、愉快で嫌味な友人だった。


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