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〜プロローグ〜

処女作です!

思い切って書きました!



 「ねぇ、アレン、私たち聖騎士になれるかな?」

 まだ幼い、だが凛とした声が草原を駆け抜けるように、風が声を攫っていく。


 「……」

 だが、太陽のような赤髪の少年は応じない。

そして、

 「……なれるといいね」


 そっと、少年はその青髪の少女に目を向けた。


 「アレン、私はアレンが好きなの、だから、ずっと一緒に……」

 少女は必死になって、告白をしたが、それは叶わないことなのだ……


 「俺は、貧乏貴族で、ヤナは騎士貴族、僕は一生かけても聖騎士にはなれないって父上が言ってた」

 そう、少年と少女はこれからの人生では、巡り会うことがない運命。


――その瞬間


 「おい、いたぞー!ライヤート=ヤナ=クレート様!」

 甲冑を着た護衛騎士たちが二人。


 「おい、この貧乏貴族!お嬢様に近寄るな!」


――シュッ


 一人の男が風を切るようにアレンに殴りかかるが、華麗に避ける、しかし、


――ゴンッ!


 2発目がアレンの顔に当たり、草原に身体を吹き飛ばされた。


 「うっっ!ヤナ……!」


 「やめて!!!アレンは悪くないの!だから…」

 だが、聞く耳の持たない騎士たちは少年に暴力を尽くしたーー。


 「はっ!わかったか!貧乏貴族!」

 最後に騎士は足で蹴った。


 「カハッ!」

 軽々と蹴飛ばされた少年は草原の中心で倒れこむ。


 「ごめんなさい、ごめんなさい……!」

 僅かに見える中、連れて行かれる少女の頬から溢れんばかりの涙が落ちた。


 連れて行かれていく少女は必死に騎士から抵抗して少年の元へ行こうとするが、少女の力では叶わない。

――アレン! と微かに聞こえる。


 手を伸ばす、届かない。


 夢すらも少女すらも手に入れることのできない少年は運命ですら憎むように、そして、気絶した―――。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


―。

――。

―――。

―――――。

――チュン、チュン。

……新しいの天井だ。


 「ひどい夢を見た……」


 甲冑を着た護衛騎士にボコボコにされる。幼い頃好きだった少女と離れ、自分の無力さを憎んだ夢。


 「あぁ()()()……」

 そういえば自分は今日から王都学院の入学が決まっており、昨日からこの寮に泊まることがわかっていた。

 そして、今日は入学の日。


  縦長のテーブルにあった水をコップに注ぎ、枯れた喉を潤した。


 そして、魔力時計で時間を確認。

――6:00


 「随分早起きをしたなぁ……」

 アレンはいつもこの時間に起きているが、今日から領での農作物を植えていく行事をしなくて良いことなので暇が生まれたのである


 「《風よ》」

 手の平に風を生み、生まれた風は部屋の隅々まで行き渡る。簡易的な掃除だ。


 ()()は魔法と呼ばれるものであり、古代より受け継がれてきたものである。いわば、奇跡ともいわれる。


 昔、イザック王国が敵国から戦略をされかけた時、一人の聖騎士が魔法と剣を使い、王国を窮地から救ったと伝説として残っている。

 そして、魔法自体が広められる発端になった。


 王都学院にも魔法科がある。そこで数々の魔法士は魔法を高め、世の中で己の魔法で生活をしていく。

 また、魔法科以外には文学科、騎士科、弓士科。

 エリートクラスには、聖騎士科。


 アレンは、文学科に入り世の中の流れを学び、将来は新たな戦争の時に作戦を作る、戦略士になることを決めていた。


  聖騎士とは魔法、剣を超越した存在であり、この国の将来なりたい職業ランキング1位なのだ


 ある聖騎士は、ドラゴンと戦い、勝利を収め、イザック王国の姫と結婚をして幸せに暮らしたとか。


 ある聖騎士は、敵国の奇襲戦争に己だけで足止めをして戦争を勝利に導いたとか。


 そんな、聖騎士はアレンも幼い頃になりたいと思っていたが、やはり人には向いている、向いていないものがあるのだ


 アレンはベットの横に置いていた木刀を見つめた。

 それは、サイクス家の自分の部屋から持ち出してきたもの。


 「馬鹿だなぁ……、もう目指す()()もないっていうのに」


 「よし、寮の運動所で素振りするか」


 長年手入れが施されている木刀を手に取り、運動できる軽衣に着替え始めた――。



1週間に2回の投稿していきたいです。

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