急襲
魔物による襲撃はマイルたちが入った南門だった。
斥候に出た者の話によれば南門はジーニモンキーによって破壊されたことが判明した。
数はおおよそ2000程である。
そのうち巨体種と呼ばれる身体が以上に発達した数体確認されている。それだけではなく後方では群れのリーダーとも思われる白毛の個体である白猿種もいたらしい。
数ではこちらが優位だが戦力差は相手が圧倒的である。
過去の事例では巨体種数体だけで一つの村が壊滅したという報告まである。
すでに最終防衛ラインの構築は終了し一部の村民は避難を開始している。それに合わせて近隣の村には伝令を飛ばしている。
最悪でも住人の受け入れはしてもらえるだろう。
「村長!大変です」
「どうした!」
「巨体種数体が数百匹の仲間をつれてこちらにまっすぐ向かっているとのこと」
「なんだと!?」
いくら、人に近い魔物とはいえここまで組織だった動きをするのはどう考えてもおかしい。
ましてや、リーダーであるはずの白猿種がどうして乗り込んできた?
指揮をするまでもなく勝てるからか?
わからない。
だがもし、この組織的な行動が白猿種によるものだとすればこれは厄介なことになる。
「村長!伏せてください」
その声にすんでのところで反応する。
何が起こったかもわからないまましゃがみながらなんとか声のした方まで逃げ込むことができた。
声の主・・・おそらくは巨体種の報告をしてくれた人物だろう。
動機が収まらない中なんとか情報を集めようと頭が通常の何倍も早く処理しようと動き始める。
すでに何人かが巨体種に対して間合いを慎重にとりながら取り囲んでいる。
だが、どう考えても分が悪い。先の報告では複数体いるという話だ。となれば組織だった行動していることも考えて出入り口が封鎖されている可能性を考えるべきだ。
ならば、壁を破壊して屋外に出て数人単位で村の中を駆け回る方がいい。
今は時間を稼ぐことが重要だ。
すぐに、タイミングをあわせて数人単位で逃げることを指示する。
壁の破壊はとなりにいる巨体種を報告をしてくれた人物・・・そうだ、衛兵隊長のシモンだ。
「シモン!頼むぞ」
「ハッ!」
シモンは手を合わせて祈り始める。
少ししたら、準備ができるだろう。
まだ、シモンだから1分もたたずに精霊術を出せるが他のものならもっと時間が掛かっていたことだろう。
そういう意味では祈りを捧げることもなく3節以上の術をだせるマイルたちは十分に化け物だった。
「村長!準備が整いました」
「よし!私の合図で走り始めるぞ!少し走ったら今取り囲んでいる者が逃げる隙を作るんだ!後は分散しながら逃げろ。いいな」
「「「はっ!!」」」
通常であれば、こんな会話をしていたら作戦がバレてしまう。しかし、相手は人ではない。だから、作戦は別に聞こえても構わない。
落ち着くために小さく短く息をはいた。
「いまだ!!」
シモンが火弾を壁に向かって投げる。
火弾は予想通り壁をぶち抜いた。
まずは壁に近い私たちともう一組が飛び出す。
外に周囲に猿は一匹も見当たらない。
「よしっ!このまま・・・」
このまま中で足止めしてくれている者たちの援護を、と続けるはずだった。
しかし、それを言う前に隣に立っていた護衛の体に何かがあたり吹き飛んだ。
護衛の無事を確認するために飛んでいった方向を見る。
その光景はあまりにも衝撃だった。
絶命し死体となった護衛にが人のパーツだった物 が突き刺さっていたからだ。
散開して逃げる予定だった他の護衛たちも集まって来た。
初めは何事か分からなかったが呆然としている頭でなんとか聞き取れたのは囲まれているという事実だった。




