もう少し話すことあると思うけど、変態なことしか話していない
「はい」陽介が電話に出た。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「もう黙ってるのやめてよ、お~い」
パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン。どこからともなく音が聞こえる。その音は、艶やかな張りがあり、しっとりと潤いを含み、さらには甘い響きを靡かせている。例えるなら、よく熟れた西瓜をたたく音、いや違う、夏祭りの涼しげな水風船を楽しそうに叩く音、いや違う、よく晴れた昼下がり木漏れ日の中で再会した初恋の美少女の!美少女の!頬を優しく叩く音「起きて僕のお姫さま、今日のおやつはみたらし団子だよ」、いや違う、嗚呼、素晴らしすぎて言葉にできない。俺の未熟者!
「ぺっ!カスが!汚い音聞かせるんじゃないよ!」
「え?おお君だったのか!誰かと思ったよ(わざとらしい)。何か聞こえてた?君が何を言っているのかよくわからないよ」
「何言っちゃってんのかな?ケツを叩いていただろう、ケツを!」
「知らん。ラップ音(霊が現れる時に鳴る音)じゃないの?」
「カスめ、汚物は消毒だー!」
「いや、本当に俺知らないよ。こりゃあれだな、犬にかまれて死んだ男たちの怨念が、君を呼んでいるんだろう(陽介は先日犬に噛まれた)」
「むきー!カスが!」
「うりいいいい♪(ザコ吸血鬼の鳴き声)」
「ぺっ!カスが」
「あっはっはっは、今日も元気だね。何か良いことでもあったのかな♪」
「ぺっ!特に無いよ!」
「俺はあったよ、宝くじ当たった。ロ○6で」
「え~?幾ら」
「えーと、百万くらいだな」
「!マジで!?」
「いや嘘だよ」
「カスが!クソが!豚野郎!」
「あっはっはっは、ちょっと君、カスとか、クソとか言い過ぎじゃない?」
「悪即斬!」
「君最近、すぐ怒るなあ、やっぱカルシウム足りないんじゃない?」
「はっはっはっは。君がカスだからだよ。あえて言おうカスであると!」
「まあまあ、大丈夫だよ。いつか地球も滅びるし」
「こ~の、カス!変態!修三!」
「あっはっはっは。ちょっとひどいんじゃない?カスとかゲスとか、そんなことばかり言っていると、君、会社で嫌われてない?」
「ぷっ、君にしか言わないから大丈夫だよ」
「『・・・それ臭くないの?』『臭いよ。でも、臭いの嫌いじゃないし』」
「あっはっはっはっは、ゲスめ。本当すぐアニメネタに走るなあ」
「いやあ、君が喜んでくれるかなと思ってさ」
「特に嬉しくないよ、カス野郎」
「ところでそろそろ服を着てもいいかな。湯冷めしてしまうよ」
「誰も頼んでないからさっさと着ろ!」
「元気だなあ。何か良いことでもあったのかな♪」
「むきー!」