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金縛りにあって怖い思いをした

作者: 西山久美子

金縛りにあう、日本人ならよく聞く話だよね。

なんかテレビで見たけど、4人に一人ぐらいは体験してるんだって。


怪談で金縛り?今更過ぎるよね~

ありふれてて使い古された感があって、本人には恐怖でも、それほど面白くない怪談 そんなイメージだよね。

でも……体験したら驚愕したから。

いいじゃん、金縛り怪談でも。



一昨日、初めて金縛りにあったのよ。

夜眠ってて、ふと目覚めると…え~!!なんか体が動かない。

もう あせった あせった。

これって金縛りだ~、どうしよう?

わたし怖がりなのよ、メッチャ怖がりなのよ、こわいよ~、どうしたらいいの?

とにかくなんか怖いもの見たりする前に、解きたい~って半泣きよ。

え? 半泣きに成れたの?って… 気持ちの問題に決まってんでしょ。


でも動こうとしても動けないし、せめて指の一本でも動けば解けるんじゃって頑張った!!頑張ったけどダメだったのよ~。

あ、笑うな!

怪談じゃなくて寄席だってどういう意味?

いいから聞いてよ、これからが怖くなるところなんだから。



私があせってる内にね~、なんか ぼーんやりしたものが胸の上に出てきてね。

それは白い服を着た、髪の長い女の人で、ゆーっくり顔を寄せてきてね、ふふふって笑ったの。

ちょっと、イメージが貧困だって笑わないでよー。こっちはそう見えたんだから仕方ないでしょ。

これからこれから

え?首を絞められたんだろう?って。

はっずれー。

なんか首が伸びたように顔が 私の顔にとっても近づいてね、口を大きく引き伸ばして にたーーーって笑って   きゃーーー!!!怖ーい!!いやーーー思い出したくないーーー!!!


えっ、ちょ、まだ話 終ってないって


ぎゃーー!!って怖さのメーターが吹っ切れたらね、すっごい怖いことがおきたのよ!

頭が真っ白になったら、私の中の奥底から言葉が出てきてね。

”くっていい?”

って。

”おいしそう、たのしい、うれしい、食いたい”

って感情が~!!!

そう思った瞬間、体からエネルギーが出てきたみたいにあたたかくなって

体が動いたの。

口を寄せるように首を持ち上げて、噛みつこうとするように口が開いて…ゆーれー食おうとしたら逃げられてちゃって。

なによ、わたしのほうが化け物みたいじゃないのー!

正気に戻ったらほんとうに半泣きになったわー、むっちゃ怖かった。


え?ちょっとなんで逃げるの?

なんでーーー???

※※※※※※


とりあえず

実話じゃないです。

これだけは言っておきたい。

実話じゃないです。


夏になったので、怖い話をと思って。

簡単に書けそうなのを考えたらこうなった。

いつも思う、何故だ…


幽霊にとっての怪談があってもいいかなぁと思ったせいだよ、きっと。うん。

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― 新着の感想 ―
[一言] 当人は本当に怖かったのだと思うけれど、読んでいてなぜか笑いがこみあげてくるような楽しい怪談でした。 久美子さんの書き方がコミカルなせいもあると思うのだけれど、本当に怖い体験だったのだというこ…
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