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異界の姫君  作者: Maverick
2章 アスターヴルムの金獅子
19/52

1-2

何回も言って恐縮ですが(汗)

設定に全く自信がありません……orz


設定が脆弱かもしれませんです。

練り直して後々改稿する可能性大です。

悪しからずご了承下さい……m(_ _)m



 森の道をトラドとは反対方向へ進み、一夜を野宿して過ごす。そして街道に出て村に立ち寄り辻馬車を拾った。旅人や出稼ぎに向かう人たちと共に辻馬車に揺られ、途中で乗り換え、道なりに進むこと三、四日ほど。


 トラドで見たそれとは倍ほども大きい尖塔が空を突かんばかりに聳え立ち、街のほぼ中央にあるその塔ほど大きくはないにしてもいくつか同じような塔が建っている。とにかく家々が密集していて、街路はよく整備されつつも複雑に入り組んでいた。遠くに見えるは小高い丘陵の上に建つ森に囲まれた白亜の城。

 背後には堂々たる山峰が連なっている。

 王都は石灰岩でできた堅牢な壁に囲まれていた。巨大な街門をくぐり、あっという間に人いきれに取り巻かれながらも一人の女性と一人の子供がしっかりと手を繋ぎ寄り添って立っていた。

 リューディアは例によってその髪を薄茶に染めて一つに束ねている。頭巾のような帽子を目深に被っていて表情はほとんど見えない。襟ぐりが開いた白シャツに縁取りが入った紺色のベスト、淡い茶のスカートというごく一般的な装いで、王都の中心街にいることを思えば少し地味ともいえた。

 背には替えの服や下着が入った頭陀袋、そして鞄を肩から掛けている。

 パトリシアは薄桃色のワンピースの裾を握り締め、繋いだ手にも力を込めた。

 それは人の多さに驚いたからでも、物珍しさに心が動いたからでもない。


「リュディ……あたし、ここ……」


 見たことがある。

 そう続けようとして、あまりに不可解な言葉に自身も戸惑って飲み込んでしまう。

 当たり前のことだが初めて訪れた場所だ。

 デジャビュというものだろうか。

 とはいえなんとなく見知っているような気がする……という程度なので確信までは至らないし、気のせいと思えばそれで済んでしまうレベルである。リューディアに話せば信じてもらえるだろうが、それは彼女だからこそだ。

 何よりもパトリシア自身が信じられなかった。


 王都アスターヴルムはステルラリスのやや北よりに位置している。

 ステルラリスはラプサダ大陸の西の大国であり、王家とそれに準ずる諸侯からなる封建国家であった。

 道中、賊の類にでも襲われるのではないかとベタな想像をして不安に駆られていたパトリシアであったが、王都への道のりともあって表街道はよく整備され関所が点々とあり、それは杞憂に終わった。

 さすがに王都と呼ばれるだけあって城門前は入都を待つ人々の列で騒然としていたが、時間はかかったものの無事にこうやって街の内観を眺めることができたわけだった。

 ちなみに王都の城門は東西南北に四つ設けられており、城と向かい合う南門が正門となっている。

 パトリシアの様子を不安と受け取ったのか、リューディアは表情の見えぬその顔をパトリシアに向け、大丈夫と僅かに笑みを浮かべてみせる。



 王都に着いて最初に二人が向かったのは――


 服屋だった。

 またもや子供服を物色し始める。下手をすればいつまでもそこに粘りそうな雰囲気だ。

 そんなリューディアを店員とパトリシアが両側から言葉をかけ合う。主に正反対な言葉で。なんとも意味不明なやりとりを続けてパトリシアはようやくリューディアを店から引き離し、二人揃って本来の目的地に辿り着いた。

 太い柱に支えられた背の低い、だが幅広い堂々たる趣の建物だった。

 入口には四本の円柱が立つ。正面の壁は彫刻が施された石材で、クリーム色がかった煉瓦がはめ込まれていた。横へと広がる重々しくも美しい外壁は等間隔にアーチ型の窓ガラスが並んでいる。

 それはパトリシアが通っていたルネサンス風の美術館にどことなく似ていた。石段を上がり入口に立つ衛兵にリューディアが何やら紙切れを見せていざ中に入ると、パトリシアは思わず感嘆の息を漏らした。


 トレイユ王立図書館は元は宮殿であったものを改築してできている。

 広々とした通路の両端は等間隔に本棚が設けられ、上層と下層とに分かれている。上層へは梯子を使って上がれるようになっている。

 そして頭上は教会の天井画のように神々と思しき者や動植物が極彩色で描かれていた。

 パトリシアが住んでいたシカゴならともかく、ニューヨークやワシントンD.C.に行けばこれくらいの規模以上のものと蔵書数は余裕で誇れるだろう。パトリシアは元は宮殿だったというその内観の壮麗さと古本が醸し出す厳かな雰囲気、たち込めるインクの香りに魅了されたのだった。

「ステルラリスはそこそこ学問に力を入れている国なの。図書館は、この紙を見せれば誰でも入ることができるわ」

 先ほど衛兵に示した紙きれを受け取ったパトリシアはそこに二つの紋章が描かれているのを見た。

 二本の剣が交差し、その四隅には時計回りだとそれぞれ獅子、牡丹、梟、天秤が描かれている。それが国章で、太陽を象ったものを包むように葉が上と下にあるのが王家のものであった。

 貸し出しはできないが、ここにある全ての本は閲覧が可能である。

 図書館はこれ以外にも城内に王族所有の書庫があるが、もっとも一般市民には開かれていない。あとはアスターヴルムから北東に進むとノーディルという学都がある。そこの図書館も王都に負けないくらいの規模があるが、いかんせん王都よりも距離があるうえ、どちらかというと学生や学者専用の図書館となっている。

 だからリューディアはこのトレイユ王立図書館にパトリシアを連れてやってきたのだった。








※作者はシカゴにもニューヨークにもワシントンD.C.にも行ったことがありません(爆)


そういう人が滅多なこと書かない方が良いかしらね……?




ああああああああもううううううううううu(うっせ

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