秋の花火 04年
2024年11/21〜11/23 タブレット端末で執筆し脱稿 新規割込み投稿 小学生高学年の頃から店名やらオーナー代替わりしつつも馴染みの古本屋で[マット・スカダー]シリーズ1冊19円の特売纏め買いついでに 勿論処分品扱いだったので滅茶苦茶安かった
【 短編集ですが私のお気に入りは表題作ではなくドタバタモードで最後まで突っ走る[観覧車]です くっそ寒い冬の夜、バイトのうっかりで吹きっ晒しのゴンドラに取り残され一晩明かせるか? しかも初対面の高校生と覚しき女の子とマンツーマンで…… 喉が渇くとかトイレ行きたいとかとにかく寒いなんて描写に心底あれだけは乗るの止めようとおもいました まぁ沖縄の其れは美浜の観覧車最後にしっかり絶滅したけどな 】
★他にも陰惨だったりザマァ展開だったり恐怖よりも寒さ感じるスターリン政権下の大粛清ネタとか色々入ってます
日本 オムニバス短編小説集
篠田節子 著
文藝春秋社 刊/2007年同文庫化
令和6年11月22日 北風で気温下がり通り雨も頻繁なので少しでも過ごし易い場所をと私のベットで寝っ転がってる居候猫♀が給水とトイレ休憩その他に出掛けたら 先週うっかり家の猫と間違えた性別不明なキジトラが網戸にへばり付きお腹空いたと涙目だったので…… 餌分けたけど結構食うなお前(汗) また雨風強くなったので居候が逃げ戻ってくるまでは時間潰し兼ね軽く前振りでも ノートパソコン&外付けDVDプレイヤー購入の臨時出費に加えトイレの排水管の腐食取替え工賃もちょっとキツかった なんせ汚水浸食で地盤沈下してたから延べ40万円オーバー 私はお代2万円越えたら大概躊躇します 偶に仕入れる酒だって3000円以内で済ましてるし
予想通りGEOのブラックフライデーキャンペーンは今回もイマイチ 電化製品なんて毎年買い換えてたら破産する まぁ新作ぐらいは明日見てくる予定です借りるかどうかはまだ未定 今年前半から夏まで演ってたハリウッド超大作は皆ポリコレ配慮で思想信条一方的に押し付ける屑作品ばかりだったからせめてアニメかな? 此処沖縄でも[ゴジラ マイナス1]と[SLAMDUNK]以外は大概コケてるので ちなみにパルコシティの映画館は敢えてリバイバル上映で[ルパン三世カリオストロの城]等、アニメ祭りの予定 悪戦苦闘の程が知れます 邦画もほんの一部除いて阿鼻叫喚の地獄絵図だし半島ドラマと華流とかいうアレは端から見る気しないので
前書きにも書いたけど居候の御飯その他買出しついでに馴染みの古本屋に顔出したら特価処分セール 海外翻訳小説が売れず結構溜まっていたのと あまり追求しないでと苦笑してたけど季節柄、所有者逝去やホーム入所で資源ゴミに持ち込むよりはとトラック1台分纏めて持ち込まれたとか 先週も書店に無い絶版本をそれなりに纏め買いしたけど今回紹介する本作含む5冊購入 連休明けに未開封のまま山積みな段ボールの書籍整理が一段落したらまた色々仕入れる予定です どうも映画のDVDも有るらしい
■観覧車/小説推理 1997年8月号
★日本だと完全に昔話ですが構内監視カメラの無い遊園地 電波が届かず聞こえないメーカーのガラケーが社畜専用機(風評被害になるからメーカー書けない(笑)) 平成生まれなら多分見たことすら無いで有ろうポケベルがパパ活(当時は援助交際)の小道具……時代劇になるな此れ
時代は失われた30年の真っ只中で就職氷河期な1996年頃の12月30日 営業職でひたすら真面目に働いてきたけどアラフォー手前で未だ独身 実年齢より老けて見える主人公 通称・梅沢殿下の密かな趣味は物語の創作 とは言え当時は精々"2ちゃんねる"で嫌がらせや茶々受けながら羞恥プレイかこっそりノートか原稿用紙持ち歩くぐらい ノートパソコンも随分後だったしスマホもタブレット端末も無い時代 同僚からも後輩女性からも"良い人=どうでも良い人"が寂れたテーマパークで独り様々なアトラクションをハシゴしてたのは お高い乗り物乗り放題券でデート満喫する予定が 相手に男作られまんまと逃げられた自棄っぱちな気分から
「最後まで2万でどうですか…」
高校生にしか見えない少女に声掛けられ紳士的に断る積りが 訳ありの老夫婦に巻き込まれる形で観覧車に バイトは帰り多分経営担当者がもう誰も残ってないとちょっと早目に閉園したからゴンドラの中に取り残された 警察に電話したらやってないけど援交疑惑で人生詰む そうこうしてる内に隣の老夫婦が寒さでダウンしそうになり本当は35歳の色々アレな偽女子高生も喘息の発作起こし大ピンチ 覚悟決め文字通り死にかけながらもゴンドラから脱出しアーム伝い何とか地上へ 緊急電話で何とか3人を助け出した主人公は警官から女子高生にしか見えないヒロインとの関係性聞かれ何と誤魔化したのかは本編呼んだ人のお楽しみ
自分に対する評価は低く他人には親切に だからこそ裏切られ踏み躙られる……まんま私もそうだけど今更生き方は変えられません でも傍から見てるとそんな連中がドタバタしてるだけで笑えて同時に愛おしいそんな物語 小ネタは山積みなので映像化されないかな此れ
■ソリスト/オール讀物 2004年2月号
★クラッシックやバレエ等、特定の芸術分野で活躍する人々に限り 独裁政権下や全体主義国家で飼われてる者が多いのは何故なのか 其れは優生学に基づいた競争を強いて、ほんの1握りのエリートを生み出す代わりに信じられない程の屍体を積み重ねたからに他ならない
アンナ・チェキーナ……60歳を越えて尚ロシア共和国の至宝と持て囃される彼女に付き物なのは演奏遅延や度重なる出演キャンセルに極端なまでに暗闇や独りで居る事を恐れる振る舞い だから本来ピアノ独奏者で有りながら臨機応変の対応が可能なアンサンブルにしか出演しない彼女の秘密を知ったのは親子程歳の離れた盟友で元ソ連音楽留学生だった神林修子 独りでアンコール演奏は出来ないと隣で譜面めくる役割与えられた彼女だけが目撃したのは銃殺或いは執拗な拷問の末に収容所で亡くなった彼女の両親や音楽仲間達が断末魔を迎える様の再現する死霊達 彼女が演奏キャンセルしたり遅刻状態化してたのは死者に引っ張られてのこと
アンナの本当の国籍はリトアニア人で本名はヤドヴィガ・ガシュカイテ スターリン政権下始まった大粛清により16歳で両親や親族共々銃殺刑となる筈だった彼女は自身の才能を異端審問官だったKGB将校に売込み仇の愛人となる傍ら才能を開花させ 遂には国家の所有物となる事でそのKGB将校を処刑台へ送り込んだ過去を持つ 国名変わっても独裁者の庇護下から抜けられない リトアニア人同胞からは売国奴扱いなソリストの彼女の周りには常に死霊となった彼等が付き従う 多分其れは死ぬまでロシア共和国専属の独奏者=道具となる事を選んだアンナと共に在る
■灯油の尽きるとき/オール讀物 1999年2月号
★爺様や叔父亡くなりそれなりに年月経った今だから書けるが 脳梗塞で不具或いは呆け進んで自分が何やってるのかも分からなくなった高齢者の介護と看取りは数人掛かりでも経済的にも心理的にも相当キツい だからこの物語のヒロインが選んだ自身の終わらせ方は下手すると私の最後だったかも知れない
ぶっちゃけ高齢者や脳梗塞で不具となった身内の介護経験有るなら出来れば読まない方が精神衛生上、良いレベルでキツいエピソード なお原作者は実母でリアルに此れを経験してますしトドメに癌も発症しました 幸い未だ生きてるけどね 物語の語り部昌美の年齢は30代半ば バブル全盛期の20代に当時の勝ち組だった住宅販売企業に務める夫と結婚間もなく義母が脳梗塞で倒れ不具に 以降は仕事優先で休日すら居ない夫に介護丸投げされる形で元遊び人だった義父と二人三脚で12年も義母の面倒見続ける なお義父も心労とストレスから9年前に急逝 以降はヘルパーが来れない時は食事準備し食べさせ此ればかりは時と場所を選ばない下の世話
呆けも進行してる義母の緊急入院で12年振りに都心へ 食事に誘った友人には待合せすっぽかされたタイミングで知り合ったのは 退院後、どうしても性的欲求が抑えられなくてうっかり有料出会い系サイトに手を出した同世代の男 橋本周平 その後色々有って介護は未だ妻に丸投げ 釣った魚には餌やらない典型的な屑の夫に愛想尽かし周平と定期的に逢瀬し閨を共にする関係を持った昌美だったが 義母の呆け進行に遂に心折れ彼女に懇願される形で命奪った後、灯油も切れた寒い部屋で首縊りジ・エンド ラストは新聞で偶々訃報知った周平の意外な姿で幕を閉じる
■戦争の鴨たち/オール讀物 2002年2月号
★紛争地入り込みルポルタージュで名を上げる 20世紀までならともかく、誰も彼もが端末機器持ち自由に情報発信出来て検閲されず入手出来る所はそもそも戦場にはならないし 記者や戦場カメラマンが活躍する場所すらない なおBBCやアル・ジャジーラみたいにハマスやヒズボラに協力しヤラセ記事書いたり特ダネ報道やってる所はもう論外かと
山道越えれば隣は多国籍軍と諸派連合軍によるタリバン潰しが始まったアフガニスタン 村には特ダネ手に入れ成り上がり目指す有象無象の自称ジャーナリストやルポライターが犇めく 此処で日本人相手に宿屋兼食堂経営する謎多き日本人女性タカコの伝手で100ドル払いビザ無しでの潜入取材に挑むのは元スポーツカメラマンからフリーの写真家としてなり上がる筈だった汐田幸太郎と出版社から3週間でアフガン戦争舞台にした小説書けと命じられたラノベ作家 蒼龍隼人 パストゥーン人義勇兵に同行しての潜入取材はタリバンに呆気なく見付かり義勇兵達は皆殺し
売り物となる外国人として村に連行された2人は多額の身代金払う為、妻子や彼等を送り込んだ出版社 果てはパキスタンの日本大使館に泣き付くも詐欺師呼ばわりされ相手にもされない 村の巫女を名乗るブルカで全身覆われた"日本語ネイティブに話せる謎の少女"に庇われ タリバン狩りにやって来た諸派連合軍の無差別殺戮の最中に辛うじて彼女の運転するジープで僅かな記録媒体だけを手に生還した彼等はタカコから旅費借りる形で日本へ帰国 1ヶ月後2人の共著でライバル出版社な新文芸社に持ち込まれた小説形式の体験談[決死のアフガニスタン潜入 血と岩の大地]は20万部のヒット 八桁もの臨時収入得て逆転勝利に祝杯上げる幸太郎と隼人を奈落の底へ突き落としたのは村ぐるみで彼等を騙したタカコからの脅迫メールだった
という訳でオチはバブル時代にパストゥーン人のイケメンに騙され国際結婚 母子共にスラムに棄てられた彼女達の生き様が描かれる ちなみにブルカの少女はタカコの娘 いつか金持ちでイケメンの日本人捕まえ母子で凱旋果たしてみせると頑張る彼女達の御眼鏡に叶う野郎は中々見付からない
■秋の花火(セカンド改題)/オール讀物 2003年9月号
★絵で食ってく積りだった私にもかつて師匠と呼べる人が居た 世間様の評判に比べるとぶっちゃけ本人は人間のクズだったから反面教師だったよ 多分私があの世界で挫折したのは何処までも中途半端だったからだろう
クラッシック界の重鎮でかつてはとある高名な公共楽団の常任指揮者だった清水孝允先生と語り部とその仲間達の繋がりは、彼女が音大生で清水先生が助教授だった頃から数えると既に30年以上に及ぶ 事実上の秘書で酒・女・金銭感覚も駄目過ぎる先生の尻蹴飛ばす奥田智恵子をリーダーとするイ・リリスティ・トウキョウ楽団のメンバーは皆先生のプライベートでの振る舞いに呆れ怒りながらも楽団の指揮と音楽に関しては真摯な彼に魅せられていのかも知れない 時には女性楽団員にも秋波送り肘鉄喰らったり心にダメージ喰らい辞めるメンバーも1人や2人どころじゃ無かったが
物語は都心に愛人住まわせる別宅持ってた先生が ぶっちゃけ似た者同士だった最後の愛人が子宮癌で早世 ポッカリ空いた穴を酒で逃避し脳梗塞で斃れ 急速に老け込みつつ数十年振りに妻子居る自宅の離れに居を構えやがて寂しい最後を迎える様を 楽団員メンバーとプラトニックな恋愛関係持ちながら双方それぞれ違う相手と結婚 娘と息子が婚姻した事で危うく1線踏み越えそうになりつつも踏み留まる語り部視点で描かれる 合間合間に挟む先生のやらかしが屑そのものなんだけど 何故か嫌われない輩って確かに居るよね 傾向違うけど最後まで滅茶苦茶だった勝新太郎さんの其れ思い出したよ なお、色々不倫問題繰り返しつつ無礼千万な芸能レポーターや相手の女性を悪様に罵った事は一度も無かった火野正平さんってやっぱり凄い男だったんだなと改めて思う
という訳で勤労感謝の日だけど色々ストレス溜まってるので作品投稿致しました 書いてる間は醜悪なポップアップ広告や韓国マンガのゴリ押し見ないで済むものなぁ