衝動殺人 息子よ 79年
2023年5/30〜6/1 タブレット端末にて執筆し脱稿 即日投稿
小松左京先生の作品始め今後も色々割り込み投稿する積りですが今回は木下恵介監督作品を タイトルで色々勘違いされますが犯罪被害者遺族の救済に動いたとある夫婦の物語 なお欧米で同様の対応始まったのも同じ頃なので出羽守な馬鹿野郎の妄言はガン無視宜しく
【 1907年に施行された刑法における理想論=犯罪者は必ず更生出来るという御花畑な考えと軍国主義の時代に多発した冤罪の可能性に関する躊躇 第二次世界大戦後に施行されたある種の政治犯罪や未成年犯罪者の人権優遇制度に否を叩き付け 謂れなき差別と働き手奪われ経済的貧窮に苦しむ犯罪被害者のため そして未成年者通り魔殺人により無念の最後を遂げた息子に報いるために 全財産と残されたその生涯を費やし無関心や嘲笑と戦い続けたとある街工場の夫婦の物語 なお登場人物の名前はみんな変更してますがかなり史実に沿ったノンフィクション 皮肉にもこの映画売れた事で日弁連の反対押切り被害者救済法案可決してます 】
★今も日弁連相手に裁判続いてますが 劇場公開当時は犯罪被害者とその遺族側視点で犯人を糾弾する権利すら無かったんだよ よって原作小説も全て匿名になりました
日本 劇場公開作品
原作:佐藤秀郎 著 衝動殺人
中央公論新社 雑誌 中央公論にて連載後
1978年書籍化 1979年文庫化 現在は何方も廃版
❖ある意味R40作品 モデルとなったのは市瀬朝一さん 1977年死去
救済法施行されたのは1981年1月1日より 多分地上波テレビは放映出来ません
令和5年5月30日 市立図書館でそれまで見向きもしなかった戦後間もない日本文学小説に手を出す様になってから借りて来る映画もどんどんマニアックに 流石に服部昇大先生のマンガ"邦画プレゼン女子高生 邦キチ!映子さん 2017年以降連載中"みたいに癖の強過ぎるゲテモノまでは当面相手にする積りは有りませんけど たまには敢えて地上波テレビやBSでも到底編集無しでは放映出来ない強烈な物語も色々上げてみようかと考えています で最初に取り上げるのは多分タイトル見て間違いなく借りるの躊躇するこんな作品を 実は小松左京先生の"エスパイ"借りる予定だったけどGEOのラインナップからいつの間にか外されており視聴不可 消えそうな作品は敢えて見れなかったと後悔するより取り敢えず借りて見て後悔した方が遥かにマシだと思えるのでね
親の早世で食うため大学諦め法学部で色々学んだ訳でも無いから もし勘違いや間違い目に付いたら感想なりコメント欄にツッコミ入れて欲しいけど 小見出しにも書いた通り性善説を前提とした現行刑法が施行されたのは明治40年 GHQの圧力に屈する形で昭和22年に改訂された国家反逆罪や外患誘致罪の撤廃に感化院の廃止等々 1907年当時は画期的だった法制は令和5年現在も改訂続いてるけど様々な外圧に屈した形で出来た歪みや時代の変化に必ずしも追い付いているとは言えなくなっており 第二次世界大戦後、特に問題となったのが其れまで地方の大地主や網元が出資者となり集落単位で面倒見て来た戦死者や犯罪被害者の支援体制の崩壊 特に敗戦後の日本で最優先課題だったのが戦死者&戦病死者と戦傷により就業に支障きたす元兵士やその家族の支援だったので 敢えて切り捨てた訳じゃ無いけど戦後混乱期に多発した様々な凶悪事件の被害者救済をなおざりにしていた経緯が有るんだとか
其れ以外にも大陸や半島からの避難民支援 かつてのトルコ難民と違いどさくさ紛れに入り込んでる在日問題 口減らし目的で中南米やフィリピンにグアムその他に送り込んだ人々の貧窮や国籍条項等々 問題化するまで放置された事案があまりにも多過ぎて其れが共産党や中核派みたいな反社組織等に付け込まれる遠因になってたりするけど リストアップするだけでもかなりの項目になるからその辺りの問題は追々 私がこんなタイトルの作品有るよと知ったのは確か小学校低学年頃の夏休み 偶々テレビ多分"3時のあなた"か"アフタヌーンショー"辺りでやってたメイキング映像だったかと 同じ監督の"楢山節考"とか"二十四の瞳"なんかは親や祖父母と一緒にテレビ放映で見た覚え有るけど 此れテレビ放映有ったけ? 若山富三郎さんや高峰秀子さん筆頭に昭和の代表的な俳優女優勢揃いだしTBSもスポンサーとして製作参加してる様だけど全く記憶に残ってません まぁ小学生に理解出来るレベルの物語じゃ無かったからなあ
【 問題提起こそあれど映画はあくまでも娯楽作品であり見世物です 目玉は1970年代末期の映画スター総ざらいな出演と俳優&女優達の熱演 そしてこの映画が今ではテレビ放映不可能な遠因であり敢えて編集も誤魔化しも無しで映像に残したからこそ犯罪被害者支援救済に人々を動かすことになった1974年8月30日お昼に起きた三菱重工爆破事件の生々しい被害者達の姿 後年日本赤軍や中核派に逃げ込んだ実行犯達が仕掛けたペール缶爆弾により犠牲となったのは8名ですが其れ以外に360余名を越える重軽傷者により都心は地獄絵図に 犯人は内僅か2人が捕まり死刑判決確定したものの歴代の法務大臣はサイン拒否 病死した大道寺将司除き残る1人増永利明は未だ健在 海外逃亡した実行犯佐々木則夫や大道寺あや子に至っては未だ逮捕されないまま令和5年今に至ります。 】
★字幕にも書いてますが法律の不備により彼等とその遺族に支援は届きませんでした ぶっちゃけ殺され損ですね 企業爆破事件は以後も続き1977年まで計7ヶ所 国内逃亡中の犯人も未だ居ます 令和6年1月26日追記:実行犯の1人 桐島聡が神奈川県内で他人名義の保険証使い末期癌の入院治療受けてる事実判明 逮捕云々以前に身元の確認中らしいがほぼ間違い無いとか マイナカード導入で入れ替りも不可能となった訳だ(笑)
昭和41年5月 オープニングで流れるのは高校卒業後、ただひたすら真面目に働き幸せを掴もうとした青年 川瀬武志26歳が金の掛からない唯一の趣味としていたハーモニカの調べ《峠の我が家》 婚約者 田辺杏子との結婚式は今年の秋 そろそろ眼にガタが来てる父親 周三が現場を退き 修行し京浜地帯の小さな鉄工所の跡取りを継ぐ筈だった優しい青年を、ただ殺し易そうだからと手に掛けたのは犯行当時19歳だった石本昇 心折れ一時は葬儀にすら出れない程弱り寝込んでいた主人公を更に追い詰めたのはあまりにも薄情な当時の司法と世論の流れだった 被疑者を取り巻く不幸な家庭環境とは対照的な明るい未来が待っていたであろう被害者に対するやっかみ 犯行煽り立てたヤクザに躊躇した検察側も弁護士も道具として使い棄てられた被疑者に同情的で 数ヶ月後、裁判所が下した判決はあまりにも軽い懲役5年から10年の不定期刑 つまり被告は少年院で外面だけでも真面目にやってたらもっと早く釈放される温情判決
この物語自体リアルタイムで当時の雰囲気を実際に見聞きしたお客様向けだったから敢えて説明省いているが 音楽ならビートルズやグループ・サウンズ 映画なら網走番外地シリーズやクレージーキャッツのコメディ作品 洋画なら007シリーズの第1作目 確かに高度成長期の真っ只中だったけど公害やら今で言うブラック企業や勝ち組負け組云々でマウント取るアホウが蝿か疫病の如く湧き始めたそんな頃 憧れの英雄は反権力なヤクザや犯罪者達だったし テレビドラマなんかでも人を殺すには理由が有る、殺される方にもきっと悪い面が有るに違い無いと 以降本作がエピローグ迎える昭和52年辺りまでそんな創作物が持て囃された時代でも有ったのですよ 何ら落ち度の無い息子の元婚約者まで疫病神呼ばわりされ司法も警察も全くアテにならないと激昂した周三と妻 雪枝は鉄工所を当初は親族の坂井三郎に任せマスコミや専門家を訪ねたりする日々送る様になり やがて私財を全て投げ打ちそれを元手に日本全国を行脚し自身と同じ様に理不尽に家族を或いは恋人を奪われ貧窮してたり理不尽な差別に苦しめられる人々の家を訪ね国による被害者支援や団体設立に動き回るが 元々溶接加工等で眼を患っていた周三は遂に失明 夫婦で老境迎え身体のあちこちをボロボロにしながら続けたその運動は10年以上
高度経済成長期の様々な日本の発展風景をカメラで捕らえながら同時に描かれるのは 当時の日本映画界の男優&女優を総動員して再現された痛ましい事件の再現映像となおざりにされた遺族達の悲惨な窮状 流石に此れ再現するのは不可能だったから昭和49年の8月30日お昼に発生した三菱重工爆破事件はテレビカメラで取らえられた本物 敢えて丸焦げになった被害者の遺体や、瀕死状態だったり血塗れで転がる300名以上の老若男女の無惨な姿を映し出す 雪の日も炎天下も被害者遺族を訪ね彼等の悔しさや悲しさと怒り 世の中の理不尽さに心も身体も磨り潰してゆく主人公達 連続企業爆破事件を契機にワイドショーに生出演 次いで国会へ被害者救済法案成立に関しての意見陳述に呼ばれる主人公夫妻 疲れ果てた主人公は帰りのタクシーの中で遂に心筋梗塞を起こし病院に搬送され寝たきり生活に その後新聞や雑誌中央公論に連載された夫婦の困難な旅路を綴ったノンフィクション小説を枕元で読み上げる坂井三郎 やがて容態を急変させ断末魔を迎えようとしている周三が悲しみ心配していたのは昭和52年1月当時に世間を騒がせ犠牲者も出ていた毒入りコーラ事件
「 せめて後2年時間が有れば被害者救済法が国会を通るのを見届けられたのに 俺はまだ息子に合わす顔が無い 」
悔やみ続ける周三は遂に事切れる 坂井同様、彼等の戦いをずっと見守って来た新聞記者 松崎徹郎は冷静に川瀬周三の死を綴る記事を電話使い送り付ける やりきれない思いを吐露する坂井は武志を手に掛けた犯人が何処の誰で既に出所してるのか松崎に問い詰めるが新聞記者の対応は何処までも未成年者の更生前提で守秘義務優先 《峠の我が家》が流れる中、亡くなった周三を霊安室へ搬送する看護婦達と妻 雪枝の姿 昭和54年被害者救済法案は国会に提出されたものの日弁連や野党の執拗な反対とサボタージュで危うく廃案寸前に
皮肉にも本作が劇場公開され人々の間で問題視された事で漸く審議は再開され昭和55年5月公布 法案が施行されたのは翌年の1月1日 …………但し遡及案は否決され保証額も給付資格もかなり限定的で穴だらけなモノとなる 被害者救済の動きが再び活発化したのは1990年代後半 妻を殺害された元日弁連副会長が発起人兼会長となり石原慎太郎さんや瀬戸内寂聴さんに経済界の重鎮が動き 全国犯罪被害者の会=旧あすの会が創設されたのは平成12年 当初は犯罪被害者救済対応に動いていたあすの会はやがて歴代の政権与党に様々な提言行い 時効の廃止や海外でのテロや犯罪に巻き込まれた場合は無効とされた被害者遺族の経済支援 犠牲者だけでなく重軽傷を負った被害者の治療支援等、様々な改訂を行った 令和4年には発展解消し組織再構成する形で新あすの会へ 以降も刑事裁判における犯罪被害者遺族の意見陳述の権利 此れまで聖域扱いだった少年審判の被害者遺族傍聴権を手に入れている なお日弁連は未だ立憲共産党などと提携し犯罪者の人権どうこう騒いでるけどかつての様な可哀想な犯罪者なんて概念は世の中から総スカン 未成年の人権がどうこう言いながらも一部の有志により此れまで秘匿されていた犯罪者の氏名や顔写真のみならず学校までバラされる様になっているのは皆様ご存知の通りです。
まぁ此れはこれで誤報混じったり加害者家族が死に追い込まれる等、色々弊害も発生してるのだがね 皮肉にも犯罪件数の激減にも繋がりつつ有るのですよ 海外逃亡してるガーシー某なんかも此れで潰せる時代になりました
❖本来なら登場する犯罪被害者遺族達が其々体験した物語を綴る予定でしたが兎にも角にも数が多過ぎて 結果的にストーリーかなり端折る形となりました御免なさい。 NETの感想欄閲覧しててショックだったのが当時左翼思想に染まり果てた"荒れる若者達(笑)"はこの作品をリアルオネェキャラだった木下恵介監督諸共、女々しい考えだと全面否定していた史実 勿論彼等が間違っていたのは言うまでも有りません。
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