継ぐのは誰か? 70年
2023年5/6〜5/7タブレット端末にて執筆し脱稿 即日投稿
何方かと言うと未来予測がメインな犯罪ミステリー風SF小説ですので出版当時はともかく答え合わせほぼ済んでる今は古臭さすら感じるかも そんな気分となった小説でした
【 進化の頂点或いは袋小路か行き詰まり状態な人類の後継者は割と隣近所に居るのかも知れない 外見に大凡違いは無いがホモ・サピエンスより染色体が2つ多く高齢化が進むと釈迦の様に頭部に肉髻……要するに二弾重ねな形状が現れる 身体の中に高圧電力の発電&蓄電部位を持ちスマホやNET回線なんか無くても同族同士で長距離情報システムリンクが可能でかつては翼有る蛇として人間に知性と文明を与えた新人類ククルスク 彼等と我々は共存可能なのかそれとも? 結構大風呂敷を広げた割にはアレなオチに賛否分かれるかも知れない物語 でも上位種がちょっとした手違いで呆気なく滅ぶなんて別段人間に限った話じゃ無いのかも 】
★2010年に雑誌野性時代でまんまこのネタをリメイクした誰かさんの"ジェノサイド 11年"なんて作品が有りますが水掛け論になるし心底面倒臭いから私は突っ込みません なお本編読んでて私が連想したのは何故か"デンセンマン"でした
日本 SF文学作品
小松左京 著
早川書房 雑誌 SFマガジン 1968年6月号〜12月号連載
1970年 同社 世界SF全集第29巻にて出版 "果てしなき流れの果に"と共に
1972年 早川書房にて出版 1974年同社文庫化
1974年 角川文庫化⇒1998年ハルキ文庫化
2022年徳間文庫化
令和5年5月6日 本日は大英帝国にてチャールズ・フィリップ・アーサー・ジョージ=略称チャールズ三世の国王戴冠式 前任のエリザベス女王が逝去された時と違いお祝いモードだから スコッチを筆頭に記念ボトルの販売も有るのかなと色々期待しつつ…… ちなみに生中継も精々朝日系列だけみたいだね ぶっちゃけお爺ちゃんが戴冠するわけだから華やかさにはイマイチ欠けるし と言う訳で英国王室の存続云々とは全く無関係だけど今回はこんな物語を 前半はかなり不穏当で陰惨な雰囲気漂うから何じゃこりゃとなったけど後半戦はキャラクター使い棄てにしたくない原作者の詰めの甘さが出た結果、思いっ切り竜頭蛇尾 正直かなり時代遅れとなりつつ有るのでヘヴィでサスペンスな要素期待してた私はこんなオチで良いのかと思わずね…………以下自己検閲(苦笑)
21世紀半ばのアメリカ合衆国は、こんな自由を求める知識人が世界中から留学生として集う理想郷で有って欲しい 人類は普通に超音速旅客機で世界を自由に行き来しもうすぐテラフォーミングが進んだ火星への植民進出が始まる…… 原作者の楽観主義的な願いとは裏腹に2023年現在、彼の国は我欲に塗れた阿呆の巣窟になりつつ有りますが 人類そのものは90億を突破したものの先進国の課題となってる極端な少子化と晩婚化 H.Gウェルズ先生も予測してたインターネット回線 スマホ或いは動画遣り取り出来る個人所有の携帯端末に其れまで紙媒体だった各種資料の電子情報化 欧米で当たり前の様に行われているアフリカ難民の養子政策に犯罪組織による合成麻薬の蔓延 そしてもうすぐクローンによる臓器製造に果ては人間すらも完全製造が可能になるかもなんて未来予測してる辺りがやっぱりSFしてるかなと
地球の全ての生命体を階層社会で考えると 人類はその知性と科学力とやらで頂点を極めたのかも知れないが残虐性や排他主義を棄てられず到底完璧だとは思えない だから欧米や中近東等で誕生し蔓延る1神教は人の上位個体で有る御使いだの全能神を創り出したのだけど 神仏の代わりに選ばれた一握りのエリートが何もかも導く共産主義とやらも最適解には程遠い 分かりやすく例えるとCDの上位互換として誕生した筈のMDが呆気なく絶滅したり DVDよりも大容量組み込め画質向上した筈のBlu-rayがレンタル店ではプレイヤー無いからと見向きもされず中古品セールの目玉になってるアレ そもそも個体数や市場占めるパーセンテージが滅茶苦茶低かったりすると想定外のトラブルに対処出来ず滅亡するんだよ。
【 ちなみに神社はともかく本州へ旅行でもしない限りお寺にはなかなか立ち寄る機会も無いし 説話が正直押し付けがましいからお坊さん呼ぶのは法事の時ぐらいな私はこの物語読むまでお釈迦様等を模した仏像のあの独特な頭部のでこぼこはてっきりヘアスタイルで額のアレもホクロだと勘違いしてました(苦笑) そもそもキリスト教もイスラム教も共産主義同様に先ず胡散臭さが先に来るし 仏教のイメージが大概悪いのも創価学会のイメージが先行するんだから勘弁して下さいな 】
★勿論大多数に漏れず家はクリスマスも正月も旧正月も普通に楽しむ神道信仰だと書いときます ポリコレ利権に塗れた阿呆が嫌がらせやった挙げ句、キリスト教徒以外はメリー・クリスマスすら言えない狭量な社会なんざ滅んでしまえ
『 人間は、完全じゃ無い…… 』 時代は21世紀半ば辺り ヴァージニア大学都市のサバティカルクラスに所属する留学生にしてこの物語の語り部 山崎達也とその友人達が午後の芝生広場で、ダウンタウンの喫茶店で誰かの部屋に集まり飲み食いしながら繰り広げられる理論の遣り取り ドイツ系で神学的な理論を繰り広げるアドルフ・リヒター、楽天的なロシア系ディミトロフ・ポドキンに皮肉屋な色々混ざってるホアン・クリストバル・ディアス 舞台役者の様な振る舞いするヴィクトール・ドラリュに生物の持つ電気信号研究してる自信家なチャールズ・モーティマー 突っ込み役でプライベートでは色々となフゥ・リャンに何時もニコニコと遣り取り聞いてるムードメーカーなアフリカ系のサム・リンカーンにボリビアからの天才留学生クーヤ・ヘンウイック そして調停師見たいな立ち位置の主人公に未婚で子供産んだ事も無いけどシングル・マザーなミナ・コローディ 彼女の養子はアフリカの奥地での現地調査で出会い保護 半ば猿に先祖返りした古い種族唯一の生き残りにして癲癇持ちで知恵遅れ気味なジャコボ
其々価値観も生き方も徹底的に相容れないが故に仲良くやってる登場人物の背景と舞台設定が長々と続く 第3次世界大戦の危機も東西冷戦も昔話となり火星のテラフォーミングも順調に進んでは居るものの何処となく感じている停滞感と空虚 彼等に告げられた謎の存在からのチャールズ・モーティマー殺害予告 実は不可解な殺害予告とその実行は既にフランスやロシアそして日本でも始まっておりターゲットとなったのは大学院生から助教授まで研究課題も年齢性別も様々だが何れも人類の後継者とはどんな存在なのかを探っていた人々だった。 通報受け駆け付けた刑事達や友人を守ろうと奮闘する主人公達の活躍も虚しくチャールズは脳死状態に 群れの仲間傷付けられ憤るジャコボがその超感覚で捜査員と共に追い詰めたのはクーヤ・ヘンウイック 体内に蓄積された高圧電流とナノマシン搭載した医療ロボット使いチャールズを廃人にしたクーヤは自らを高電圧で焼き尽くす寸前に事切れる 被疑者の司法解剖で明らかとなるクーヤの身体の異常性 其れは人類とは一線を画す上位個体の可能性 そもそも彼は何者なのか 何故友人を殺害し身バレ恐れ自身を跡形もなく焼き尽くそうとしたのか 謎を追い捜査官と主人公達はクーヤの埋葬を口実に彼の故郷な南米ボリビアへ
先住民が秘匿し崇拝する密林の賢者ククルスク クーヤは普通の人々との交わりを半ば拒否しジャングルで自給自足の暮らしを続け繁殖能力の低さと様々な疫病に対する免疫が皆無な故に種族絶滅の危機にあるククルスクの過激派組織に所属するメンバーである事実が明らかとなる 発症したら死ぬのは時間の問題な正体不明の熱病の蔓延で苦しむ数百人のククルスク老若男女を助け出すため施されたDNA治療ワクチン接種 皮肉にも其れは人類には無害でもククルスクに取っては子孫を遺す事が不可能となる副作用を齎す科学成分が含まれていた 超人とも言えるククルスクはホモ・サピエンスとはある程度距離を置くべきだ 責任感じた政府機関の図らいで不妊となった事を知らされず火星の植民第1陣として地球を離れるククルスク達 様々な体験と偶発的な悲劇を目の当たりにした主人公達はアメリカ合衆国へ帰郷 彼等の留学期間もそろそろ終わるちょっとした行き違いから無為に命失ったチャールズとクーヤに思いを馳せる主人公達 フゥ・リャンがひた隠ししている秘密を見抜いていたのは語り部である山崎だけ 彼女はクーヤの子供を身籠っていた ハーフとは言え滅びゆくククルスクの唯一の希望と成り得る新しい命 主人公は誓う 故郷の大学に戻り次第不妊となったククルスクの身体を元に戻す研究を始めようと 継ぐのは誰か? 人類の希望は決して失われた訳では無かった。