ヒンデンブルク 75年
2023年12/29〜12/30 タブレット端末にて執筆し脱稿 新規割込み投稿
ある意味大空港1937年版になるので此処に置いときます
【 1937年5月6日 アメリカ合衆国ニュージャージー州タウンシップのレイクハースト海軍飛行場 空路下のイギリス市民団体による抗議の声を黙殺する形でナチス・ドイツ政権下のベルリンから大西洋を横断して来た全長245m✕幅41mの巨大飛行船ヒンデンブルク号は高度150mで突如爆発事故を起こし墜落 この事故を最後に飛行船を使った旅客サービスはより効率的な飛行機に置き換えられる 巻き込まれた人々のドラマがメインのグランドホテル形式な物語 】
★エアポートシリーズ外伝 かなり良い作品だけど飛行船マニア以外にしてみればテーマは地味目(苦笑) もしあの事故が反ナチのテロだったらで描いてますが21世紀に入り再調査ではっきりと水素燃料使用によるテルミット反応事故だと明らかになってます
原題:THE HINDENBURG
LZ-129型飛行船ヒンデンブルク号
アメリカ 劇場公開作品
1976年 日本 劇場公開
原作:マイケル・M・ムーニー The Hindenburg 1972年
翻訳されたかどうかは未確認
❖多分今の時代ならテレビムービー扱い
令和5年12月29日 そういや今年もついうっかり時事ネタにするの忘れてましたが今年のクリスマスも其れなりに来客多くしかも子供連れが多かったので寿司やピザにオードブルは彼等優先 私自身は買い置きしてたカップラーメンや袋麺が主食だったよと書いときます 勿論ケーキなんざ口にする機会も失ったまんまだし何か悔しかったので本日缶詰め特売セールで地元大手ショッピングモールに立ち寄った際に500円ちょいの小さな冷凍チーズケーキ2種&チョコレートケーキ2種を纏めたパック購入 年末アルバイトのレジ係のお嬢さんの生暖かい笑顔はニッコリスルーさせて貰いました おっさんだってファンシーなデコレーションのチーズケーキが食べたくなる 去年はそもそもラーメンすら食ってる時間取れなかったから鬱憤晴らしさせて下さいな それにしてもスーパーのお惣菜感覚でケーキ買えるなんて良い時代になったもんだと思いつつ
なお正月用のオードブル注文ついでに某本業ドラッグストアな安売り店で袋麺も纏め購入 此方は毎年ネタにしてますがインスタントラーメンは私の正月用ストック だいたい甥に姪すら腹減った何か無いのと大晦日辺りから押し掛けるので非常食の備蓄ないとコンビニおにぎりで食いつながないといけないし…… 最近また味覚変わったのか肉よりもコロッケが滅茶苦茶美味く感じるようになった もう貧乏舌は克服不可能なのかも知れません(苦笑) ご馳走なんて食べた日にはトイレの住人と化すしなぁ という訳で何とか時間取れたから作品紹介を そういやこの映画、月曜ロードショーで本当に最後の部分しか見た事無いや
私は長谷川の1/72サイズや駄菓子屋で売ってた多分1/144サイズのプラモデルから飛行機マニアになった口で小遣アップや就職しある程度懐に余裕有るようになってから軍艦やら戦車を扱った雑誌で色々深みに嵌った口だけど何故か不思議と飛行船だけには嵌まらなかったなあ 後年民間用の小型旅客機扱った雑誌にも手を出したのに何故か食い付かなかったのは一度足りとも本当に飛んでる飛行船を肉眼で見た経験が皆無ってのも有るかと 学生時代に市立図書館から借りたLIFEの激動の20世紀を扱った写真集におけるヒンデンブルク号の墜落写真が元凶なのかも知れません 飛行船=爆発炎上だったんだよな という訳で何度もテレビ放映されたにも関わらず本作はずっとスルー状態だったんだけど折角だから食わず嫌い克服兼ねて借りて来ました 他にも中々手を出す気になれなかった映画借りたから年末年始のBSチャンネル映画祭りついでに見る予定 テレビ占拠される○国ドラマ放映時間や来客中はゆっくりテレビすら見る時間ないのでね
【 最高速度135kmで僅か2日間で大西洋を越えアメリカ合衆国へ 其れは此れ迄同路線下の花形だったどんな豪華客船(最速5日から7日勿論悪天候時は遅延)をも上回る速さ 単にスピードだけならダグラスのDC-2や改良型なDC-3旅客機も負けてはいないが流石にノンストップで優雅に移動出来る脚は飛行船ヒンデンブルク号だけだった ブラジルのリオデジャネイロ直行便に続いて1937年3月に始まったアメリカ合衆国ニュージャージー州への直行便 此処から国内線の旅客機に乗り換え同州の大都市ニューアーク経由ニューヨーク行きは高額の料金に見合う速さを約束していたという 1933年から快進撃続けるツェッペリン社の飛行船はこの時点まで累計利用客1万人を突破 飛行機と違い此れ迄死傷者発生する墜落事故は皆無 】
★アメリカ海軍航空隊は第1次世界大戦の戦時賠償としてロサンゼルス号を始めツェッペリン飛行船を4隻運用 でも地上に固定するのは危険伴うし悪天候時に強風に煽られる等して内3隻が破損或いは墜落 殉職者出たこと理由に1933年をもって運用終了 文字通り空母としてもテストしたけど図体デカいから的にされる危険も有ったし衝突事故多発したので没に
冒頭から始まるのは1937年当時に実際に映画館上映されていたユニバーサル社のニュース映画 乗客最大72名を乗員61名が豪華客船の様にもてなすサービスが売りのヒンデンブルク号は週1回✕年18回運行予定 僅か数名が乗員も兼ねる熱気球から飛行船代わってゆく過程を徹底的に分かりやすく描いたニュース映画が終わり映し出されるのは大空を行くあまりにも巨大な飛行船ヒンデンブルク号 ちなみにサイズはボーイング社のB-747ジャンボジェットの約3倍 映画館の巨大なスクリーンを圧倒するには充分過ぎる優雅な姿 でも画竜点睛を欠くのはその尾翼に禍々しく描かれているハーケンクロイツ ポケモンジェット見慣れてると痛感するけど旅客機には遊び要素が必須だと思う
1937年4月17日アメリカ合衆国ウィスコンシン州ミルウォーキー市 "ヒンデンブルク号が時限爆弾によるテロで市街地に墜落する夢を見た" 郊外の新興住宅地でドイツ大使館宛の書簡でそう警告するのは未来予知の能力持つと思い込む自称予言者のローチ夫人 3月から始まった飛行船運行以降、家の上を飛ぶな撃墜するぞと数百通にも渡る脅迫状に閉口していた大使館員達だったがあまりにも具体的な……ぶっちゃけ気味悪い内容だったのでゲシュタポや宣伝省等が調査に動く 政治的な駆引きの末にドイツ空軍から捜査官として派遣される事になったのは第1次世界大戦の頃からのベテランでスペイン内戦でスパイ狩りの情報将校として活躍していたフランツ・リッター大佐 とは言え強制的にヒトラーユーゲントに入れられた息子が宝塚音楽学校レベルな虐めの末に事故死 数多くの友人をナチの政治闘争や外貨稼ぎの内戦で失った大佐には気の進まない任務だった
通算11回目の大西洋横断飛行は空軍憲兵と姿見せないけどゲシュタポによる厳格な爆発物検査が行われる 再軍備とラインラント進駐以降、ユダヤ人に対する露骨な差別や旧帝国貴族を対象に始まる強引な土地摂取 夫の死後、自領ペーネミュンデをいきなり空軍施設建設で奪われた事に腹を立て留学中な娘がホームステイしてるニューアーク身を寄せようとしているウルスラ・フォン・リュージェン伯爵夫人 周りを嗅ぎ回る憲兵やゲシュタポに露骨な嫌悪感顕にする若き甲板員カール・ベルトと彼にとある目的で近づくふしだら女フリーダ・ハラ 空港でも何か暗号めいた電文遣り取りしてる広告代理店オーナーのアメリカ人エドワード・ダグラス 元イギリス情報部のネピア退役少佐 反ナチ&ヒトラーで有名な軽業師ジョー・スパー ユダヤ人の血入った音楽家リード・チャニングと妻ベス 空軍に同行命じられ嫌々主人公に同行してるエルンスト・レーマン前船長 2人の息子や妻ミルドレッドと共にアメリカに里帰りするアルバート・ブレスロー その他ネタキャラと彼等の織りなすドラマ列記してもきりがないからばっさり端折るけど主人公の監視役として張り付いていたのは自称報道カメラマンでゲシュタポの潜入捜査官マルティン・フォーゲル
かなり予算注ぎ込んだ実物大のセットすら何も違和感感じさせない出発式典の末に定刻より数分遅れでヒンデンブルク号はイギリス上空経由でアイスランドの氷海を見下ろしながらの2日間の空の旅へ 誰も彼もが反ナチで監視役のマルティン含め主人公にも敵対的、容疑者をリストアップすればきりがない 色々見込み違いやら空回りの末にリッター大佐がマークしたのは飛行船内を自由に行き来する立場にある甲板員カール・ベルト だが共和国側とは言えスペイン内戦で敵兵力が皆無なゲルニカ村を標的にした無差別爆撃を目の当たりにしていたリッター大佐はナチス・ドイツ政権に抗議するため敢えてアメリカ合衆国に着陸したヒンデンブルク号を時限爆弾で爆破しようとしているレジスタンス側に同情的だった 主人公の不手際によりゲシュタポにマークされたフリーダの拉致と処刑を知らされた主人公はカールを説得 何とか穏便に誰も犠牲者にならない形での爆破テロを企むが誰も彼もに嗜虐性顕にするゲシュタポの愚か者により致命的な手違いが発生してしまう 嵐接近で着陸時間遅延となり時限爆弾の起動を止めようとしていたカールを拉致し拷問していた馬鹿ぶちのめし 瀕死のカールから聞いた爆弾の隠し場所を探り当て起爆を阻止しようと動く主人公だったがそこへ突然の雷が……………………
画面はカラーからモノクロ映像に 当時駆け付けたニュース映画班により実際に撮影されたヒンデンブルク号爆発炎上シーン 高度150mで破裂炎上する船体から炎に巻かれ死のダイブ敢行する犠牲者達 幸いにも着陸地点は万が一に備え大量の砂が積み上げられていたため低高度から飛び降りる事に成功した多くの乗員乗客は奇跡の生還を果たしたものの主人公やカールを始め多くの人々が犠牲となる 犠牲者乗客13名に乗員22名に逃げ遅れた地上作業員1名 当時のアメリカ合衆国事故調査委員会は事故とテロの双方の可能性列記するも真相究明には至らず ナチス・ドイツ当局は国内にレジスタンス勢力が居る事実すら認めようとはしなかった 物語随分端折ったけど合衆国側の捜査官達が主人公をナチの送り込んだ大物スパイだと思い込み自称予言者のローチ夫人やらニューヨーク市警の刑事課を巻き込んだコメディパートがあったりと2時間オーバーなドラマに爆弾何時爆発するかなんて緊張感を最後まで上手く演出してるので気が付けば深夜 テーマが地味な割にちゃんとエンターテイメント貫いてます
❖事故時ヒンデンブルク号に乗っていたのは定員に満たない乗客36名に乗員61名 幾ら速かろうが高額の乗船料金払える余裕が有るのは貴族階級や成金ばかりだった なお登場人物の名前は勿論全員変えてるしその出自も史実と異なる 後年描かれたタイタニックもそうだったけど偶然生き残っただけで絡んだり罪人扱いする輩は滅茶苦茶多い
❖知ってる人名組み合わせただけでしょうが出国手続き行うターミナルシーンで日本人の志村けん様と呼び出すシーンが(笑) オリジナル音源の吹替無しのパートだから日本受け狙ったのかな?
❖日本語吹替はジョージ・C・スコットさん演じる主人公のフランツ・リッター大佐を内田稔さん(王立宇宙軍オネアミスの翼で明らかに宮崎駿がモデルのカイデン・ル・マシーレ宇宙軍将軍役) 特別ゲストのヨーゼフ・ゲッベルス宣伝大臣の吹替を大木民夫さん(機動戦士ガンダムMS IGLOO 1年戦争秘録でジオン軍な主人公の上司=アルベルト・シャハト技術本部長役) 2人がヒンデンブルク号の爆弾テロ予告で遣り取りするシーンはまんまMS IGLOOのアレだったりします 出来りゃ吹替版収録されてるDVDでお楽しみを 笑っちゃいけないけど滅茶苦茶笑えますよ