柔らかな頬 99年
2023年10/8〜10/9タブレット端末にて執筆し脱稿 一応纏めて見たけどなんか消化不良気味 取り敢えず此処に並べときます
【 其れは両親と生まれ故郷を捨て出奔した挙げ句、姦通の罪までも犯した愚かな女への天罰なのか? 文豪 芥川龍之介の"羅生門"と"藪の中"の平成リメイク版な物語で描かれるのはとある史実の未解決事件をベースにアレンジした謎の少女失踪事件 勿論こっちの物語で取り上げられた失踪事件も結局未解決のまま終わる思いっ切り鬱展開の誰得仕様 皮肉な事にフィクションだった筈のこの事件をまんま彷彿とさせる未解決事件が山梨のオートキャンプ場で起きてしまいました なお時効なるものは犯罪被害者支援組織の働き掛けにより刑法改正され消えましたけど……解決出来るかな? 】
★元ネタは被害者家族の人間関係含め何もかも全く原型留めてませんが平成1年=1989年3月7日に徳島で起きた松岡仲矢君失踪事件 残念ながら此方も未だ未解決なまま我が子探し続けた母が物故しています
日本 ミステリー文学小説
桐野夏生 著
1999年講談社 刊 2003年文藝春秋社より文春文庫化 上下巻
BS-i⇒後のTBS-BSにてハイビジョンドラマ化し2001年1/2〜1/3前後編で放映
後日DVD化されてますが内容に関しては…………
❖第121回直木三十五賞 受賞作品
令和5年10月9日 お隣の小学校&幼稚園主催の運動会は無事終了 同じく4年振りに開催された那覇大綱挽も推定27万人の地元民と観光客が押し寄せる大盛況 予定より1ヶ月長引いた不動産屋相手の土地売却手続きに関しても何とか今月中に終われそう ちなみに入金されてもその八割方は固定資産税で持って行かれ 色々アレな親族の年金支払いに此れから跳ね上がる予定の毎月の通院医療費と薬代で消える予定 元々大した評価額じゃ無かったしぶっちゃけ維持費負担が重過ぎた そもそもあの土地に関してはナニかに取り憑かれた別の不動産屋がどうしても売ってくれとナタ片手に殴り込み掛けてきたり 4WDで正門破壊し突っ込んで来て何方も警察沙汰になる等、因縁有りまくりだったから 正直後は野となれ山となれな気分ですが其れは黙っておこうかと 一応坊さん呼んで御経唱えて貰ったから多分大丈夫だと思うよ もう手は離れたから責任は取れませんが(苦笑)
今回紹介する本作は同じ様に少女誘拐或いは失踪の未解決事件の意外な真相が明らかとなるテレビシリーズ"トゥルー・ディテクティブⅢ"を取り上げ纏めてる最中、図書館で偶々目に留まりジャケ借り 直木賞受賞の際もかなり揉めた問題作で敢えてネタバレさせて貰うと未解決事件モチーフにしてるから主人公の娘が本当にどうなったのか…… 恐らく最後に描かれる被害者の心理描写から殺されてる可能性は極めて高いけど肝心要の描写はあくまでも登場人物が悪夢として見てしまったモノに過ぎないし 本編では誰が真犯人なのか分からず遺体も見付からないまま終わってしまうのでモヤモヤとした気分抱えたまんまな悪趣味仕様 実の所、物語のメインはそっちじゃないと割り切って楽しむ必要がある毒薬みたいな作品です 案の定2001年のBSドラマに至ってはヒロイン役が明らかにそっち向きじゃない女優さんを起用しストーリーの割振りも必ずしも上手くは行って無かったみたいでなぁ
ぶっちゃけメインは盛りまくりなヒロインと浮気相手の倫理感皆無な陰鬱で淫美なアレな心理描写だし 小見出しにも書いた通り主人公/その旦那と浮気相手/事件を担当したものの未解決となり諦め切れない元刑事/その他諸々と最後に行方眩ます被害者の少女が抱える親に抱いた失望と絶望感 映画化するには内容が尺に合わないしやっぱり8話程度の連続ドラマで纏めるべきだっかと 本作出版後され随分後の2019年9月21日に発生し、2022年4月23日から5月14日に掛け次々と見付かった遺骨や遺留品から漸く身元判明した小倉美咲ちゃんの事件に付いては未だ捜査継続中 被害者の両親にあらぬ疑い向ける形でSNSサイトで誹謗中傷垂れ流してた屑のミスリードにより何もかも滅茶苦茶になってますので捜査本部が何処まで何を掴んでいるのかは此れが事故か事件なのかを含め情報封鎖が行われてます 誘拐犯罪や立て籠もり事件なんかもそうだけどこの手の事件に限って専門家気取りなゴミクズがわらわらと湧いてくるし思い込みで捜査の邪魔するからね 此れに捏造報道や煽り仕出かす望月衣塑子みたいな人間の屑が出て来ると事件の解決は益々困難なモノになりますので
【 1994年8月11日早朝に発生し遺留品も遺体も何1つ見付からないまま事実上捜査打切りとなった森脇有香ちゃん5歳失踪事件 標高500m、国定自然公園が隣接する北海道千歳市支笏湖町泉郷に別荘を購入したグラフィックデザイナーの石川夫妻に招待される形で家族ぐるみで滞在していた森脇家に不幸が降り掛かったのは よりにもよってこの物語の主人公=森脇カスミが石川洋平とこっそり隠れて閨を共にしてる最中 既に夫と2人の娘有香と梨沙にも姦通の事実がバレており 洋平の妻典子にもそれがバレいる現状で起きた失踪事件は双方の家庭の人間関係を滅茶苦茶にしたのみならず 捏造報道に勤しむマスコミや事情通を気取る匿名投稿者によりSNSでデマや誹謗中傷が流布されることにより 破産した別荘地を管理するオーナー和泉正義が猟銃自殺する等後味の悪い後日談を残す 】
★メインとなるストーリーは事件発生から4年後の1998年、当時捜査を担当してた元刑事内海純一と独り娘の行方追い続けてる森脇カスミの道行き形式な再調査 登場人物達がそれぞれ抱える葛藤や罪悪感に塗れた過去を描きながら2人が終焉の地へ辿り着くまでのエピソード
貧乏から抜け出したい こんな嫌な土地には居たくない 年中冷たい風が吹き付ける灰色の海辺に建つ村唯一の飲食店喜来荘の独り娘=浜口カスミは周囲から浮いた子供 5歳で見知らぬ建設作業員に攫われ2日後に五体満足で生還 腫れ物扱いする両親やクラスメイトに教師 平然と性的イタズラ云々な誹謗中傷を撒き散らす村の大人達に嫌悪感を抱き続けた彼女が生まれ故郷の北海道留萌郡の海辺の小さな集落からバスの最終便で家出したのは高校卒業したばかりの18歳の頃 デザイン学校を何とか卒業 故郷になんか二度と戻るものかと東京に職を求め何とか製版工場に潜り込めたものの 才能にもコネにも欠ける単なる地方出身者なデザイナーの卵が憧れの花形舞台に上がれる筈も無く 生活苦から親子程歳の離れた工場オーナー森脇道弘と結婚
2人の娘有香と梨沙を授かるがパソコンの普及にデザインソフトの普及により製版業の需要は右肩下がり 善人では有るが職人気質で工場経営に不慣れな夫に代わり経理として奮闘するも経営難から付き合い長い職人を解雇するストレスで精神的にボロボロになった二十代半ばの彼女を 取引先の大手広告代理店のグラフィックデザイナー石川洋平が誘惑したのは学生結婚で娶った妻典子や子供達の誕生と成長に安心感を感じていたがこのままただ平穏に歳を重ね朽ち果てる人生に焦りすら感じていたから 良い人だとは思っているが此れ迄まとまな恋愛すら体験皆無なカスミは初めて自分を求める男性として現れた洋平との関係に溺れる 良妻賢母な典子と父親似なその娘瑠璃子 母親似の優しい顔立ちな息子龍平に抱く罪悪感とコンプレックス
1994年8月 長女有香の失踪事件と双方の家族にバレたカスミと洋平の姦淫関係 押し掛けるマスコミの捏造報道や事情通を騙る有象無象な輩に脅迫めいた電話攻勢やSNSでバラ撒かれた誹謗中傷 罪悪感から半ば心を病んだカスミはただひたすら娘の行方を探し続け事件を忘れ立ち直ろうとしている夫や下の娘と疎遠に 離婚を契機にただひたすら転落人生歩む洋平をホストからヒモとしてスカウトしたのは親子程歳の離れた風俗嬢の真菜 他にもカスミの家出手伝った友人だった女の成れの果てとか 事情有って家出したり何処にも居場所が無い女性達を匿ってきた神父さんとか 自殺した和泉さんの代わりにその強烈な奥さんの面倒見てる元自衛官の水島が抱える鬱屈とか書いても書いても終わらない小ネタと滅茶苦茶ややこしい人間関係やら色々挟みつつ
末期の癌で余命僅かな生まれも育ちもそして勤務先もずっと北海道な元刑事内海純一がほんの気まぐれからTVの未解決事件を扱ったバラエティ番組に出演したカスミと連絡取り合い二人三脚で道内に暮らす当時の事件関係者を訪ね歩きインタビューを続ける中で描かれる様々な犯人説 2人の悪夢として登場するその犯行動機と殺害或いは誘拐行為はあまりにも真に迫っていたが確証は無い 千歳市支笏湖泉郷から始まる当時の騒ぎを知り捜索に加わったり容疑者として疑われた人々からの感想集めはやがてカスミの生まれ故郷留萌郡へ 喜来荘は火事で焼失し跡地はコンビニに 3年前カスミの父親は物故し母は店の常連だった小浜と再婚し新しい人生を歩んでいた 遂に癌が全身に転移、身動き取れなくなった内海はカスミと共にスナックの2階に居候し最後の時を待つ 昏睡状態の悪夢の最中、内海が其れを見たのは偶然だったのだろうか 捜査官よりも先に現場に到着し山狩りや湖の捜索を取り仕切っていた派出所の脇田巡査 北海道の奥深い土地に転勤となり千葉で暮らす妻子から離婚を持掛けられていた彼はこの事件に関わったことで首都圏に栄転したという その動機も殺害相手に有香を選んだ理由も納得の行くモノだったが昏睡状態の内海はどうしても事件の真相をカスミに語れないまま命を落とす
「 そんな筈は無い 」最後にそう口走り事切れた内海の遺体をその妻に引き取って貰うため連絡取ったカスミの心を占めるのは空っぽになってしまった自分の心 洋平の様に札幌へ向かい放浪生活を続けよう いつかは心を満たすモノが現れるのかも知れない そしてエピローグは行方不明となった当日の森脇有香が抱いた心の動きと絶望感
この人が私を殺すのだ笑顔を浮かべ近寄るその男の顔は……………………
2人が見る悪夢の形式で様々な容疑者達が少女を手に掛けたり拉致したりとミスリード 色々心折れたタイミングで主人公達も真相追求断念するので評価別れます