ナニカアル 10年
2023年8/20〜8/21タブレット端末にて執筆し新規割込み投稿
桐野夏生先生の物語は 映画化されたりドラマ化された作品も多岐にわたるから此処別館に放り込んどきます なおNHKドラマ朝の連続テレビ小説では吉永さゆりさんが 舞台劇では森光子さんが林芙美子さん役演じてますが其れとは全く掛け離れた人物像で描かれてますので下手なイメージ持たないで読んだ方が幸せです
【 貧乏な半生をネタに這い上がった下賤な輩 海外旅行の体験談を此れ見よがしに語る鼻持ちならない女 果ては女の武器使い軍部に媚びて最前線へ趣き現場ルポ 文壇の誇りやプライドを新聞社に売り飛ばした裏切り者と散々敵対者から罵られてますが 一転戦後は出版ラッシュ続け男性優位な業界だった小説家の地位を実力で奪い取り僅か47歳でその波瀾万丈にも程が有る人生終えた小説家林芙美子って何を考えどうあの戦争の時代を駆け抜けたのか 勿論不倫云々に出産はあくまでもフィクションですが読み終えたら多分物語の中でとある大切な人物に全否定された放浪記を始めとする執筆作を読みたくなるかも 】
★言うに及ばずだけどやり逃げ上等なヒロインも大概ですが 民間人相手に居丈高に怒鳴り散らし圧力掛ける後方勤務の文官将校とか 彼女より遥かに女々しく無責任な浮気相手や 出版社に圧力掛けて彼女の仕事干そうと奔走する文壇の大御所達の屑さ加減が無様です あくまでもフィクションで流して下さいな
日本 時代小説(多分)
桐野夏生 著
新潮社 刊 2012年同文庫化
雑誌 週刊新潮2008年12月11日号〜2009年11月12日号掲載
単行本化に辺り加筆修正
令和5年8月21日 延々と暑さ続くと思われた夏も新盆過ぎて折り返し地点 台風一過となった週末は私が暮らす地元集落でも4年ぶりの盆踊りと大綱曳 人熱れ程度で過呼吸起こしたし閉所恐怖症の発作が怖いから今回も共済費払ってイベント参加に付いては遠くから覗く形でスルーさせて貰いましたが 小ぢんまりとした地元子供会主催のイベントのみならず観光客をも巻き込んだ様々なイベントが全域で開催 久しぶりに夏らしい雰囲気を堪能させて頂きました。 とは言えだ……平成後半辺りから矢鱈と増えたのが花火の音や盆踊りの音楽を騒音扱いしクレーム入れてくる老害と呼ばれる底無しのお馬鹿ちゃんや 隣近所と要らぬトラブル起こしたり喧嘩売るのは趣味なのかと真顔でアルゼンチンバックブリーカーかましたくなる自称日本市民とかいう意識高い系の移住者達
自分ルールを他人に強要しマウント取る欧米人や特亜生物みたいな屑は割と昔からいるものの 本来ならばそんなキチガイは地元コミュニティから村八分となる筈が最近は言ったモン勝ちだったりゴネ得する輩が居るから世の中が窮屈になるばかり そういや今年の5月辺りに動画投稿サイト賑わせてた土佐市の町興しNGOを私物化してる老害vs移住者が運営し7年目で漸く軌道に乗ってきた街カフェ南風のトラブルってどうなったっけ? 気になって色々情報漁ってみたけど意固地となった老害の抵抗といきなり俺の息子に店譲れだの此処から出て行けと強要されたオーナー夫婦の対立状況は令和5年8月21日現在も未だ続いており 無責任な正義の味方のクレームや嫌がらせに殺人予告等で音を上げた土佐市はお手上げ状態 移住者虐めのイメージ定着する等、風評被害でケチ付けた道の駅そのものが観光客が激減し休業状態で まぁ此処まで揉めてしまったら土佐市そのものが没落の道歩むしか無いのかも
という訳で今回紹介するのは満州事変辺りから始まった軍部の台頭と大手新聞社による世論の扇動 勿論そればかりじゃ無いのだけれど済し崩しに始まった日華事変から太平洋戦争までの15年戦争の時代に蔓延った権威主義や同調圧力に嫌悪感抱き内心辟易しているものの 元々気弱な夫を庇い新聞記者やってる歳下の愛人に振り回され 紛うことなき事実だけど鬼畜米英なんてトンチキにも程があるスローガン喚き立てたり負けがこんだギャンブルに現抜かすアホウをいなしたり 挙国一致なんざ口先ばかりで裏切り者な売国奴探し疑心暗鬼の果てに魔女狩り始めてる成り上がり者達に目を付けられない様、必死にサバイバル続ける小説家 林芙美子の彷徨=あてどのなく彷徨い歩く様を描いたこんな物語を 実は図書館で探してたのは同じく史実ベースに小説化し映画化までされてるらしい"東京島"だったのだけれど其れはまた別の機会に 今回初体験の桐野夏生先生の作品は他にも興味引いたの有るし楽しく気楽に色々手を付けてみようかと
【 ちなみに明治/大正/昭和初期の貧困と関東大震災等の激動にも程がある幼少期を描いた放浪記のダイジェストと故 森光子さんの舞台劇のイメージが定着してた私が驚いたのは、林芙美子さんが僅か47年で波瀾に満ちたその生涯を終えた事実 てっきり老境迎えてもジャニオタ貫きドリフのコントやハナ肇とクレージーキャッツな面々ともドラマやアドリブ満載なコメディやってた元気な婆ちゃんのイメージ有ったのでもっと長生きしてるものかと思ってました 己の春が来たと思い上がった軍に所属する挫折した元エリート様や公平主義というよりまんま共産主義思想そのものな愛國野郎による官民に対する締付けと掣肘は日本に限った話でも無いので其れは別作品で追々 】
★同じ頃、アメリカ西海岸で起きてたのが日本人狩りとズートスーツ暴動と呼ばれる贅沢禁止を口実にルーズベルト大統領公認で軍部がやらかしたヒスパニックと先住民や黒人系アメリカ人に対する弾圧と暴力行為 合衆国の恥の歴史だから英語版しかウィキに存在しませんが興味あるお客様は是非閲覧を
平成元年 林芙美子の元夫で妻の早世後もその母キクが大往生を遂げた後も家を守り続けた画家リョクビンこと手塚緑敏が死去 23歳歳下の後妻として故人を支え続けた芙美子の姪 林房枝63歳と恐らくは全集出版に関わっているらしい黒川久志との書簡の遣り取りで明らかとなる緑敏が人知れず保管していた私記であり未発表原稿と思われる告白文の発見 老境を迎え屋敷は手放し新宿区による林芙美子記念館として管理されることになってる状況下、此れを公表するか悩んだ末に黒川に託した彼女の書簡から始まるプロローグ
昭和18年 叔母がとある婦人から託されたと産院から連れ帰り夫妻の養子とした晋は芙美子の突然死から5年後、12歳で列車内の事故で早世 実は彼は芙美子が身体傷め生んだ実の息子だったことが明らかとなる どうも種無しだったらしい緑敏が父親の可能性は限りなく低い 晋の血縁上の父親は誰だったのか 義理の息子の死後、真相を知った故人は悩んだ末に自作絵画に私記を封印 そして物語は林芙美子がボルネオから生還した昭和18年5月 毎日新聞記者 米田源助との遣り取りで明らかとなる殴って来たら必ず殴り返す苛烈な性格=毎日新聞社(13年当時はサンデー毎日)出入り禁止の原因となった昭和13年の漢口従軍ルポの裏話とペン部隊の長で小説家の久米正雄との確執の切っ掛けの真相説明挟みつつ 彼女が徴用命令受け兵務局へ出頭したその前年へと遡る
昭和17年8月 南方ではガダルカナル島を巡る帝国陸海軍とアメリカ軍海兵隊及び海軍による壮絶な消耗戦が始まった頃 陸軍報道部 谷萩那華雄大佐から届いた居丈高な出頭命令 陸軍省応接室に集められたのは窪川稲子、美川きよ、小山いと子、宇野千代に 水木洋子、川上喜久子、阿部艶子等錚々たる面々 立案者の平櫛孝少佐の話では大東亜戦争開戦1周年を祝しての元欧米植民地を取材しての現地状況や軍政の浸透具合の報道協力 勿論各大手出版社や報道機関の職員も同行する其れなりに危険も有る半年以上の徴用 事実上の命令だが家庭の事情や健康面に不安要素のある者は省かれる……但し今後の仕事に支障来たす可能性は皆無とは言えない 夫が既に徴用され戦地取材中の宇野は状況説明し辞退
実はお腹に愛人で毎日新聞記者の斎藤健太郎の不義の子宿してる芙美子も勿論辞退出来る立場ではあったが 以前偶々カンパした金が共産党に流れた容疑で中野警察署の拷問紛いな取調べと留置場生活を経験 その後も代表作の"放浪記"を始め自作品が次々と発禁処分喰らっている彼女が今更徴用を断れる筈もなくまたフィリピンには健太郎が赴任していたから懐妊とその後の迷惑掛けない云々を伝えるチャンスも有るかも知れない 既に軍徴用の輸送船は潜水艦により次々と沈む戦況化 占領地で一攫千金を夢見る売春婦や事務員として徴用された女学生達に慰問団に楽団 そして有象無象の民間人と共に乗せられたのは病院船に偽装した貨物船 昼間は甲板に出ることすら許されず殆ど着のみ着のままな船底生活に貧しい食事 新聞記者や出版社の男性職員達は物々交換で仕入れた酒やタバコで憂さを晴らしてるが芙美子達が外に出られるのは看護婦に変装しトイレへ行く程度 文字通り板子一枚下は地獄な状況下出逢った船員 酒井事務長との恐怖紛らわすための泡沫な肉体関係
同行する女性作家達が抱える様々な闇 恋多き女流作家ということになっている美川きよの性奴な立場や夫が共産党シンパで常に官憲の監視下にある窪川稲子が抱える閉塞感 昭南島と名を変えられたシンガポールで親切なガイドから耳打ちされ震え上がる無数の華僑を殺し埋めた土饅頭の列 豪奢なホテルも陸軍に徴用され威張り散らす将校達の社交場に ジャワのプランテーションで日本本土とは比べモノにならない豪奢な生活送る移住者は 開戦直後にオランダ軍に捕まり強制収容所で激悪な環境下、多くの親族や幼い子供達を嬲り殺しにされた暗い過去を抱えたまま そんな状況下で当番兵として差し向けられた彼女とほぼ同世代な現地徴用された兵士な野村清三郎との奇妙な友情 だが其れは芙美子を囮の山羊とした軍情報部による反抗分子の狩り出し計略の一環だと判明する 態度豹変させ芙美子の思想信条のみならず彼女が呻吟しながら世に生み出した多くの物語すらも全否定する健太郎との別離 だが母キクと相談し子供は墮胎せずに独りで産み養子として連れ帰る事を決断した芙美子は夫や屋敷を出入りする書生達や親族にもその秘密を貫き通す
戦後も紙を始め物資不足に悩まされながら始まった家族の再出発 決して売れっ子とは言えない画家な夫と養子ということになってる晋の食い扶持稼ぐため遮二無二に働く彼女が迎えた自宅での体調不良による突然死 とは言え其れ以前から階段の登り下りすら億劫にしていた彼女にしてみれば覚悟はしていた可能性が高い 多分この手記はその前後に夫に託されたのだろう エピローグは林芙美子記念館設立に新宿区役所の担当者等と共に奔走する林房枝と黒川久志がその後も平成3年まで交わし続ける書簡で語られる晋の本当の父親健太郎の孤独で惨めな晩年と芙美子と同じ時代を生き共に屋敷で過ごしてきた人々のエピソード 夫で優しい叔父でもあった緑敏の遺言通り芙美子の未発表原稿を彼の絵共々焼却処分する決意固めた房枝 1つぐらいは秘密は秘密のままで良いのかも知れない そんな心境綴った書簡で物語は締め括られる
❖2023年8/23追記 本作投稿した数日後…… 朝日新聞は石原莞爾の忠告受け端から大東亜戦争反対だったなんてアホウ極まる社説掲載したらしい 幾ら本社のアーカイブ改変しようが国会図書館に保存されてる当時の新聞記事(ちなみに琉球新報や沖縄タイムスの其れも保存してるとか)調べりゃ丸分かりな嘘をよくもまあいけしゃあしゃあと(呆) 開戦前から97式司令部偵察機や96式陸攻改造した社用機使って軍部に偵察情報流してたくせに嘘付くんじゃ無い
❖2023年9/24追記 結局南風は土佐市道の駅から9/12付で閉店退去となり某ニュースサイトでは店側をバッシングする阿呆が湧いて何か好き勝手書いてますがまぁどうでも良いか(笑) なお、今回のトラブルで元凶のNGOに関しては 国からの補助金1億円を私的に流用=要するに税金チューチューしてた事実が明らかとなり国土交通省の査察と内偵調査始まってますので 老害の子弟とやらが勝手に店の名前使ったりメニューや経営ノウハウの流用も不可能となりそうです 事態傍観してた土佐市のアレは自業自得かと NETで思いっ切りマイナスイメージ付いたら挽回するのは並大抵の事じゃ無いんだけどね
ちなみに早世した林芙美子の本当の義理の息子の名は秦 この物語の何処までが真実で何が虚構なのかは想像にお任せします 本編読んでるとメジロラモーヌ風(ウマ娘プリティーダービー)な妖艶で苛烈なまでにエネルギッシュな美女想像するでしょうが うっかりウイキペディアなんか閲覧しない様、切に願います……此れくまモンじゃねーか騙されたと怒っちゃやーよ