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けものたちは故郷をめざす 57年

2023年3/17〜3/18タブレット端末にて執筆し脱稿

久しぶりな新規連載だけどあの頃はガラケー入力だったから何か勝手が違う 本宅優先しつつ色々手探りでやってみます 良いね1つありがとうございますm(_ _)m

【 大陸浪人と揶揄された野心家や生まれ故郷じゃ何時まで経っても食い詰め者な小作人の次男以下の人々の新天地となる筈だった満州国は 1945年8月日本敗戦により呆気なく滅亡した 背に帆を掲げるかの様に民間人見捨ててさっさと逃げ出した官吏とその家族、関東軍上層部を救うため露助や八路軍相手の(サンドバッグ)弾除け(慰み者)として置き去りにされた主人公達の明日はどっちだ………… 飢えと寒さと惨めさにのた打ち回る描写読んでて気分真っ暗になりますが 遠くに行きたいではなく何処かに逃げたいと思った事が有るなら嵌るかも ほぼ実体験で鬱エンド 】


★アニメ化したら面白そうだけど誰も見ないなきっと 八甲田山とか聖職の碑を悪趣味なギャグと捻くれた解釈出来る私みたいな天邪鬼向け


日本 幻想小説? それとも 半自伝的文学作品?

安部(あべ)公房(こうぼう)

1957年大日本雄弁会講談社 雑誌 群像に掲載 計4回

1957年大日本雄弁会講談社 刊 1970年新潮文庫化

以降年代不明だけど岩波文庫に収録され今に至る

ちなみに私は学研の現代日本文学 47巻で閲覧しました

奥付確認したら昭和45年=1970年だってさ 此れ


 令和5年3月17日 "夢であいましょう" が1000話越えたけど多分2000話行っても終わりそうに無い(苦笑) とは言え此処で色んな物語を堪能させて貰ってるお客様の立場なら流石に話数が辞典単位だとちょっと読むの躊躇するよな と言う訳で別館か下手すると離れの掘立小屋レベルかも知れませんがこんな所を作っときます 本編同様、取り上げる創作物を探し易くする為に割り込み入れ話数並べ変えて行く予定ですのでお客様の外付けハードディスク感覚で楽しんで頂ければ幸いです。 教科書にも取り上げられる様な文豪さんとか下手におちょくると夜中殆ど狂信者(ハルキスト)と化したファンとか端から上から目線で生きてる意識高い系に夜襲喰らい火炙りにされそうな物はなるべく避けたかったんですけどね………… 


本当に今更アニメ "文豪ストレイドッグス" に嵌り(……おい(汗)) 文章纏めながらほぼ強行軍で第1シリーズから劇場公開版まで見終えた所です 楽しかったし感情揺さぶられたけど滅茶苦茶眠い もののついでに今月3日に多分石原慎太郎(あの爺様はエロマンガが大嫌いだからと元官憲起用し規制してたし)同様、偶々出逢ったら殴り合いになりそうなぐらいには嫌いだった大江健三郎が四捨五入すると大凡100年近い生涯終えたとNETニュースや地元の地方紙で知ったので 好奇心に駆られた事も有りこんな題材をお気楽極楽に楽しむのもアリかとタブー視せず取り上げてみようかと 勿論ある程度纏め終えるまではあっち(夢で以下略)をメインにしますので不定期なのは御勘弁を


なお最初に取り上げる積りだった大江健三郎作品ブッチして安部公房先生の作品が面白かったからと此れ書いたのは まあノリと勢いだけで生きてる私ですので見て見ぬ振りしてくれれば有り難いかな 何とか読破したいんだけど拒絶反応が〜(苦笑) 多分次も別の作家さんか映画かも


激動の20世紀からやっぱり色々滅茶苦茶な21世紀へ 平成半ば辺りであの時代を生き抜き、私達はあの時あの場所でこんなに大変な目に合ったんだよと思い出語れる生き証人が次々と彼岸の向こう側へ 但し本当に苦しかったり恐ろしかったり未だ仲間や友人に家族見捨てたことを悔やむ人達があの時の思い出なんか素直に語れる筈もない 実例上げると東日本大震災や阪神淡路大震災を目の前で体験した方なら理解出来ると思いますが どうしてもワンクッション置かないと書けなかったり話せない事って其れなりに人生送ってりゃ山ほど有ると思うんだよ 途中力尽き屍晒したであろう無数の久木(ひさぎ)久三(きゅうぞう)と違い開業医の息子で自身も東大医学部の生徒だったこの物語の原作者は少しだけ恵まれていたから満州から帰って来れただけ でも結局物書き以外の何者にもなれなかった葛藤を描いたモノが本作になるらしい とは言え大川隆法(インチキ霊能者)じゃあるまいし死者の魂呼び出して本当は何考えてたかなんて聞くだけ野暮ですがね



【 増えた家畜(賤民)は他所へ売り払うか捨ててしまえ 日本を始め多くの国々で世界大恐慌を契機に始まったのが 口減らし兼ねた海外移民推進 20世紀早々にアメリカ合衆国への移民を拒絶された日本が手を出したのが大陸利権も兼ねた特亜への植民だった。 戦前も敗戦後も踏み躙られる者の痛みを見て見ぬ振りをする中央官僚が詐欺師も顔顰める様な美辞麗句を並べ立て植民を奨励したのが1932年に関東軍の謀略により切り取りに成功した滿洲国 だが艱難辛苦を乗り越え漸く大地の実りを享受する筈だった開拓民を奈落の底へ叩き落したのが後先考えない対欧米戦争であり露助と日本の裏切り 関東軍上層部と満州政府は一般兵と開拓民をソ連復興のための戦争奴隷として差し出す事で我が身とその家族を守り抜き 最後まで一切の責任も罪に問われる事もなく穏やかな人生を全うする 】


★ちなみに満蒙開拓団の生還者が形ばかりの御詫びで投げ与えられたのが今の成田空港となった地域 そういや関係者皆んな死に絶えたのに最後まで土地収用に抵抗続けてた三里塚の妨害櫓が撤去されたのは令和5年の2月15日でしたね 其れが出来ないヨーロッパが始めたのがユダヤ人排疎運動 その果てがナチスによるホロコーストです


 1948年の冬 敗戦までパルプ工場とその従業員や家族850名あまりが暮らしていた小さな元日本人街 流れ弾で負傷し死にかけた母を看取る間に独り取り残され早3年 19歳となった久木(ひさぎ)久三(きゅうぞう)は、未だ見ぬ祖国・日本を目指してロシア軍将校宿舎から脱走 敗戦後進駐してきたアレクサンドロフ中尉や熊中尉に戦慄中尉(勿論あだ名) ダーニャ女性軍医の庇護下を離れ国民党軍の敗北撤退により列車が通ることになった大都市瀋陽(しんよう)の日本人街へ何とか入り込めば大陸生まれである孤児の自分も日本へ行けるチャンスが掴めるかも? 此処での生活はロシア語で話すことを強要され将校宿舎として接取された元寮で寝泊まりしなければならないのを我慢すれば何とか生きていけるのだが 将校達と引き離されたら八路軍支配下の孤児院に送られ中国人として生きていかなければならない 雪崩打ち撤退始めた国民党軍=国府軍を追いソ連軍将校達にも移動命令が出てるし熊中尉の次の職場はウクライナのキエフ もしかしたら主人公も含め5人でやってた宴会も此れが最後かも? 生まれて初めて飲まされたウオッカの強烈な後味 粗末なテーブルに山と積まれた様々な腸詰めや人の頭程の大きさのチーズを楽しむ登場人物達 酩酊しうっかりダーニャと共にベッドに眠りこけていた久三が漸く宿舎から抜け出せたのは深夜3時半


主人公が日本へ向かう機会を伺っていたのはアレクサンドロフ達もとうの昔に気付いていた 戒厳令下パトロール兵に捕まればその場で銃殺刑な警戒網をくぐり抜け夜明け前に巴哈林(バハリン)へ向かう列車に潜り込もうとした彼は警備兵に捕まり危うく連行されそうになるが 先回りしていた中尉の口添えがあり解放 通行許可証と身分証明書そして当座に必要な軍票を餞別に渡され旅立つ久三(きゅうぞう)に日本語で話し掛けて来たのは 汪木枕または高石塔(こうせきとう)と名乗る伊達眼鏡に左眼が義眼の自称新聞記者 いくつもの偽名の入った身分証明書や拳銃にヘロインを鞄に隠し持ち歩くそんな不審者と相席なのは嫌過ぎるが 後は列車に乗ったまま巴哈林経由し瀋陽(しんよう)へ向かうだけの旅路 そうなる筈だったが列車は国民党軍と八路軍の戦闘に巻き込まれ砲撃喰らい脱線炎上 這う這うの体で戦場を逃れた(こう)久三(きゅうぞう)は餓えと寒さにのたうち回り凍傷で腐った指を切り落としたり 野犬や暴徒と化した中国人から逃れながら荒野をほぼ歩いて踏破 途中行き倒れミイラ化しネズミの餌となってる日本人家族の死体を目の当たりにしながらも漸く瀋陽へ辿り着くが (こう)の目的は曲がりなりにも日本人孤児の身分証明書持つ久三(きゅうぞう)と入れ代わり日本への密入国


服も身分証明書も入れ替えられ 凍傷により浅黒く肌も変色している主人公は日本人として受け入れて貰えず此処で万事休すとなる筈だったが 偶々国共内戦の混乱期にどさくさに紛れ瀋陽に砂糖や食糧品等の物資を調達に訪れていた密輸船の日本人乗組員 大兼保雄(おおかねやすお)と知り合い作業員として働きながら日本へ戻る船に乗り込むチャンスを掴む 密輸船に乗り込んでいたのは主人公の名前と身分証明書使い日本人に成り済ましていた(こう) あの地獄の様な道行きで凍傷の傷の痛みや飢えを紛らわすためヘロインを常用していた(こう)は既に錯乱状態 (こう)と同様に飢えや寒さ紛らわすためヘロイン服用していた主人公も似たりよったりな惨状 取り敢えず薬抜けるまではと共に密輸船の船艙に閉じ込められていた2人にさらなる不幸が降り掛かる 相手は哨戒中のアメリカの軍艦かそれとも何処かの国の取締船か? 砲撃により翻弄される密輸船 船艙で閉じ込められたまま此処で死ぬのか 主人公達は正気を失いケダモノの様に喚き散らし此処から外へ出してくれと暴れ回る


彼等が果たして日本に辿り着けたのかは今となっては分からない 



❖なお小説では敢えて説明してないが大陸から脱出し日本や台湾を目指した船はかなりの数に及ぶがその多くが洋上に散布されたままの機雷や哨戒活動や掃海作業に駆り出されたアメリカ/中華民国/ソビエト海軍に見付かり拿捕されたりそのまま沈められたりと多くの人々が海の藻屑と消えている 犠牲者数もその詳細もそもそも記録に残されなかった。


❖此れが安部公房先生初体験となるけど読んでてイメージしたのが以前偶々動画サイトで予告編だけ見た映画 地平線がぎらぎらっ 出演していたジェリー藤尾さんは確か私が幼稚園児か保育園児だった頃は既にバラエティ番組のお父さんな司会者だったからその落差がねぇ(苦笑) 後日ウィキでどんな生涯送り日本に生還したのか色々書いてあって閲覧しドン引き 家の父方の男性親族ってみんな亡くなった親父を除いて彼にそっくりなんだけどね



学研の現代日本の文学を借りたお目当ては大江健三郎の 芽毟り 仔撃ち だったんですが正直 安部公房先生の作品の方が興味深かったので(苦笑) オマケで収録されたのは母置き去りにした北海道の実家の写真と旅行記(なお医学部卒業するためそのまま東京向かった安部公房は二度と戻らなかったらしい) 大江健三郎関連の生まれ故郷旅行記も中々面白かったです もう半世紀以上も昔の記録だしなあ


2023年4/1追記:どうも小西弘之とか言うサイコパスが取り返しの付かない馬鹿な事やらかしたから報道の自由云々は無かった事に 臨時に組んだらしいTBS報道特集は私にとってはタイムリーな事に満州からの生還者扱った特番でしたが 日本人の子供欲しがっている…………本当に養子として育てるためだと思います? 当時大陸は国共内戦で何処も食糧不足気味 文字通り捕虜を非常食にしてた頃だし 自分の子供を食べるぐらいならって想像して寒気感じたの私だけかな?

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