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【第十一章完結】棄てられ王子の最強イカダ国家 ~お前はゴミだと追放されたので、無駄スキル【リサイクル】を使ってゴミ扱いされたモノたちで海上都市を築きます~  作者: タック
第九章 幸せの街ガンダー

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目的地を設定/エピローグ 偽りのジウスドラ

 それから騒ぎを聞きつけてやって来たダイギンジョーとステラと合流した。

 いつの間にかトレジャンは消えていたが。


「――そんなことがあったでありますか。アルヴァ宰相閣下にご報告するであります」

「黒髭、白髭、そんなことがあったんですか……。ジュエリンの奴、最後まで宝石のように格好付けやがって……」


 ステラはランドフォルの正体に驚き、ダイギンジョーは海賊関連のことに驚いていた。


「ジュエリンのために今日は良い酒を……って、この荒廃したアルケイン王国じゃ調達は難しいか? いや、でも、この幸せの街ガンダーだけは物資が豊富で不思議でさぁ……」

「キリィカウントすら観賞用モルモット扱いしていたのが、例のランドフォルだからな。ここだけ物資を流して観察していたのかもしれない」

「白髭と同様に趣味の悪いことで」


 趣味が悪そうと言うのは同意だが、それだけのことができるランドフォルという存在の底が知れない。

 そもそも、ランドフォル――レメク王一人で物流のすべてを支配できるのか?

 その辺りも意味がわからない。

 人ひとりが行うには荒唐無稽すぎるのだ。


「さてと。ちょっくら、あっしは出発前に急いで酒――じゃなくて、食料などの物資を調達してきまさぁ」

「ん? 急ぐ必要があるのか?」

「あっしは色んな国を旅してきやしたからね。トップ一人の優遇で回っていた街がどうなるかなんて……。今回キリィ一人のおかげで物資が供給されていたなら予想が付きまさぁ」

「ああ、そうか……」


 現在、アルケイン王国全体で物資の不足が起こっている。

 つまりこの幸せの街ガンダーも、あの寂れた漁村のようになるのだ。

 外部から物資が過剰供給されていただけなら、すぐにそうなってしまうのは予測できる。


「その問題はランドフォルを倒したあとだな、世界を滅ぼすとか言っていたし」

「レメク王が七日後に滅ぼすと言っていたから、えーっと、現在から一日後になるであります」

「それを止めるためにも、行くしかないな」

「そうでありますな」


 ノアクルは懐かしき場所の方角を向いた。


「アルケイン王国――王都フィロストンへ」



 ***



 誰もいない薄暗い部屋。

 窓すらなく、防音、透視などができないように結界も張ってある。

 その薄暗い部屋に三人が立っていた。


「ご報告いたします。十万体のダスト兵が王都フィロストン外周に配置されるようです」

「ランドフォルの力の一つか。これでは外部の人間が何をしようと絶対に突破はできんだろうな」


 一人目は暗闇に姿が隠れていて見えないが、その報告する声色は女性だ。


「トレジャン。お前は白髭に復讐をしたら、こちらに(・・・・)協力してくれる約束だったな」

「ああ、二言は無ぇ。オレを好きに使え」


 二人目――トレジャンが受けた銃創はすでに治療済みらしく包帯が巻かれていて、動くのには支障が無さそうだ。


「これでこちら側に〝死と再生の海神〟と、秘匿されし〝アルケイン王国の海神〟の禁忌スキルが揃った。では、計画を始めよう。長い年月偽ってきた余の仮面の裏側――ランドフォル消滅計画を」


 三人目――ジウスドラは今までに見たことのないような賢王の顔をしていた。

これにて第九章は終了です。

次回から第十章『王子兄弟と生贄姉妹』が始まります。


古き海賊達は死にゆき、その娘達はそれぞれの道を進む。

そしてジウスドラの真の目的とは!?


それとコミカライズの方も、この作品の行く先に大きく関わるので応援よろしくお願いします!

膨大な裏設定まで漫画家のフミキチさんに全部渡してあるので、原作の足りなかったところがうまく補間されていたりと既読の方も楽しく読めると思います。

現在、序盤でムルと出会うところ辺りなのでまだまだ追いつけますぜ!



面白い!

続きが気になる……。

作者がんばれー。

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<(_ _)>ぺこり

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漫画:フミキチ先生
原作:タック


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『魔法殺しの刀使い ~魔法優位の国で不遇な剣士さん、MPではなく【TP】という謎のゲージが生えてきて存在価値なしとされた件~』
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