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先日、元カノとキスしてしまいました。

作者: 芦田 里玖
掲載日:2021/11/17

先日、元カノとキスしてしまいました。


半年付き合っていた元カノに振られて1カ月です。この前よって電話をかけてしまったらしく(記憶にない)そこから連絡するようになったのですが、一度勉強を教えてほしいとお願いされ、マクロ経済学なんてやったこともないのにできると嘘をつき、何とか教えられるまで勉強し、無事教えることができました。その帰り道、私自身には未練があったため元カノを無理やり抱きしめてしまいました。元カノは固くなっていて、嫌?と聞いたら大きくうなずかれたので空しくなって離し、自分は都合よく呼ばれただけなのかと責めてしまいました。

元カノはもうすでに彼氏がおり、自分の都合のいいように人の弱みに付け込んで利用しているところに怒りがこみ上げていましたが、元カノと久々に会った結果、まだ元カノのことが好きな自分がいることにも気づきました。


そして、もう一度今後の関係について話し合いたいと元カノに言われたので、私も会って話した方が言いたいこともいえると思い、承諾しました。


あってからレストランでご飯を食べている間も楽しい話や最近の面白かった話を怒りなど忘れて楽しんでいましたが、そろそろ本題に入ろうと思い、二人きりになれる公園に行き、話し合うことにしました。

そこで元カノから聞いたのは、一緒にいて楽しいから普通の関係になりたい。撫でたりだとか抱きしめるだとかはいらない。という要望でした。ですが私自身は以前気づいたように未練がありましたので、意見は違いました。


一緒にいる時間はとても楽しくて、話を聞くのも好きだし、聞いてもらうのも心地いい。だから、そんなあなたを失ってしまうのはすごく寂しい。

だけど、やっぱりもう会いたくない。

なぜなら、楽しくしゃべっているときも、時折あなたのぬくもりを欲してしまっている自分がいる。

撫でたり、手をつないだり、抱きしめてしまいたいと思っている自分がいる。

そんな自分を抑圧し続けていくのはとても苦しいし、そう思ってしまっている自分も嫌だ。

だからもう会いたくない。


そういいました。

しばらく二人の間に沈黙が流れましたが、元カノは

わかった、じゃあもう会うのはやめよう。連絡もしない

と言いました。私はとても寂しいけれど仕方がないと思い、しばらく何も言えずに、受け入れようとしていました。

元カノが帰ろう、といい、立ち上がろうとしたとき、いつの間にかその手を握っていました。そして、最後に抱きしめていい?と聞いてしまっていました。

言ってしまってすぐ、ああやってしまった。と思いましたが、彼女の反応は罪悪感からか肯定的で、自分のハグを受け入れてくれるような姿勢をとっていました。

私は一切厭わずに元彼女を抱きしめました。それは以前の固くなっていた彼女とはうってかわって、とても柔らかく、お互いの心が通じ合っているような気さえするものでした。

10秒か、10分か、どれくらい時間が過ぎたかわかりませんが、お互い抱きしめ合っていました。元カノの耳がと私の耳が触れ合うのを感じながら、同時に懐かしい匂いに包まれて、思い出や大好きだった気持ちがこみ上げてきていました。そして付き合っていたあの頃のキスも。

そう思ってしまったのが運の尽きだったと思います。元カノのマスクをずらし、私もマスクをずらし、ほほを伝わせながらキスをしました。あの頃と同じキスでした。

ただ、幸せのみを感じていました。

二三度、くちずけを交わしました。その時、彼女の目に涙が浮かんでいるのが見えました。と同時になんてことをしてしまったのか、嫌悪感に包まれてとっさに謝りました。ごめん、嫌だったよね、ごめん

彼女はただ首を振るのみでした。

帰る。ぶっきらぼうに彼女は言い、立ち上がりました。私はまだカバンを背負っていなかったので焦って背負うのに手間取ってしまい、背負い終わって慌てて追いかけようとしました。が、その必要はありませんでした。

公園を出るとき、心なしか公園に入った時と比べて彼女との距離が近くなっているような気がしました。

元カノの家まで歩いて10分弱、しばらく無言のまま二人で歩いていました。と、彼女が急に立ち止まり、顔を左に向けて遠くの方を見ていました。何をしているのかわからず、ただ私は待っていました。数秒ほどで彼女は歩きだしましたが、それと同時に、あそこにイルミネーションある、とつぶやきました。

私は気になってしまい、彼女が立ち止まっていたところまで戻り、彼女が見ていた方向を見ました。彼女も隣に来ました。遠くの方を見ると確かにそれはありました。ですが、それはアパートのベランダに少しだけついていて、普通に歩いていたら話題にも上がらないようなものでした。その時にやっと、元カノはキスを嫌だと思っていなかったことを確信しました。


元カノと家のすぐ近くの人通りのない交差点に着きました。それまでにはもうとりとめのない話を少しずつ、していました。

じゃあね、さよなら。彼女はそう言い、私もうなずきました。

言動とは裏腹に、私たちは二人ともその場から動こうとしていませんでした。またしばらく沈黙が流れていましたが、ふと、やはり確信はしていたけれど聞いてしまいました。

嫌だった?

わからない

そう首を振りながら彼女は言いました。ずるいと思いました。ですが、それ以外に言う言葉がないのもわかっていました。

私はもう一度彼女のマスクをずらしました、彼女は嫌がるそぶりを見せませんでした。それが今の私たちにとっての確認の方法でもあったと思います。私もずらし、キスをしました。

キスをしようと思ってキスをしました。罪悪感などみじんもありませんでした。

もう遅い時間でした。彼女は今度こそ帰ることにしました。私はじゃあねという彼女にうなずきだけで返し、その場を後にしました。一度も振り返りませんでした。これで終わりにしようと思いました。

その人気のない路地から246の両側6車線の大通りまで一区画の道を歩きました。

私を呼ぶ声が聞こえた気がしました。車の騒音でかき消されていましたが、確かにその高い声は車の道路を走り鳴らす重低音の間を糸のように抜けて私の鼓膜を揺さぶりました。当然、聞きなれた声でした。

振り返るとすでに彼女はすぐそこにいました。

ねえ、これからこの関係はどうするの?

彼女が私と離れたくなく、もはや私を求めていることは鈍感な私にもすぐにわかりました。ですが、うまい答えが見つからず、また私もずるかったので、わからないと答えました。

考えといて、そう彼女は言いましたが、もはや私一人で考えられるものでもないと思い、二人で考えることにして、3度目の正直ということで、やっと帰りました。


涙の意味だけは分かりませんでした。

この話は、yahoo知恵袋に質問として投稿しようとしたところ、次数が超過してしまったため断念したものです。

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