全てを「学び」でねじ伏せる
僕は東京都に住む中学生。
何気無い学校生活を送り、普通の生徒として生きてきた。
しかし、僕にはある秘密がある。
それは、全ての科目の用語や出来事を技として放つ能力の持ち主であるということ。
小さい頃から学ぶことが大好きだった僕は、人より何倍も興味を持ち、過ごしてきた。
この世の中の腐った人間たちをこの能力で沈めることが僕の宿命だった。
そんなある日、登校中に借金をした人が返済を迫られ、暴力を受けている瞬間を見てしまった。
しぶしぶ近くに寄っていくと、暴力を受けた借金まみれの人が僕に「助けて、助けて」と、喉が壊れるくらい大きな声で訴えかけてきた。
こんな人は今まで見た中で初めてだった。
不安と共に期待に応えたいという欲が混じりあい、
助けることにした。
僕も仲間だとみなされ、バットで殴り飛ばそうとしてきた。
そこで技を運動がてら使うことにした。
「禁術、数学点P移動!」
この技は、数学で習う関数に関する問題でよく問われる移動する点Pの移動に伴い相手の懐に猛烈なパンチを叩き込むという技だ。
技をくらった敵は、腹を抱えて倒れこんだ。
暴力を逃れたその人は、僕に何度も頭を下げ消えていった。