償い(2)
日間13位?んな訳ないだろ見せてみろ。
……まじやん。
皆もブクマ、評価、感想込みでよろしくな!
中学時代は、水泳が僕の全てだった。
部活動における練習では、人一倍力を入れて取り組んでいたし。
その成果あって、それなりに結果を残すことも出来ていた。
とにかく、はまっていた。
今までに、こんなに打ち込める事はなかったんじゃないかと思うくらいだ。
だから、2年生になって後輩が出来た時だって、さほど興味を示してはいなかった。
「如月 芽依です!水泳は初心者なんですけど、精一杯がんばります!」
芽依は、確かそんな感じの自己紹介をしていたような気がする。
当時は、そこまで興味を示してはいなかったのだが。
僕が最初に芽依を意識するようになったのは、新入部員が自己紹介をした、その日の練習がきっかけであった。
その日、新入部員は練習には参加せず、先輩である僕たちの練習を見学する、という形をとっていた。
部員の中でも頭1つ抜けて技術のあった僕は、当然注目を集めることになってしまったのだが、特に気には留めず、いつも通りの練習を心掛けた。
変化があったのは、その後。休憩で、プールから上がったときのことだ。
「ふぁぁ~!」
「……」
…なんか、めっちゃキラキラした目でこっちを見てくるやつがいる。
今までにも注目されることは何度もあったが、そこまで興味津々な瞳を向けられたことはなかった。
「先輩、めっっちゃ格好よかったです!」
「……え、ありがとう」
「先輩、私に水泳を教えてください!」
「…いや、ちょっと無理かな」
「ありがとうございます!」
「は!?いや、ちょっ!」
……よくよく考えれば、はた迷惑な話である。
その後、芽依はやたらと僕に絡んでくるようになった。
最初はうざったく思っていた僕も、時を重ねるに連れ、彼女といることが苦じゃなくなってきた。
家が近かったというのもあり、部活後は一緒に帰る、ということもただあった。
しかしこれが原因で、僕たちは取り返しのつかない大きな事件を呼び起こしてしまった。
ある日、部活後の帰り道。
僕はいつも通り、芽依と一緒に下校していた。
すると芽依は、突然こんな質問をし出したのだ。
「……先輩」
「ん、何?」
「先輩にとって、私は大切な存在になれましたかね」
「……は?何言ってんの。当たり前だろ」
僕はそう答えたのだが、芽依はまだ浮かない顔をしていた。
すると芽依は、補足と言わんばかりに付け足した。
「……水泳と同じくらい、大切な存在になれましたか?」
「それは……」
この質問から、仕事と私、どっちが大事なの!なんていう別れ際のカップルみたいな台詞を連想してしまったのは、言わないでおこう。
しかし、実際どうなんだろうか。
僕にとって、芽依はどれほど大きな存在になっていたのか。
僕は、考えた。
考えて、考えて、考え抜いて……。
だから、気付く事が出来なかった。
信号が赤なのにも関わらず、突っ込んできた車の存在に。
「先輩っ、あぶないっ!!」