第8話 レベルの謎とボス
いきなりパーティを組むことになってしまった私とパーティのヤマト、アート、アオイは、レベル上げ(私は薬草を取りに行く為だけどね)をする為に森へと潜って行った。
「そういえばアクアさんってさ、どうやってそんな少ない戦闘回数でそんなにレベル上がったの?」
まぁ気になるよね。
私はとりあえず最初に鉱石を取りに行く為に生産職専用のダンジョンへ潜った時にモンスターハウスに入っちゃったけど倒したことを伝えた。
「…アクアさん、1ついいですか?」
ん?どうしたんだろ?
「…私の友達にも生産職を選んだ人がいるんですけど、あそこの鉱山というのは普通ソロでは行かないエリアらしいですよ?」
「えっ!?」
そうだったの!?っていうかまぁレベルが1の状態でダンジョンなんて普通行かないよね…。
「それにモンスターハウスなんて結構レアな確率でしか出てきませんし、仮に出てきたとしてもレベル2なんかじゃ攻略出来ませんよ?」
はい、そうですよね。なんかもうご都合主義展開みたいな状態ですよね。
「でもその時点ではレベル6だったんですよね?次はどこでそんなに?」
「あ、それがですね、この森の奥に進んでいったら迷いの森林っていうエリアに繋がっていて…」
「本当か!?つまりこの先に行ったらアクアさんと同じくらい強くなれるってことか!」
と話を聞いていたヤマトが一目散に森の奥へと走り始めた。
「ちょっとヤマト!待って!」
なんかアートさんが親で、ヤマトが子供みたいな立場だね…アクアちゃんは…妹?姉?
とそんなどうでもいい考え事をしていると、走り続けていたヤマトの足が途端に遅くなった。
「ほらー…言わんこっちゃない…」
えっ?何があったの?と聞いてみることにした。
「な、なんでヤマトさんは足が遅くなったんですか?」
っていうか頭の中ではヤマトは呼び捨てにしてるのに口に出す時はさん付けって…なんか変かな?
「あぁ…アクアさんはあまり走ってないからかしら?あれは状態異常の1つで【疲労】という効果よ。走り続けていると起こって、1分間移動速度が半減されるの。」
ほへぇ、そんな状態異常があったなんて…今まで結構走り続けてたけど、適度に休憩してたから起こらなかったのか…。
とそんな足の遅くなったヤマトに簡単に追いつき、森の奥へと進んで行った…。
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「…ほんとにあるんですかぁ?」
五分くらい歩いていた私たちだけど、一向に着く気がしない。
あれ?私は三分も掛からなかったと思うんだけど…?
「うーん…何か条件が…?」
と言ったところである事を思い出した。
「そういえば私が通っていた道は花が咲いていて、それに着いて行ったら…」
「もしかしたら、それが迷いの森林っていうエリアに通じる道じゃない?」
なるほど、そうだったのか、つまり私か奇跡的?いや不運にも?あの場所に着いたのか…。
その情報を元に花の咲いている道を探していると、その花の道を発見した。
「これに従ってついていけば着くんですよね?」
「おそらくは…」
確信はないから言い切れないけど、あるとすればこういう方法しかないと思う。
花を目印に歩いていった私達は、三分くらい歩いた所で、花がなくなった事に気が付いた。
「おいおい、花がなくなったぞ?これに従ったら着くんじゃなかったのかよ?」
「いいえ、ここがもう迷いの森林なんだと思います。後ろを向いたら…」
と皆一斉に後ろを向いた。
やはりというかなんというか、私達が歩いてきた花の道は消えていた。
《迷いの森林に侵入しました》
ビンゴ!やっぱりあの花の道を歩き続けることが条件だったのね!
「おお、本当に着いた!んでこっからどうすればいいんだ?」
「ここからはこの場所の何処かにあるモンスターの巣…まぁモンスターハウスですね、そこを探して敵を倒すことが目的です。」
「じゃあ手分けして探しますか?」
「いや、もし離れていたら駆けつけるのに時間が掛かるかもしれないので、固まって行きましょう!」
「それもそうね、じゃあ皆集まって探しましょう!」
「「「おーっ!」」」
「…」
あ、今回は流石に恥ずかしくて声が出なかったみたい。
そうして私達は、モンスターの巣を探し始めた。
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五分経ったくらいだろう。
【モンスターの巣に侵入しました。】
【モンスターが襲いかかってきます。】
「お、ありましたね!ここで狼五体に襲われ…え?」
私達の目の前にいた敵は、あの狼が五体ではなく、私達より少し大きいくらいの、弓を持った人間?である。
【BOSS】狂った殺人鬼:Lv15
いや、殺人鬼は元から狂ってると思うんだけど…ってそうじゃない!
Lv15!?私より高い…!?
「こ、ここはヤバいかもしれません、皆協力して…」
「へっ、ボスがなんだか知らないが、ぶっ殺してやらぁ!」
とヤマトが突撃して行ってしまった。
嘘でしょ、脳筋系かもなーとは薄々感じてたけど、やっぱり脳筋系だった!?
すると狂った殺人鬼はニタァという不気味な笑顔を見せ、弓を引いた。
いやいや、それくらいなら良けれるでしょ。
ほら、ヤマトだって一応理性は残ってるから避け…という時だった。
真っ直ぐでは流石に当たると横に避けたヤマトであったが、いつの間にか予測していたかのように狂った殺人鬼が狙っており、ヤマトに命中してしまい、九割近くのHPを削られてしまった。
いくらレベルが私より低いとは言ってもHPは私より上なはず…それなのに九割も削られるなんて…もしあの攻撃を私が喰らったら…と想像するとゾッとした。
慌てて回復魔法を使用したアートさんによってHPはそこそこ回復したが、私達は勝算のないまま迷いの森林のボスと対峙することとなった。
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