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第50話 メンテナンス終了

緊急メンテナンスは21:00に終わるらしいから、その間は別の事をしておこう。

ちょっとだけ勉強して、ご飯食べて、残りの時間は色々な事をして…と時間を潰しながら待っていた。21:00になる頃に、スマートフォンの通知が来た。

確認してみると、緊急メンテナンスが終了しました、とのこと。

まぁ時間通りだね、と思いながらカプセルの中へと入っていった。

いつもの様に眠って、目を覚ますと…


【一日目のログインボーナスを受け取りました!】


【一日目のログインボーナスは《回復薬》です!】


【二日目のログインボーナスは《300ギル》です!】


という表示が出た。

この機能はメンテナンス前にはなかったし、追加されたんだね。

ってそんな事よりも。

私は急いで弱体化スキルについて調べた。


【今回のメンテナンスで修正されたスキルはこの五つです】


【一閃、大豪炎、追尾斬撃、超越者、皆殺し】


うわぁ、私のスキルしかない!

…あれ?と私は疑問を覚えた。

五つで…一閃…大豪炎…追尾斬撃…あれ?

と明らかにもう一つの主力スキルである《黒炎》が入っていなかった。

詳細を確認すると、修正の入ったスキルに関しては、


《一閃:攻撃力の低下、70→60》


《大豪炎:魔法攻撃力の低下、100→85、消費魔力の増加、30→40》


《追尾斬撃:攻撃力の低下、70→60》


《超越者:スキル効果減少、非戦闘時100%速度UP→非戦闘時80%速度UP、戦闘時150%〜200%速度UP→戦闘時150%速度UP固定》


《皆殺し:スキル効果減少、5秒間攻撃力250%UP→3秒間攻撃力200%UP》


とまぁ中々な修正を喰らっているのにも関わらず、


《黒炎:修正なし、魔法攻撃力80、消費魔力20》


とまだぶっ壊れの状態で放置されていた。

これは…イベントまで封印しておこう。

きっと修正して来たということは、運営は私の事を監視しているはず。

ここで黒炎を使えば間違いなく弱体化される。

今回はたまたま運営の目に入っていなかったので良かったけど、今度はそうは行かなくなる。

とは言っても、この五つのスキルが弱体化されても、私のステータスに弱体化はない。

よってまだまだこのスキル達は活躍できる!


「中々だね…この修正は」


きっとプレイヤーの完全無双を防ごうと思ったんだろうけど、残念。

黒炎こそ高火力・広範囲の最凶スキルであり、それを放置してしまった時点で無双は避けられなくなる。

ともかくこのスキルは一旦封印、だね…。


――――――――――――――――――――――――


緊急メンテナンスが終了すると、大量のプレイヤーがログインし始めた。

だがサーバーが落ちることはほぼ確実にない為、どれだけ入ろうとも何も起こらない。


「果たして無事に成功しましたかね…?」


と一人が不安そうにしていたが、


「大丈夫だ、アクアは生産職、ステータスは平凡的だろうし、スキルも弱体化させた。あの黒龍に関してはこんな早くに手に入れられるとは思っても見なかったが、イベント中には使用不可にさせてもらおう」


そうでもしないと、一人のはずのイベントを、二人で無双されてしまう。

今回は完全に一人のみでの対人戦。

チーミングは極力禁止にし、見かけ次第即死にするが、アクアやぐらん等の強力なプレイヤーを20人以上の複数プレイヤーで攻撃するのであれば、そこは目を瞑ろう。

そもそもそこら辺に関しては、明らかに一人で挑むべきではないからだ。


「よーし、じゃあちょっと今日はこの辺で失礼したいと思います…」


「じゃあ俺も…」


とメンテナンスで疲れきった運営のメンバーが次々にこの場から立ち去る。

このメンバーも、後に苦労して終わらせたメンテナンスを第一回イベントでほぼ無視される事になろうなんて思いもしなかっただろうから。


――――――――――――――――――――――――


とりあえず今私のやりたいことは一つ。

モンスター狩り!

そう、この緊急メンテナンスで、モンスター素材をドロップすると書いていたからね。

本当に落とすのか、そしてどれくらいの強さなのか、生産職として確かめに行かないとね。

と、生産職として確かめにと行ったけど、普通の生産職は確かめにいけないよね…。

まぁそこら辺に関しては気にしないでおこう!


「クロエ!」


と召喚すると、


「おおアクア!メンテナンスとやらは終わったのか?」


と聞いてきた。


「うん!終わったよ!」


「それなら良かったのじゃ!」


と行ってくれた。

…あ、そうだ。


「ねぇクロエ…ちょっと無茶振りしていい?」


「どうしたのじゃクロエ?」


「あのね…普通に喋ったり、とかって出来ないかな?

私達は大丈夫だけど、これからクロエが他の人と話す時に変な子って思われたくないから…」


と下手な言い訳を作ったけれど、本当はクロエが黒龍だと知られたくないから。

もしもクロエが黒龍だと知られちゃうと確実に噂になるし、運営にも本格的なクロエの弱体化が入る。

いや、運営には確実に、というより絶対にクロエが黒龍だとバレているだろう、だってこのゲームの製作者達なんだから。

それでも弱体化していないって言うことは、まだ脅威だと思っていないか、イベントまで弱体化をしないでおいてくれてるのか。

クロエをイベントに連れていくことは不可能だろうし、まぁイベントを成功させられたらいいのかな?

クロエはうーんと悩み、そして、


「分かった!変な奴だと思われたくないからな!」


と承諾してくれて、咳を一回すると、


「これでいい?アクア」


と先程の喋り方とは明らかに違い、人っぽくなった。


「おお!いいねいいね!」


と褒めると、


「それは良かったの…良かった!」


と一瞬戻りかけた。

あはは、まだもう少し慣れが必要かな?

まぁ時の流れと共に普通になっていくだろうし、今は褒めてあげよう!とクロエを褒め続けるのであった。

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