第43話 後悔と絶望、からの…
ガァンと。
ギリギリ間に合わなかった。
もしかしたらと思ったが、キラキラとプレイヤーが消滅する時に出る光のようなものが飛んでいた。
思わず膝から崩れ落ちた。
もし私が遠くにいなかったら。
もし私が弱体化させていたら。
多分二人は…。
「アクア!危ない!」
とクロエが何か言ってるけど、もういい。
皆で攻略したかったのに、私のせいで…。
「……けて……避けて!」
クロエがまだ…と私はある違和感。
これはクロエの声じゃない…フレアの声?
ハッと私は我に返ってリーパーの攻撃を避けた。
何だろう、何か悪いイメージが頭の中をよぎってて…
【リーパーの状態異常:絶望の効果から逃れました】
状態異常?絶望?
一体いつの間に…って今はそんな場合じゃない!
「フレア!?カルマ!?」
と言うと、フレアが岩の陰から出てきた。
「フレア!さっきはあそこにいたのにどうして?」
と言うと、
「私にはスキルの幻影っていうスキルがあるの!だからこの姿も偽物だよ!」
なるほど、その能力はとてつもなく強い!
「それならずっと逃げてられる?」
「うん、魔力が尽きない限りは大丈夫だと思うよ!」
良かった、なら心配はする必要はないかな?
私達のやる事は、リーパーを早く倒すだけ!
「クロエ!空中からお願い!」
「分かった!」
とクロエは空を飛んで空中から攻撃を始めた。
空中か地上か、どちらかを狙わないといけないから、地震とかそういう地上を使った攻撃をしてきても空中なら避けられる。
「さぁ後半戦だよ!」
今度は状態異常にかかりはしない。
早く倒してこの戦闘を終わらせてみせる!
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リーパーは攻撃の強いクロエを優先して狙い始めた。
だから当分私には攻撃は向かないと思う。
なら今体力を削る!
「一閃!追尾斬撃!大豪炎!黒炎!」
と私は強力なスキルを放ち始めた。
一方クロエの方も攻撃を空中で避けながら、
「一閃!」
と攻撃を当て続けている。
【リーパーが即死スキルを…】
分かったから!ちょっと邪魔!
とホログラム表示を吹き飛ばして攻撃を当て続けた。
リーパーの即死スキルも、空中なら避けやすいと思う。
案の定リーパーは空中のクロエに攻撃を当てられずに疲弊状態へなった。
クロエは後ろに回り込み、強力スキルを当て始めた。
と完全な作業になってるけど、まだ体力を削れる感じはしない。
でもスキルは出切ったと思うから、ただ攻撃を当てるだけ。
レベル差が大きいボスが、まさかの虐めに変わってしまってる。
疲弊から回復したらまた攻撃を避けて、即死スキルが来たら避けて後ろに回り込んで避けて…を繰り返し、30分は経った頃。
リーパーが突然倒れ始めた。
確かに体力も攻撃力もスキルも強力だったけど、明らかに挑む相手を間違えていた。
光を出して消滅し、魔法陣が現れた。
「長かった…」
面白味もない戦いだったけど、中々に辛かった。
「フレアー、終わったよー?」
と言うと、陰からフレアとカルマが出てきた。
「ようやく終わったの?」
とフレアが言った。
ごめんね、弱体化してたら…。
【新スキルを獲得しました!】
・死神殺し
死神系統の敵に攻撃力が1.5倍される。
《入手方法》
・死神をノーダメージで倒す。
・下克上
レベルの高い相手に、元の攻撃力に[攻撃力+(相手と自分のレベルの差×0.05]のボーナスステータスが付与される
《入手方法》
・レベル差が15のボスに勝利する
・絶命剣
相手一匹に大ダメージを与え、かつ30%の確率で即死さそる
《入手方法》
・弱体化なしのリーパーに勝利する
いいね!これ!
強力なスキルがまたゲットできちゃった!
「よし!じゃあ…」
「早く脱出しよう!うん!」
とフレアがいち早く魔法陣に入って脱出していった。
「まぁ仕方ねぇよな、うん」
と言いながらカルマも入っていった。
「それじゃ私達も行こっか!」
と魔法陣に入った。
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出てきたのは、あそこに入る前の場所。
「ようやく出てこれた…」
とフレアが安堵の声を漏らす。
ここに行こうって言ったのは誰だったっけ?と少しフレアを見ながら、とりあえずは帰ることにした。
クロエも休憩する!と戻って行っちゃったし、もう暫くは休憩させてあげよう。
「よーし!じゃあ帰ろー!」
と私達は徒歩で街へと戻っていくのであった。