第2話 生産職専用ダンジョンとスキル
歩きながら鉱山を目指していた私は、説明を読まずに足を進めていた。
歩いていると、モンスターと戦っている人が多くいて、私もちょっと戦いたくなったけど…とりあえず今は鉱山を目指してみよう!ということで我慢していた。
第一、戦闘に不向きな生産職だから、ここで戦ってもアイテムの無駄遣いだろうからね。
と暫く歩いていると、とうとう鉱山の入り口が見えてきた。
まだゲームが始まったばかりだからなのか分からないけど、入り口に人の姿は無かった。
ってことは私が一番乗りかな!?と思いながら、アイテムからツルハシを取り出して、早速鉱山の中へと入っていった。
真っ直ぐを見ると鉱石の様な物があったので、早速向かおう!と走っていくと、蝙蝠が飛んできた。
そっか、蝙蝠もいるんだ〜、と思っていると、蝙蝠に謎のホログラムがある事に気が付いた。
鉱山蝙蝠:Lv5
HP:60/60
…何やら嫌な予感が…と鉱山の説明を今更読み始めた。
鉱山:推奨レベル5(生産職専用ダンジョン)
たくさんの鉱石のあるその鉱山は、いくら鉱石を取っても無くならず、更に加工のしやすい鉱石の為、生産職に人気のスポットとなっている。
あ〜ダンジョンね〜…ってダンジョン!?
まだ私レベル1なんだけど!?
い、いや、生産職専用って書いてあるから、もしかしたら行けるかも…?とか思っていたら、蝙蝠がいつの間にか接近して来ていた。
そうだよね!ゲームと違って説明とか見てても敵が襲って来ないなんていう親切設計はないもんね!と1人でツッコミを入れながら、私は剣を取り出した。
もしかしたら勝てるかもしれないという希望を抱きながら…いや、いくらレベル5とは言っても雑魚敵な訳だから、時間をかければ倒せるはずと思って、このゲーム初めてのバトルが始まった。
まずは一撃を入れてHPの減り具合を見たい!と思って蝙蝠へ剣を振り回した。
そうするとその剣が何とか蝙蝠に命中し、やった!と思いながら蝙蝠のHPを確認した。
洞窟蝙蝠:Lv5
HP:55/60
なるほど、一撃で大体5減るから、あと11回攻撃を当てれば勝てるのね!と思い、また剣を振り回した。
と蝙蝠の攻撃に当たってしまい、ヤバっと思いHPを確認すると…
HP23/30
あーなるほどね、HPの削れ方がヤバいね!と内心焦りながら、とりあえずスキルも何もない私はただ蝙蝠に攻撃を与えることしか今出来ることがないから、ひたすら蝙蝠に剣を振り回し、3分は経過した頃。
蝙蝠のHPをいつの間にか0にする事ができ、初めてのバトルに何とか勝利することができた。
多分、これ勝てたのは奇跡かも…。
とか思っていると、
「レベルが上がりました!」
という表示が現れた。
見てみると、今の戦闘でレベルが3に上がっていて、よし!とガッツポーズをした。
すると、スキルポイントが3ありますという表示も現れ、スキルという項目をタップした。
すると現れたのはお馴染みのスキルツリー!…ではなく、何やら1つ1つ離れた四角の形の中に絵が書いてある画面が出てきた。
うーん…?と思いスキルの説明も見てみることにした。
――――――――――スキル―――――――――――
スキルには、スキルブロックという今までにない形のスキルポイントを使用して入手する方法と、特定の条件で入手できるスキルが存在します。
スキルブロックというシステムは、スキルツリーとは違い様々なスキルが1つずつ別れており、自分の好きなスキルをスキルポイントのある限り入手することが可能となっております。
また、スキルのレベルを最大まで上げると、スキル覚醒という、スキルの効果や能力が増えるというシステムも存在します。
またスキルブロックは職業ごとに分かれている為、その職業にあったスキルを入手することが出来ます。
特定の条件で入手できるスキルは、レベル等の仕組みはありませんが、代わりに入手難易度が高いスキル程効果や能力の高いスキルが得られるようになっております。
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ふむふむ…まぁ大体は分かったからいいかな!
とりあえず、どんなスキルがあるのかな…?と確認をした。
生産職のスキルは、加工時にのみ使用できるスキルで、使用すると加工時の力やスピードが上がって早く加工が出来るようになったり、鉱石の温度を一気に冷却できるスキルとかがあった。
まぁやっぱりだけど生産に関するスキルが多いなー…って見ていたら、一応生産職でも使用できる全職業共通のスキルがあることに気が付いた。
これなら戦闘中にも使えるかな?と10秒間の間足音を消すスキルと、加工時に5秒間の魔力とスピードが上昇するスキルを入手した。
スキルのレベルを上げたかったけど、どうやらスキルのレベルを2に上げるためにはポイントが2いる為、みたいで、ちょっとしょんぼりしながら鉱山の探索を再開した。