第18話 隠しダンジョン
ふぅ、大変なことになった…。
しばらく街に行きたくはないなぁ…と思いながら、そういえば鉱山もダンジョンなんだからもしかしたらボスを倒したらいい事があるのでは?っていう訳で鉱山へ歩いている。
もうここの蝙蝠も怖くはないし、生産職専用なんだから、私には余裕でしょ!という考え。
鉱山に着いたけど、人はあんまり見ない。
生産職ってやっぱりそんなに選ばれてないのかな?となんだかションボリしながら鉱山の奥を目指して侵入していった。
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鉱山に入ってきたけど、蝙蝠の集団が襲いかかってきた。
多分普通の生産職のプレイヤーなら苦労するんだろうけどね、私みたいな生産職は大丈夫!
「回転斬り!」
そう、回転斬りを使って殲滅できるからね!
あっという間に蝙蝠を殲滅できたから、更に奥に進んじゃおう!
所々分かれ道があるけど、行き止まりでも戻っちゃえばいいし、モンスターハウスでも怖いものなしだから安全!
15分程度でボスがいそうな扉に辿り着いた。
さぁ、ちゃちゃっと終わらせちゃおう!
「俊敏!」
俊敏スキルを入る前に使っちゃってすぐに扉を開けて特攻!
ボスの見た目はあの蝙蝠が大きくなっただけだけど、高いところに飛んでいるわけじゃないから…。
「回転斬り!」
先制で回転斬りを喰らわせ、
「投擲!」
と両手の剣を投げて命中させた後に、
「強大な手!」
剣を操って即撃破!
この時間、10秒も掛かってないよ?
さぁ、何が貰えるかなー?とワクワク。
【新スキルを入手しました!】
《スキル:暗殺者》
・非戦闘中に速度が50%上がる。
・戦闘中に速度が100%上がる。
・5秒間透明になれる(足音は消えません)
・任意にこのスキルの効果を切ることができる。
《入手方法》
・ボスを10秒以内に撃破する。
《スキル:無慈悲》
・攻撃時5秒間攻撃力が100%上がる。
・敵の防御力を一度無視して攻撃する。その場合、攻撃力が50%下がる。
《入手方法》
・ボスを一度も攻撃させずに一定時間内に撃破する。
わお、超強いじゃん、いいじゃん!
と帰る気持ちで一杯だったのだけど、
【特定条件を満たした為、隠しダンジョンが開放されました。】
【侵入しますか?】
って言われて、侵入しない訳がないよね?
勿論侵入を選択!
すると帰還用のポータルが消えて、禍々しい魔法陣が現れた。
「ここに乗るわけね…」
隠しダンジョンっていうくらいなんだし、強敵だと思うけど。
まぁ、なるとかなるでしょ!
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着いた先は…うわっ!
全面赤い液体だらけの空間で、辺りには何か怪しい魔術をやっていたかのような物。
うん、ヤバい、帰りたい、と思ったけどどうやら帰還不可、最悪!
こんなのトラウマものだよ…と思いながら歩くと、赤色の蝙蝠を発見した。
そっか、隠しダンジョンとは言っても元が鉱山だったんだしら、そりゃ敵の見た目がごっそり変わるわけじゃないよね。
とりあえずどんなモンスターか見てみよう。
《ブラッドバット》Lv22
Lv22!?
もしかして、相当ヤバい所なのでは…?
とりあえず戦いを挑むことにしよう、もしかしたら簡単に倒せるかも…?
と近付いていくとそのブラッドバットが私に気付いて、赤色の尖った物体を飛ばしてきた!
危ない危ない!暗殺者がなかったら避けれてないよ!
しかも高いところにいるから回転斬りが当てられない!
となるとやっぱり…
「投擲!強大な手!」
こうなっちゃうよね、このコンビ便利だからね。
流石のブラッドバットもそれは予想外だったのか、避けることができずに攻撃を受け続けている。
いいぞ!この調子で!という時に、ブラッドバットがこちらへ捨て身の突撃を行ってきた。
えっ、ちょっと待って!と避けた私だけど、流石に二回目は辛い!武器はどっちも飛ばしちゃったからないし、戻そうにも間に合わない!
こうなったら、とりあえず何かで攻撃…と、焦った私は、古びた刀を取り出しちゃった。
もう何でもいい!倒せたら!と古びた刀で刺した。
体力が少なかったのだと思うけど、何とか倒せた。
良かった…と思っていたら、古びた刀がブラッドバットから何かを吸い取っていた。
えっ!?何!?と思うと、
【古びた刀が生命力を吸収しました。】
【ブラッドモンスターの為、二倍の生命力を吸い取る事が出来ました。】
【この生命力吸収は、自分よりLvが5高く、かつ現段階ではレベルが20以上の敵に古びた刀でトドメを刺した時にのみ吸収が可能です。】
【次の段階に必要な生命力は………です。】
何これ?と悩んだけど、古びた刀が覚醒する条件以外ないよね。
それにしても条件が厳しい!レベルが20以上って、この武器の攻撃力が相当弱らせないと辛いよ!?
あと次の生命力についても分からない!一体いくらいるの!?
とツッコミが多くなっちゃったけど、これから倒せる敵はこの武器で極力トドメを狙っていかないとなぁ…と難題が増えた私なのでした。