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平民いじめ①

 王国騎士団はスペード王国が誇る存在であり、国民たちにとって憧れの対象だ。街の人々の間の話題にあがると話は盛り上がり、子どもたちは騎士団になりきり走り回って遊ぶ。騎士団が遠征に行くときは皆が歓声を上げて送り出し、帰ってきたときは花道を作り、騎士団の帰りを迎える。

 そんな王国騎士団には、実力さえあれば貴族でも平民でも入団することができることで有名だ。普通ならば平民が貴族と同等の立場になることはあり得ないと言えるが、身分の関係で上下関係ができると人材育成の妨げになってしまう。そのため、王国騎士団では身分を一切問わないという規則を定め、家名をみだりに名乗ることを禁じているそうだ。つまり、ここでは貴族、平民という身分は関係ない、と表面上なっている。

 王国騎士団の訓練は筋トレやランニング、素振りなどの準備運動が終わると、ペアを組んで模擬戦や打ち合いを行う。そのペアを決めるのは騎士の人数が多いため、団員自身で決めることになっている。

しばらくすると自然としわ一つないシャツを身に纏い身なりを整えた者同士と型崩れした服を着た者同士のペアに分かれていった。


(ペアとなると、どうしても身分に分かれてるよね)


 オルフェオはできたペアを見渡して、引きつった笑みを浮かべてしまう。身分は関係ないというのは理想でしかないということだ。

 オルフェオは自分のペアになった相手を尻目にみる。オルフェオとペアになったのは、少し頼りなさそうな平民出身の小柄な青年。オルフェオが入団して一か月も経っていないが、彼のことをずっと下を向いている人という印象が根付いてしまっている。小柄な青年はミルクティーのような色の髪は青い目とそばかすを隠すように伸ばし、後ろ髪はハーフアップでまとめており、ヨーゼフの話によると今年入団したばかりの十代の新人騎士だそうだ。

 彼の実力は見た目そのままといった印象だ。自信がないのか、いつも控えめで腰も引けているし、小柄なせいなのかパワーもない。オルフェオに言えたことでもないが、正直、よくこの騎士団に入れたものだと思う。


(でも、話によると最初はかなり優秀だったとか)


 少なくともオルフェオに限らず、この青年への周囲からの視線はあまりいいものではないようだった。

 嫌われ者同士のオルフェオと気弱な青年はペアでの訓練の時は一緒になることが当たり前のようになっていた。


「さ、ユーリくん。適当にやっていこうか」


 オルフェオが軽く笑みを浮かべると、小柄な青年のユーリは露骨に嫌な表情をする。どうやら、オルフェオはユーリにも嫌われているようだ。疎ましく思われていることにはとっくに気づいてはいるが、オルフェオは人懐っこくかつ鬱陶しく絡む態度を変えるつもりはない。

 それに、ユーリに対してどうしても気になることがあり、意地でもやめる気はないとオルフェオは意欲を燃やしていた。

 もちろん、美貌だろうその顔を前髪で隠してしまう訳も知りたいのだが、オルフェオはそれ以上に気になることが他にあった。


(また、痣が増えてる)


 長袖で隠しているようだが、剣を振ると腕の裾からどうしても黒ずんだ痣が見えてしまう。しかし、接近しないと気付けないため、知っているのはユーリとオルフェオとその痣の原因を作り出している人物だけだろう。

 オルフェオは打ち合いながらも口を開く。


「また、転んだの? 痛そうだね」


 その痣がどう考えても転んでできるようなものではないことはないことは見れば分かることだった。しかし、オルフェオが初めて痣に気づいて声をかけたときにユーリから言われた言い訳に沿って話題を振ってみる。


「っ?! あ、貴方には関係ありません」


 ユーリはばつが悪そうに顔を歪ませた。

 いつも通りの反応にオルフェオは困ったように眉を下げながら笑顔をつくった。ユーリはなぜ痣ができたのかを隠そうとしているが、どうしようもなく隠すのが下手くそなのだ。一つの原因は、いつもオルフェオが痣について追及すると、ユーリは少しオルフェオから視線をそらし、あるものに視線が一瞬移ることだ。

 ユーリの視線の先にいるのは、少し離れたところで打ち合いをしてるユーリより一年早く入団した貴族出身の騎士、キーランド。無駄な脂肪がなく引き締まった身体を持ち、燃えるような赤い前髪をかき上げ黄金の瞳を持つ彼は、一目置かれる存在でもあった。十代の騎士の中で最も優秀だとも言われることもあり、実力によるものか性格によるものか、とにかく人の中心に立つような人物だ。

 キーランドの性格はヨーゼフから聞いた話だと、いい意味でも悪い意味でもが我が強い。そして、自分の家に誇りを持っていることで有名、とのことだ。


(まぁ、つまり自分勝手で、平民を見下してるってことね。別にそれはいいんだけどさ)


 ユーリの日に日に増えていく痛々しい痣を見て、オルフェオは目を伏せる。


(これはいただけないよね)



ーーーーー



 訓練中、しつこくユーリに絡んでいたことがバレて、オルフェオは小隊長のハーマンにしこたま叱られた。しかも、ユーリにおいてはもう少し話を聞こうと思っていたのだが、ハーマンが来た時に逃げられてしまったし、散々である。そろそろやり方を変えないと、同じことを繰り返しているだけだし、叱られている時間がもったいないとしか言えなかった。ハーマンに伝えるのも一つの手だが、ユーリのプライドを傷つける選択は最後にしたいと考えると言えずじまいになってしまう。

 とりあえず、ハーマンの長い説教が終わったら、自主練に連れていかれないようにトイレに行くと嘘をついて逃げてきた。


「くっそー、今何時ー? あー、もう! 早くなんとかしてやりたいのにさ。てかさ同じ団員に暴力とか神経疑うんだけど。てかユーリはなぜ逃げる。なぜ嘘をつく!!!」


 オルフェオは乱暴に頭をかきむしる。しばらくかきむしって落ち着くと、体から力が抜け、大きなため息が漏れる。


「ダメだ、一旦昼寝しよ。頭切り替えよ」


 ここで無暗に動いても時間の無駄だと思い、一度感情を落ち着かせるためにも一度寝ることにする。

 オルフェオはまだ試したことがなかった昼寝スポットに良さげな場所へと足を運ぶ。そこは、騎士団寮の騎士たちが自主練している広場とは反対側にあるちょっとした裏庭。騎士がほとんど来ることはなく、今の時間はいい感じに日が当たっている。数日前からあそこで寝ることを楽しみにしていたのだ。

 オルフェオは鼻歌まじりに裏庭に向かう。そして寮の建物の陰から一歩裏庭に入った時だった。


(……あ)


 オルフェオの目が据わる。

 目に移るのは、ボロボロになって身を守るように体を縮めこんでいるユーリとユーリを踏みつけるキーランドと加えて数名。オルフェオが現れて沈黙ができたが、先に沈黙を破ったのはキーランドだった。


「何見てんだよ、おっさん」


 キーランドの言葉に周りの数名が笑う。


「お、おっさん? うわ、オレ初めておっさんって言われたんだけどっ!」


 確かにオルフェオは成人を迎えたところである。そして、今年で二十一だ。「おっさん」という言葉には苛立ちの前に、新鮮さが勝ってしまった。


「じゃなくて、君と一つ二つくらいしか変わんないんだけど! 君もすぐにおっさんになっちゃうんだからね!」


 今更苛立ちが出てくる。そしてどうでもいいことを言い退ける。そんなことを言っているうちに、キーランドがユーリを殴っていたであろう模擬剣を振り上げた。咄嗟にオルフェオは鞘に入れたままの魔剣で受け止める。キーランドの一撃でジーンと手に振動がくる。この感覚は久しぶりで、少し興奮する。

 キーランドは少し驚いた表情を見せてから、目付きを鋭くする。キーランドの素早くしかも重い打ち込みにオルフェオは最初は耐えたものの、ふとした油断の隙に肋骨に重い一撃が入る。少し痛みはを感じ、体はよろけたが、耐えられる程度だと思った。しかし、なぜかオルフェオは上手く体が動かすことができず、やられっぱなしになってしまい、手から魔剣を離してしまう。体力の限界のせいか立っていられなくなり、地面に倒れ込むとキーランドの取り巻きたちが今だと言わんばかりにオルフェオを踏み蹴りした。

 キーランドは気が済んだのか、もういい、行くぞと取り巻きたちに声をかけると、やっと暴力から解放された。キーランドはうずくまるオルフェオを見下して、口を開く。


「このことバラしたらただじゃ済まねぇぞ、おっさん」


 キーランドが踵を返すと取り巻きたちもケラケラと笑いながら去っていった。

 オルフェオは盛大なため息をついてしまう。

 キーランドたちの足音が消えたのを確認して、目を開けるといつの間にかユーリもいない。


(アイツ、逃げ足だけは速いな)


 オルフェオは寝返りをして、大の字になる。


(せっかくの昼寝タイムが。どちくしょー、キーランド、絶対に許さん)


 そのまま一旦寝てしまおうと目を瞑ると、足音が聞こえてきた。キーランドが帰ってきたか、それともユーリか。その者はオルフェオの頭上にしゃがみこみ、オルフェオの顔を覗き込んだ。


「複数人の敵陣に単体で入っていくバカがあるか」


「リュトさん!! あ、いや、これは不可抗力で……」


 オルフェオは勢いづけて身体を起こして、胡坐をかく。


「最近、やたらとキーランドのことを気にしていると思っていたが、こういうことだったか。何故相談しなかった」


「いやいや、流石にリュトさんに頼るのは気が引けたといいますか、……ハーマン隊長の面子を潰しかねませんし」


 四階建ての寮の一階の寮長であるハーマンと二階の寮長であるリュトが犬猿の仲というのは有名な話だ。オルフェオは一階の寮員であり、ハーマンの小隊に所属しているにもかかわらず、ハーマンを頼らず不仲なリュトを頼るのは流石に気が引けたのだ。


「……だったら、いじめの現場を見た俺が勝手に気にかけているっていうのは問題なさそうだな。とりあえず医務室行くぞ」


「あ、はい」


 差し伸べられた手を取り、オルフェオは立ち上がる。

 立ち上がると、先ほどまではあまり感じられなかった痛みがじわじわと感じてくる。気になって、殴ったり蹴られたお腹まわりを見ようと服をめくる。


「うわっ、結構やられたな」


 リュトがオルフェオの怪我の具合を見て、顔を歪める。至る所に打撲ができており、普通の皮膚の色のところより内出血して赤黒く変色してしまっている部分の方が多いかもしれない。


「思ったより、ひどいですね」


「何を平然と……痛くないのか」


 オルフェオは首を傾げた。何を考える必要があるのか、と怪訝そうにリュトが半目を向けてくる。

 オルフェオは二か月ほど前に大けがを負ったばかりで、あの時の痛みが今でも鮮明に思い出すことができる。あの時は体中が痛いなんてもんじゃない、いっそ殺してくれと思ってしまうほど苦しかった。その時のことを思うと……


「見た目ほど痛くはないですよ。わりと平気です」


 オルフェオは何事もなかったかのように服を下ろし、裾をズボンにしまう。リュトが先ほどより眉をひそめて不機嫌そうに顔をしかめていたのだが、それにオルフェオが気づくことはなかった。


 医務室で診てもらって、骨折などはなく打撲だけで済んでいることが分かった。まあ、その打撲自体が多く強い衝撃によるものだったため状態はひどいのだが。とりあえず、一番ひどい肋骨の部分を冷却するように氷水の入った袋をもらった。


「打撲以上のものがなかったのは良かったして……次何かありそうだったら、ちゃんと報告しろよ。俺がだめなら、ハーマンでも管理人でもいい」


「はーい」


「相変わらず、気の抜けた返事だな」


 リュトはため息をついて見せるものの、少し口角が上がった。

 今日は安静にしているようにと言われたため、リュトと部屋に向かおうと歩いていると、進行方向から大股でこちらに向かってくる者がいた。あの逃げたくなるような圧を醸し出すのは、ハーマンしかいない。医務室に行く際に、リュトが管理人のヨーゼフに報告したため、その知らせを聞いてやってきたのだろう。


「怪我をしたそうだな」


「あー、はい」


「わざわざ俺から逃れて自主練をサボったかと思えば怪我をするとは、余程しごかれたいようだな」


「はは、まさか」


 ハーマンの修羅のような表情につい顔が引きつる。ハーマンの不機嫌そうな視線は少しオルフェオの後方にも視線もむける。機嫌が悪いのは恐らくリュトが付き添っていることも一つの要因のようだ。


「それで、怪我の程度は?」


「ところどころに打撲ができただけです。骨折はしていません。訓練には明日からも参加できます」


 隊長に対する報告のため、念のため姿勢を正して報告をする。しかし、表情は引き締まった様子はなく、平たい笑みを浮かべている。ハーマンはオルフェオの流れに持っていかれまいとため息を漏らす。


「……それでその怪我の原因は?」


「キーランドを含めた数名の騎士に暴力を振るわれました」


「は?」


 ハーマンはつい気の抜けた声を漏らしてしまう。オルフェオの発言には、リュトも目を見開く。それに反して、オルフェオは変わらず平たい笑みを浮かべたままということが少し気味悪く感じた。



ーーーーー



 翌日、何かしら寮内は不自然に賑わっていた。離れたところからオルフェオに視線を送っている者が以前と比べ異様に増えていた。特別に何か危害が生じるわけでもないが、流石に視線がこれほど突き刺さると少し不快に感じ、オルフェオはついため息をついてしまう。朝食を取ろうと食堂に行くと、既にキーランドが食堂で席に座っているのに気付いた。オルフェオを見るなり、キーランドは立ち上がってオルフェオに向かって歩いてくる。


「あ! キーランド、おはよう」


 オルフェオは、手を軽くあげて爽やかな笑顔をキーランドに向ける。その瞬間、辺りにピシッと緊張の糸が張り詰めた。キーランドもオルフェオと向き合って動きを止めてしまった。あれ、と声を漏らすと、キーランドは何も言わずオルフェオの胸倉を掴んでそのまま食堂の外へ連れていく。二人についてくるものは誰一人いなかった。


「おい、頭湧いてんのか? バラしたらどうなるか分かってて言ったってことだよな?」


「だって、ハーマン隊長に嘘つく方が怖いんだもん」


「いつもあの人の説教くらってるてめぇが言うんじゃねぇよ。だいたいてめぇにはプライドっつうもんがねぇのか。よく他人にボコボコにされましたって言えたもんだな」


「だって、そんなもん何の役にも立たないじゃん」


 オルフェオの飄々とした態度に腹が立ったのか、キーランドは腕に力を入れオルフェオを壁に押さえつける。頭に血が上っているのか、髪が赤いからか、今にも沸騰してしまいそうに見えた。


「俺はベルトルト家の長男だぞ。お前のことなど、いや、お前の家だってどうにでもできるんだぞ」


 堂々と規則違反宣言できるほどの家なのか、何も考えていないのかは知らないが、オルフェオは気の抜けるようなため息をつく。


「じゃあ、オレは家と縁を切るよ」


「は? 何言って……」


「家に悪影響が出るなら、縁を切る覚悟はできてるって言ってんだよ」


 自分のことはいいとして、家にまで手を出そうとするなら黙ってはいられない。初めて聞くオルフェオの低い声にキーランドは少し怯む。オルフェオは少し弱気になったキーランドを見逃さなかった。すかさずキーランドの胸倉を掴み返す。


「だいたいさ、君の方こそ何考えてんの? 君の家はそうやって権威を振りかざすためにあるわけ? 今はそんなことしてる暇はないだろ。ジョーカーが復活した。この意味わかってる? そんなんじゃ、君、戦場で死ぬよ」


 キーランドを押しのけて、食堂を後にする。

 ジョーカーが復活した。だからといって一気に魔物が襲ってくるわけでもなく被害を受けている地域はまだまばらだ。二十年近く前の話ということもあって、危機感も薄まってしまい、その脅威を直に感じたことがなかった間はオルフェオもどこかしっくりこないと思っていた。でも、魔物は本当に存在して、人の命を簡単に奪ってしまうものがいつどこに来るかなんて分からない状態である、この事実の確かさを知ってしまった。そして、そんなことは騎士として生きるものは皆、胸に刻んでいる者だと思っていた。

 オルフェオは怒っている。自分でも驚くことに怒っているのだ。


(こんなに腹が立つのは珍しいかも)


 ふと気づくと、いつの間にか朝礼の集合場所に来ていた。オルフェオ以外誰一人まだ来ていない。だからといって、戻ってもすぐに行かなくてはいけなくなる時間だ。


(あー、もう。らしくない。何してんだろ、オレ)


 頭をかいて、首を垂らしながらため息をつく。

 少し顔を上げると、寮の方からこちらに走ってくる影が見えた。それが誰か分かるとオルフェオはその意外さに驚いてしまう。


「ユーリくんじゃん。そんなに急いでどうしたの?」


「あの、これ。朝食食べずに行かれてしまったので……」


 ユーリがオルフェオに差し出したのは、パンでレタスやたくさんのハムなどを挟んだものだった。紙で包まれており、中身が見えた途端におなかがなる。その様子にユーリにくすっと笑われてしまい、オルフェオも恥ずかしそうに笑う。


「そうだ、朝ごはん食べてないんだった。助かったよ、ありがとう」

 

 オルフェオが座って食べる姿を見て、ユーリは嬉しそうに笑う。しかし、すぐに気まずそうに、俯いてむずむずし始める。


「……あの、昨日はありがとうございました」


「あぁ、怪我大丈夫?」


 オルフェオが見上げてきくと、ユーリは瞼をぱちくりとさせてから苦笑いを浮かべた。


「それはこっちの台詞なんですが……」


「オレは全然平気」


 え、でも、とユーリが呟いた時に、オルフェオはサンドイッチを食べ終わる。他の騎士たちもちらほらと集まり始めた。


「ごちそうさまでした。本当に持ってきてくれてありがとね。訓練中に倒れるところだったよ」


「あ、いえ、……良かったです」

 ユーリは続きを言ってはいけない気がして、ただ返事を返すだけにしてしまう。今日も頑張ろうね、と笑うオルフェオに笑顔を返すが、すぐに顔を俯かせて瞳を揺らす。


(全然平気だなんてあるわけがない。だって……)


 昨日、オルフェオがキーランドたちに殴られた瞬間、ユーリは一度止めに入ろうと思った。しかし、できなかった。怖かったのだ。彼らの様子がいつもより凶暴で、怖くなって逃げてしまった。


 ユーリは今まで何度もキーランドたちに暴力を振るわれていたが、オルフェオほど思い切り蹴られたり殴られたことはなかったのだから。


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