仲間が出来た
とりあえず俺は昨日あったことを話した。あと、ナイフは外してもらい、自分を回復呪文で回復した。
「利用するだけ使って、その上財産を全てかっさらうなんて···。」
彼女は俺を憐れむように言う。
「仕方ないだろう。実際、俺の仕事がその仕打ちに値するだけの程度の物だったって事だろう。」
それが社会だろう。逆に何故そんな事を言うのであろう。だが、
「?」
彼女は俺の言動が理解できないようだ。
「あなたは冒険者達の間でも戦闘中のあり得ない動きで有名ですよ?」
やはりうわさされる程ひどいのか。
「とんでもない。真逆です。あなたがいたからあのパーティは依頼を成功させていたのです。」
「いやいや。だって俺ができる事っつったら敵を挑発しながら罠に誘導する程度だろ。それのどこが凄いんだよ。」
「それをしながら呪文を使う事が抜けてます。さらに味方に敵の注意が向かないようにするために死んだフリをするとか···。普通は自殺行為ですよ?」
「だって俺を食おうとすれば一瞬でも隙を作れるじゃん。俺攻撃力低いからそういう事しかできないし。それが誉められるなんて意味がわからない。それに、俺より優れた奴なんてこの街だけでもごまんといるぞ?」
「とにかく!少なくとも私はあなたをすごいと思います。それは絶対に動きません。そして、そんな方をこんな惨めな姿にしたあいつらは許せません!」
つくづく、話のわからない少女だ。俺はただ、ダメだったから追放されたのだ。それ以上は無い。ましてや、こんなかわいらしい少女に尊敬されるような覚えは無い。
「とにかく、これから同行させていただきます。」
は?俺は間の抜けた表情になる。こいつの話はつくづく話の間と発想がぶっ飛んでる。
「だってこんな素晴らしい能力の持ち主が理解も出来なかったGOMI 共から解放されたんですよ?早い者勝ちで手に入れなければならないではないですか。」
言葉が荒くなってきた。怖い。
「という訳でぇ···。」
でぇ···。何だ?
「よろしくお願いします。」
ダメだ不可抗力だ。
ちなみにまだ主人公はパンツ一丁です。