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第2話 一歩を踏み出そうとしてそれを踏み外したと思われたがなんとか踏ん張ってる状態。

 良い気味だ。

 パーティの役割を果たさず周りに任せっきりの結果蹴飛ばされて、パーティ追放。

体から恐らく血が出てる。動けない。このまま野垂れ死にするのか。

 否、かすかに動けるだろうか。仮に動けるならこういうでかい道ではなく、人目に付かず、なおかつ通行の邪魔にならない路地裏にでも倒れて寝るか。うん。そうしよう。

 よっこらせっと···。そういいながら、俺は辛うじてできそうなはいはいのような感じで酒場の路地裏に移動する。パーティの奴らにバレない事を祈ろう。見つかればまた殴って来るだろう。

 なんとか移動できた。だが、たかが数メートル程度の移動でも、傷跡から痛みがむせ返して来た。しばらくは安静が必要だろう。とりあえず、今日は寝よう。ん?

 そこに何かいるように俺には見え、なおかつそれが人の形をしているように見える。ホームレスだろうか。だが、俺はそこから移動するだけの体力をもう持ち合わせていなかった。ただ、見ず知らずの人の隣に寝るのもアレなので、その人影らしい物の少し離れた場所に突っ伏して、俺は寝た。

 恐らく俺は満身創痍だろう。だが、生憎俺はそれをどうにかするだけの金も、気力も、残っていない。

 待てよ。自分で回復すれば良いじゃん。何の為の回復スキルだよ。明日、立てる位に元気があったら試してみよう。

 さらに幸い此処は人気がないから明日からの生活の拠点に出来るのでは?


 追放されて極限まで無一文の主人公、レイ。絶体絶命から何かよくわからない駄文的展開が働き、明日への生活の希望を見出だし、また、不安げな明日にもう一度ゼロから一歩を踏み出そうとしていた。


 ー翌朝。

 俺は悟った。昨日あれだけよくわからない妄想に作者のゴミ作文力と原稿一枚を煩わせた割りに、俺は数行前に説明した大事な一歩をとてつもなく、華麗に、


踏み外した。


 目が覚めたら、目の前に刃物。うん。いつも通りだ。ただいつもと一つだけ違うのは、それをパーティのメンバーが行っていない事である。

 俺はメンバーとは名ばかりの雑用だったので、こきつかいたいメンバー達は俺に何かさせる為の脅迫、つまりナイフとか包丁とかを目覚ましのようにしていた。

 対して、今朝は昨夜いたホームレスらしき人に、怪しまれて錆びた刃を突きつけられていた。

 俺が起き上がろうとすると、

 「動か···。あ、いや、えっと···。う、動くな、変質者!」

と、言われてしまった。確かにパンツ一丁の人間がまともに見える訳無いもんなー、と思いながら状況を判断する。我ながら冷静だと思う。

 最初に、今俺にナイフを突き立てているのは、15位の女の子だ。ホームレス?の割りに肌の艶も良く、別に飢えているわけではなさそうだ。何か事情があって此処にいるのだろう。 次に俺は寝相が悪かったのですぐに起き上がれる。運が良ければナイフの突き一発は回避できる。ただ今の体じゃそこまで速く動けないから危険な手段だ。今は黙っていよう。

 という訳で今はとりあえず、相手の目的を知ろう。それが金なら俺はこの人生を諦めよう。

 俺は聞いた。

 「目的は何?」

 少女は答える。

 「え···えっと···街の治安の維持、向上···です。」

 うーん、だとすれば何で王国騎士団に頼まないのだろうか。そう考えたのを察したように少女は言った。

 「ッ···所詮はあの人達は欲の塊です。表向きはいくら潔く、人々の心の拠り所であっても、彼らは傲慢で、金、地位、女。そういった目先の物にしか興味がありません。そんな人達に依頼は頼めません。頼んでも、金を漁るだけ漁って中途半端にするでしょう。冒険者さん方はその依頼のためにお互いを殺めあってまで依頼を受ける方がいらっしゃるので信用できません。」

何か彼女の中のスイッチが入ってしまったようだ。対して、俺。

 「···。」

 ぐうの音も出なかった。俺は冒険者という身でありながら知らない事が多すぎた。

 王国の騎士と言えば気高く、高潔で、清廉というイメージしかなかった。まさかそこまでのクズだったとは。できれば聞きたくなかった。

 ましてや俺まで同じイメージを持たれているのは腹立たしい。

 「許せませんね。」

 俺は心の底からそう思った。だが彼女はその言葉を聞いた瞬間何故か顔が険しくなった。そして、一言。

 「あなたが昨晩までいたパーティこそその代表例のような物ですよ?」

 ···は?俺はそんな事をした覚えは無い。勘違いでは?

 「否、あの···正確にはあなたの所の団長率いるあなた以外の初期メンバーです。あなたは最初から騙されていたのです。」

 いよいよ傷の痛みと次々入って来る情報の多さのコンビネーションで気絶しそうだ。

 だが、そう言われて見れば心当たりはいくつかある。例えばこの状態。端から見れば、変質者か追い剥ぎに襲われた憐れな人にしか見えないだろう。···被害妄想やベーな俺。そして本題に戻る。

 「で、俺は変質者としてではなく、被害者として尋問を受けるのね。···え?じゃあわざわざナイフ使う必要無くね?」そもそもだ。

 「···あ、いえ······。これは···その···一度やってみたかったので······。」再びスイッチのオフモードになる。

 いやいやサイコパスかよ。


相変わらず駄文すみません。投稿ペースですが此処1ヶ月は3日に一本を目標に頑張ります。

 改善点、文句等ありましたら感想欄よりどしどしどうぞ。

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