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非リアの俺が学年一の美少女と付き合っちゃった話  作者: プリンアラモード
6章 高3の夏休み
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96話 ビーチバレートーナメント戦(後編)

 ファミレスでの美味な食事を終え、またビーチへ。行きに同じく、トイレで水着に着替えて浩平妹を審判に現在7-5の試合が再開した。


 サーブ権は最後に得点した桔梗さん&伊納に。

 「やぁぁぁっっっ!」

桔梗さんが繰り出すは強烈なジャンプサーブ。バシンッ!と音がしたかと思えば、今度はぎゅうんっとなる程に高速で砂地に接近する。

「まずいっ!」

少し遅れて立花さんがスライディングで受けに行くが、ほんの少しのところで落とす。

 「桔梗さん、伊納さんに1点!」

と左手を上げる。これで、7-6と桔梗さん&伊納チームが鈴本さん&立花さんチームに迫る形となった。

 観戦者の内、俺、圭吾、浩平、学の4人はそんな大接戦の他所で買ってきたトロピカルジュースを飲んでいた。

 「らぁっ!」

バジンッ!バシ、バシ、バシィィィッッッン!

「はぁっ!」

バシィッン!バシンッ、バシンッ、バシンッ!とあっちが激烈であるのに裏腹で、俺は

「う、美味い。」

と呑気にジュースを啜る。

 「はぁっ!」

「やぁっ!」

「とぅっ...!」

などと響く怒号、ビシバシバシィィィッッッン!と鳴る激突音。ボールをネットの上を10秒もない内に周回する。

 「はぁっ!」

そして、鈴本さんの強烈スパイクで次の得点は鈴本さん&立花さんに入る。故に、浩平妹は

「鈴本さん、立花さんに1点。」

と右手を挙げる。これで、8-6。鈴本さん&立花さんがまた点差を戻すこととなる。

 だが、今度は桔梗さんが十数のレシーブの末点をまた奪う。

「らぁぁぁっっっ!」

と叫んで、高所からほぼ真下にボールを突き落とすという大技を繰り出しブロックしようと飛び上がった鈴本さんと砂との間を抜け、これで8-7となる。浩平妹が

「桔梗さん、伊納さんに1点」

と左手を挙げた。

 その後も、大接戦は続き数十分程してやっとマッチポイントとなる。現在14-14。つまり、次に取った方が勝ちという熱い展開である。

「はぁ...はぁ...。」

「ふぅ...はぁ...。」

「ぜぇ...ぜぇ...。」

「はぁ...。」

両者とも息を切らす。

 されと、その決着はすぐにつく。桔梗さんが

「たぁぁぁっっっ!」

とジャンブサーブを繰り出すと立花さんがその速度を弱め、しかも軌道を上へ。そのボールを鈴本さんは

「ナイスよ、小百合ちゃんっ!」

とオーバーで受け、

「ええ!私のスパイク、食らいなさいなっ!」

と高く飛び上がって強烈スパイク。そのあまり凄まじさに桔梗さんも伊納も目が追い付かずあっさりと点が入った。

 「鈴本さん、立花さんに1点。よって、勝者鈴本さん、立花さん。」

と鈴本さん&立花さんの勝利を告げる。これで、俺たちが彼女らと戦うこととなる。が、流石にこちらが不利すぎるということで使うのは利き手と反対、加えてこちらには浩平妹も参加といった2つのハンデが認められる。


 だが、結局は惨敗。結果は3-15の12点差で俺&圭吾&浩平妹の3人チーム。ちなみに、この3点は全て俺であると自慢する。


 1回目はあちらが3点先取した頃。ずっと集中して彼女たちの対戦を見ていたために何となく技が出来るようになっていた。まずは、指を丸めて不意打ちを狙うあの技。

「なっ!」

あっちもこんなことをしてくるなんて思っていなかったようでまずは1点。審判となった五十嵐さんはもちろん、

「井上くん、橋本くん、茜ちゃんに1点。」

とこちら側の右手が上がる。茜とは浩平妹の名前である。

 さて、2回目は1-8の点差が+7のその時。

「はぁっ!」

俺は立花さんのスパイクを防ぎ、しかも横に払うあの技。

「つっ...!」

かなり手は痛むが一先ず点差を縮める。無論、

「井上くん、橋本くん、茜ちゃんに1点。」

とテンプレを投げ、五十嵐さんは右手を挙げた。

 そして、最後は2-14とあちらがマッチポイントとなったときのこと。鈴本さんの強烈スパイクを俺は手先を使って速度を緩和、さらに軌道変更。

「やっ!」

飛び上がったボールを浩平妹、あらため茜ちゃんがオーバーして圭吾もオーバー。俺はこちらに来たボールをワンチャンきに賭けてボールを真下へ下ろすあの大技。成功。

 「嘘っ?」

と鈴本さんは目を大きく丸くする。なにしろ、物凄いスピードでボールはブロックに入ってい彼女の真下を通過したのだ。

「私が取りますっ!」

それを見て立花さんが突っ込むももう少しの所で間に合わず。しかも、降り立った鈴本さんに顔側面踏まれる有り様。さらには、バランスを崩した彼女が立花さんを押し倒したみたいな形に。

 距離は鼻と鼻とがくっつくほど。

「ごっ、ごめんなさい!」

「いえ、いいんですのよ。」

鈴本さんは顔を赤らめ慌てて飛び上がり、立花さんはそのことを許容する。俺もそんな様子を見て頬が緩む。これは完全に恋愛感情はないけど変に意識しちゃってるという感じである。そんな百合百合しい状況で、五十嵐さんの

「井上くん、橋本くん、茜ちゃんに1点!」

と右手を挙げながら得点を告げる透き通った声はよく映えた。


 とは言え、その次で相手側が1点取ったということで15点となる。それにて、試合は終了。

「鈴本さん、立花さんに1点。よって、鈴本さんと立花さんチームの勝利ですっ!」

とあちらの勝利を告げた。


 こうして、ビーチバレーも終わり時間は既に4時頃。日は西の水平線に沈んでおりそろそろ帰らねばならない時間である。バスがくる時間も近い。

 俺たちは速攻で着替えて、速攻でバス停へ。

「はぁ...はぁ...。」

「ぜぇ...ぜぇ...。」

「ふぅ...ふぅ...。」

「ぜぇ...はぁ...。」

「はふぅ...はふぅ...。」

「ひぃ...ひぃ...。」

「へぇ...へぇ...。」

それはたった数百メートルで息を切らすほどの速さであった。でもそのお陰で、ここ30分のバスに間に合うことができた。

 そして、そのバスに乗って上野へと戻るのである。その際、疲労のためのか俺たちは皆完全に撃沈していた。

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