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非リアの俺が学年一の美少女と付き合っちゃった話  作者: プリンアラモード
6章 高3の夏休み
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88話 男嬉しき泳げよ乙女

 昼食も終わり、俺たちはまた同じビーチへと戻ってくる。

「それでは、着替え直しといこう!」

そこでまた浩平が仕切り始め、今度は海だー!をせずに砂浜に出る。

 昼食前までは泳ぐということをせず、ただリア充していたが今からは折角海に来たのだから泳ぐこととする。まずは、気楽に平泳ぎ。次にクロール。浜の右手にあった岩から左手に少し進んだ先の岩まで競争をする。

 距離は目測でおよそ35mほど。学校のプールよりは一回り大きいぐらいである。

 参加者は全員。つまりは、俺、浩平、圭吾、学の男子勢4人に、鈴本さん、桔梗さん、栞、立花さん、伊能、五十嵐さん、浩平妹の女子勢7人であることは言うまでもない。桔梗さんは水泳部を生業とし、鈴本さんに至っては才色兼備なために運動神経も良く下手したら3年水泳を続ける桔梗さんよりも速いだろう。五十嵐さんも亀の甲より年の甲で結構速いのかもしれない。

 そして、皆がけのびをして岩を出発した。昔泳ぎの苦手だった俺は泳ぐ距離を短縮するため速く長く進めるように極めていた。故に、浩平とかはその点で余裕で凌駕し、そこだけ見れば桔梗さんにも勝るとも劣らなかった。

 そんなこんなで最初は俺と桔梗さん、加え鈴本さんが横に並び、やがて桔梗さん、鈴本さんの順で追い抜かされる。俺はバタ足をしながら、エントリー、キャップ、プル、プッシュ、リカバリー、またエントリー。一所懸命それを繰り返し繰り返し2人に追い付かんとする。

 「ハッハッハー!遅いな井上くんよー!」

たまたま泳ぎの得意だった浩平は得意気になる。別に上手いことを言っているつもりはない。最下位は大体察していたが学だった。しまいには浮き輪を着けて泳ぐ幼女を見てコースからずれていく。

 「どうだ、この美しきフォーム!立花さん、凄いだろう?」

後ろでは圭吾が泳ぎながらお嬢をたらしこんでいた。

「本当、美しいですわー!」

お嬢こと立花さんも割りと本気で返しつつ、結局逃げるためにと速度を上げる。泳ぎというのは追い詰められると速くなるし、泳げない人だって何とか水を進むことが出来るようになる。その様子に圭吾は

「恥ずかしがるか。初々しいお嬢様だ。」

と変なことを言っている。

 それを、見るばかりか泳ぐのが疎かになっていた。見ると、既に皆俺を追い越している。追い越していないのは圭吾のみ。学は問題外。

「おらぁぁぁぁぁっっっっっ!男共には負けるかぁぁぁっっっ!」

人はまた叫べば瞬間的に体力向上が見込めることがある。俺はそれを実行に移し。そう、あの浩平などには俺は負けたくないのである。

 その結果、浩平も浩平妹も栞も伊能も追い越してしまい、近くに鈴本さんと桔梗さんを拝む。

 「あの男、怒濤の追い上げをしてきやがったぞ。」

「これは目にもの見せるしかないわね。」

桔梗さん、鈴本さんは言ってあちらも速度を速める。

 「うおぉぉぉりゃぁぁぁっっっ!」

そんな叫びも長く続き、俺は2位に入る。こうなったら桔梗さんと鈴本さんも追い越してやるとは思ったがそれは無理だった。当の二人は大接戦を繰り広げ結局最後は同率となった。


 それからは俺たちは休憩に入る。ずっと幼女を探す学はさておき、俺はパラソルの下で寝転んだり、恒例の砂に埋まったり。そんなことをしながらまだ泳ぐ女子勢を眺めたりもしていた。

 浩平、圭吾は完全に犯罪者の顔となり、俺はついつい口元が緩んでしまう。男子勢は揃いも揃って変態野郎だったのだ。そらそろ、思春期も終わる頃だというのにである。

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