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非リアの俺が学年一の美少女と付き合っちゃった話  作者: プリンアラモード
6章 高3の夏休み
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83話 例の計画にその末の果て

 そして、ついに俺たちを乗せたバスはバス停「海水浴場前」に辿り着いた。その瞬間、俺たちの顔に濃い潮風が吹き付ける。その風はほのかに磯の香りを孕み、ザザーンと言う波の音は耳に響き渡る。

 それから数十分経ち、鈴本さんを乗せたバスも到着し、その扉から一同が出てきた。

「私、自分が才能があるからって才能が無い人を見下すのはどうかと思うの。ね、雫?」

「そ、そうだな。」

「その気持ち、凄く分かるよ沙耶香ちゃん。」

「私は貧相な胸でもいいと思いますわよ。」

何が発端かは分からないがおそらく巨乳だとか貧乳だとかのだと思われる言葉を交わす彼女たち。末に立花さんがにっこりと笑い、体を揺さぶる。それだけで、そのふくよかな胸が大きく揺れ、鈴本さんは凄い目でそこを見つめながら、

「あなたも他人事ではないのよ。ねぇ、小百合ちゃん?」

「も、申し訳ありませんの。」

その圧に負け立花さんの方はつい怖じ気づいて謝ってしまう。

 「おい、井上。」

と、様子を見ている俺の肩に誰かが触れて来た。俺は声から察し、思った通り主は浩平であった。

「例の計画について話がある。」

(何か俺たちが悪者みたいな感じのニュアンスが含まれるなそれ。)

と、思いながらも彼の口元に耳を寄せて最終確認を行う。

 「みんな。聞いてほしい。」

その件は俺から皆に伝える。何せ俺たちの中でした話なために違うバスに乗った女子5人組は知る由も無く、同じバスの五十嵐さんや浩平妹まで詳しく知らないと言う有り様なのだ。

 俺は先のバスで浩平から聞いたことをそのまま伝える。

「まあこんな機会、あんたたちに無かったものね。」

「沙耶香がやるってんなら付き合ってやってもいいな。」

「私もやってみたいですわー。殿方と一緒にそれをやるの初めてですもの。」

「こ、これで井上先輩が脱ぐ瞬間を見れますね。じゅるり...。」

「うっ、お兄ちゃんがそんなことしたら絶対に犯罪者臭が。」

「私もこういうのって久々だから良いと思うわ。」

「わ、私はちょっと恥ずかしいけど。皆が言うなら私も乗るわ。」

鈴本さん、桔梗さん、立花さん、伊能、浩平妹、五十嵐さん、栞は言葉を連ねる。

 「よし。じゃぁ、決まりだな。取り合えずトイレの時間を取る!水着を下に着てきてない奴はついでに着替えてこい。」

次は浩平。

「何でお前が仕切り始めるんだよ。」

俺はボヤきつつも一応トイレへ向かう。着いてきた伊能はトイレの中まで入ってこようとするが、流石にそれは

「おい。」

と制止した。


 それから5分程が経っただろうか。皆が元の場所に集合する。と同時に浩平は、

「良いか、皆の衆!行くぞ!」

と拳を掲げる。次いで、

「おーーーーー!」

と残りの10人も拳を掲げる。

 そして、俺たちは砂浜への一本道を他の客の迷惑になら無いようにしながらも前へ前へ走っていく。

 

 その末に。

 「海だーーー!」

砂浜前のちょっとした段差で飛び上がり、俺たちは大きく叫ぶ。その声は濃く広く青い夏空に響き渡った。

 「ごふっ。」

「うぐっ。」

「ぎゃぁ。」

その後、俺を含め砂浜に見事綺麗に着地する8人だったが、残りの3人である浩平、圭吾、学がまるでお約束であるというように着地に失敗。顔面から砂に突っ込んだのである。

「大丈夫か?」

俺は呆れで目を細めながらも安否を確認する。

 「あぁ。砂がクッションになってくれたからな。」

「うえっ、砂が口に入った。」

「はぁ...この砂には幼女の爪や垢や体液も...はぁ。」

そう言って3人が立ち上がる。すると、俺たちの目には砂が付きまくった彼らが映る。

 その瞬間にまず鈴本さんが吹き出した。それに吊られて残りも皆が笑う。その内にその体の数多の砂は一斉にこぼれ落ちた。一時はムードが台無しになったかと思われたが、むしろこれはムードが良くなった様子である。学の少々問題は残っていたものの。

 

 そうして、さんざん笑った後、今度こそ俺たちは海に乗り出すのであった。

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